お悩み別ケア
2021.12.24

かゆいニキビはニキビじゃないってホント?真相を専門家に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ニキビ”について。かゆいニキビはニキビじゃないって…ウソ? ホント? 表参道美容皮膚科・副院長の三宅真紀先生にお答えいただきます。

Q:かゆいニキビはニキビじゃないってホント?

ニキビができて顔がムズムズ、痒いという症状に悩まされている人も少ないかもしれません。なんとか痒みを抑える治療をしたいものですが、そもそもかゆみがある場合はニキビじゃないのだとか…。本当なのでしょうか。

さっそく、この疑問を三宅先生にぶつけてみました! 果たして答えは…?

A:ホント

「ニキビ自体はかゆみをもたないことがほとんどのため、かゆみがある場合はニキビではない、別の疾患が考えられます」(三宅先生・以下「」内同)

ニキビに似たかゆみがある疾患とは?

「まずは、乾燥が要因のもの。ニキビができているものの、そもそも肌の乾燥がひどく、乾燥によって肌のバリア機能が低下し、湿疹の状態となってかゆみが生じているケースです。

ほかには、皮膚の常在菌の一種である、真菌というカビが原因で湿疹を引き起こす、“脂漏性皮膚炎”の可能性があります。鼻周りや髪の生え際など皮脂の分泌が多い箇所に赤く吹き出物ができたり、頭皮の場合は、皮膚が剥がれ落ちてフケのように見えます。必ずではなく、場合によっては痒みがある場合もあります。また、水虫で有名な白癬菌などのカビによる、真菌感染症によって痒みが出ることもあります。

脂漏性皮膚炎などのカビに感染している場合、自分ではアクネ菌が原因のニキビなのか、違う疾患なのか見分けがつきにくいため、そのまま放置しておくと、ますます悪化してしまう可能性があります」

乾燥肌・脂漏性皮膚炎のNGケア

「洗顔は熱めのお湯で行う、洗顔後タオルでゴシゴシ拭くという誤ったお手入れ法は、とくに乾燥を助長させてしまいます。

脂漏性皮膚炎などのカビに感染している場合は、保湿をしっかりすることで、かえって悪化してしまうことがあります。保湿のしすぎには気をつけましょう。

ほかには、シャンプー後に髪を乾かさずに濡れたまま放置するのもNG。カビが繁殖し、症状が悪化する恐れがあります。シャンプー後は、すぐに乾かすようにしましょう」

Point

◆NGケア
・熱めのお湯で洗顔する
・タオルでゴシゴシ擦る
・シャンプー後、髪を乾かさずに放置する
・保湿のしすぎ(脂漏性皮脂炎などのカビに感染している場合)

乾燥肌・脂漏性皮膚炎のセルフケア

「乾燥肌は、保湿が基本のお手入れになります。化粧水を重ね付けしたり、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が入った保湿剤を使用するとよいですね。

脂漏性皮膚炎などのカビに感染している場合は、朝晩の洗顔と毎日のシャンプーを欠かさず、肌と頭皮を清潔に保つようにしましょう。洗顔料やシャンプーは刺激が強いものは避け、やさしいものを選ぶのがベスト。ここ最近は、市販でも真菌の増殖を防ぐ効能のある専用シャンプーを購入できるようになったので、併せて使用するのがよいです。

脂っぽく偏った食生活や、寝不足、ストレスによっても症状が悪化してしまうため、規則正しい生活とストレスを溜め込まないことが大切です。

また、皮脂の分泌を抑えてくれる効果のあるビタミンB2B6、ビタミンCを積極的に摂取するのもおすすめです」

  • ・乾燥肌…化粧水の重ね付けや、セラミドやヒアルロン酸が入った保湿剤を使用する
  • ・脂漏性皮膚炎などのカビ…朝晩の洗顔と毎日のシャンプーで、頭皮と肌を清潔に保つ
  • ・洗顔料やシャンプーは刺激が強いものは避け、やさしいものを選ぶ
  • ・市販では、真菌の増殖を防ぐ効能のある専用シャンプーも◎
  • ・規則正しい生活とストレスを溜め込まない
  • ・皮脂の分泌を抑えてくれる効果のあるビタミンB2、B6、ビタミンCを積極的に摂る

皮膚科での治療法

「乾燥肌の場合は、保湿剤の塗り薬を処方します。炎症が強い場合は、ステロイド剤を併せて使用します。

脂漏性皮膚炎などのカビに感染している場合は、カビを殺す抗真菌薬や、炎症を抑えるためのステロイド剤を処方して治療します。自分では治すことが難しいため、早めに皮膚科を受診することをおすすめします」


表参道美容皮膚科・副院長

三宅 真紀先生

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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