マグワ根皮エキス｜化粧品としての効果は？【美容成分大全】

コンテンツ提供：日本化粧品検定協会

概要

効能効果・はたらき

「化粧品」に配合したときの働き

●チロシナーゼ活性阻害
シミの元であるメラニンは酵素チロシナーゼが働きかけることでつくられます。マグワ根皮エキスは、抗酸化作用のあるグルタチオンの産生を促進する作用があり、美白の有効成分ではありませんが、このグルタチオンが酵素チロシナーゼの働きを抑えるため、紫外線を浴びた肌が過剰にメラニンを生成するのを抑制する効果が期待できます。

また、メラニンにはユーメラニン（褐色～黒色）と、フェオメラニン（黄色～赤色）の2種類があり、グルタチオンはフェオメラニンがつくられるのを誘導する働きがあるとされています。マグワ根皮エキスは、色の薄いメラニンの比率が増え、濃いメラニンの比率が減ることで、肌色が淡色化する効果が期待できます。

●抗炎症
マグワ根皮エキスは、ニキビの原因菌であるアクネ菌がつくりだすいくつかの炎症を引き起こす物質の生成を抑える作用があります。そのため、ニキビの悪化を防ぐ効果が期待できます。

とくに、なかなか治らなかったり、繰り返し発生してしまう大人ニキビの場合、炎症がターンオーバーを早め、バリア機能の低下を招いてしまうことも悪化の原因の1つと考えられます。アクネ菌が原因となる炎症を抑えることで、大人ニキビの原因を取り除き、できにくくする効果も期待されます。

●育毛
毛髪の生え変わりのサイクルである毛周期のうち、「休止期」の状態を「成長期」の状態に変換させる作用があり、このことから育毛にも効果が期待できます。

「医薬品」としての効能効果

生薬として利用されている桑白皮は日本薬局方に収載され、医薬品としても使用されていますが、エキスであるマグワ根皮エキスは、医薬品としては配合されていません。

「食品、サプリメント」に配合したときの働き

食品・サプリメントとしては利用されていません。

注意点

特にありません。

由来・歴史

主な原料の由来

植物（クワの根皮から抽出）

歴史

マグワ根皮エキスは生薬として利用されている桑白皮（ソウハクヒ）から抽出したものです。桑白皮は、マグワという蚕（カイコ）のエサとなる桑の根の皮を乾燥させたものです。

中国最古の薬物学書「神農本草経（しんのうほんぞうきょう）」にも、体力を養う滋養強壮、病気を予防し虚弱な体を強くするとされる中薬の分類の中に「桑根白皮（ソウコンハクヒ）」として収載されています。生薬として利用されている桑白皮は日本薬局方に収載され、医薬品として使用されています。

その他成分情報

フラボノイドやクマリンなどを含んでいます。マグワ根皮エキスには、主にBG（1,3-ブチレングリコール）で抽出したものが使用されます。BG以外にもエタノールで抽出したものもあります。

また、効果を高めることを期待して他の植物エキスをブレンドした原料もあります。生薬である桑白皮は、五虎湯（ごことう），清肺湯（せいはいとう）などの漢方薬にも処方されています。

豆知識

日本化粧品検定協会代表理事：小西 さやか

「「桑白皮」は白の文字と美白のイメージがつながり、美白を目指した化粧品に広く使用されています。いくつもの原料メーカーが取り扱っていますが、産地や季節、抽出法などにより、含まれる成分が異なることがあり、肌への作用も全く同じではありません。以前は「ソウハクヒエキス」という表示名称でしたが、現在では「マグワ根皮エキス」に改正されています」

小西さやかさんの記事一覧

※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。