スキンケアニュース
2021.4.6

SPF50+・PA++++が一番良いわけではない!? 紫外線の基本|あきば美容研究生のメンズ美容塾 vol.39

桜のピークが終わり、もう春も終盤に近づいてきました。だんだん気温も上がってきて、ワクワクする季節ですね。新しい物事を始めるのにも向いている季節と言われますので、昔とん挫した趣味を改めて始めてみるのも良いかもしれません。(僕でいうところのウクレレとか…)

さて、この連載では毎月テーマを決めて深掘りしていますが、今月のテーマは『紫外線対策』!これから紫外線が強くなってくる季節にどんどん入っていきますし、実は曇りの日や家の中にも紫外線はいます。正しい知識を身につけて、早め早めにケアすることで何年か経った後のあなたの肌が変わってきますよ。

というわけで今回は、YouTubeチャンネル『プチプラスキンケア研究所』にて美容情報を発信している美容好き芸人のあきば美容研究生が『紫外線ってそもそもなに?』というお話をします!男性だけでなく、女性にももちろん紫外線は襲ってきますので、ぜひチェックしてみてください♪

紫外線ってそもそもなに?なぜケアが必要なの?

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紫外線の種類

一口で紫外線と言っても、種類があります。私たちがブロックすべき紫外線は「UVB」と「UVA」の2種類。それぞれの違いは次の通り。

Point

UVB…強力なエネルギーを持った紫外線。炎症やメラニンの生成に関わり、シミなどの原因となる。これを防ぐ指標がSPF。

UVA…弱いが長い波長の紫外線で、肌の奥に届く。すぐに影響はないけど、じっくりジワジワと細胞を傷つける。コラーゲンやエラスチンを作る細胞が何度も傷ついてしまうと、シワやたるみの原因となってしまう。防ぐ指標はPA。

国内で販売している化粧品のSPFとPAに上限が存在し、現在はSPF50+・PA++++が国内最高値になります。ちなみにですが、重ね塗りをしたらその分UVカット効果が上がる、ということはありません。SPF30とSPF50のアイテムを重ねても、SPF80の効果が得られる、という風にはならないのです。

SPF表記の正しい見方。どうして細かく塗り直した方が良い?

SPFの数字が50+が最高値なのはわかったけれども、じゃあ具体的にどのような数字なのかもう少しお話させてください。SPFの後の数字は「紫外線を浴びてから、肌が炎症(サンバーン)を起こすまでにかかる時間をどのくらい遅らせることが出来るか」を示しています。つまり普段10分で炎症を起こしている人が、SPF30のアイテムを使うと、理論上は炎症にかかる時間を300分まで伸ばすことができます。ではここでひとつ疑問が出ますね。

「日焼け止めはこまめに塗り直すことが大事」とよく言いますが、そんなに時間を伸ばせるなら、どうして細かく塗り直す必要があるのか?

300分と言ったら5時間です。キャンプやスポーツなどの日中レジャーでなければ、5時間ずっと外にい続けるということもなかなかないのではないでしょうか。であれば、何度も塗り直す必要はないように感じます。実はSPFの試験というのは1平方cmにつき2mg塗った場合、というかなりの厚塗りを前提として試験されており、実際にそんなに塗ったらベッタベタでとても不快になるかと思います。ですので、数値の目安としてはその1/5程度の時間で考えておくのが良いと言われています。SPF30の場合であれば正味60分、1時間に1回くらいは見直すのが良いと考えられるのです。また、SPF50+・PA++++のアイテムを使い続けたとしても、紫外線によるダメージを0に出来るわけではありません。いくらかのダメージは負ってしまいます。なので、きちんとこまめなケアが必要になってくるのです。

意外な落とし穴!のびの良いものが絶対に良いとは限らない

そこに関連してもうひとつ落とし穴があります。よく広告表現やアイテムの評価で「のびの良さ」が示されることがありますよね。もちろんのびが良いものは使いやすいですし、細かなところにも塗りやすいという利点は多いです。ただ一方で、のびが良いということは、「ついつい薄めにつけてしまいがち」というデメリットでもあるのです。よくのびるからこそ、十分な量をぬれていないにも関わらず、ぬれた気になってしまい、「あれー?ちゃんと塗ってたはずなのに焼けてるなぁ」ということにもなるのです。あまりのびないタイプは丁寧に塗る傾向が強くなるので、意外とメリットもあるのです。
アイテムの推しのポイントは様々ですが、大事なのは自分の肌や性格に合っているアイテムを選ぶこと。自分にとって使い勝手の良いアイテム選びを大切にしてくださいね。

常に国内最高値SPF50+・PA++++のアイテムを使うべき?

日常使いなら国内最高値でなくても良い

「最強の老化防止&美白アイテムは日焼け止め」「超高級美容液を買うよりも安くても日焼け止めを丁寧に塗る方が良い」、なんて言われたりします。それだけ紫外線が肌に与える悪影響は大きいのですが、では常に国内最高値のSPF50+・PA++++のアイテムを使うのが良いのでしょうか?答えはNOです。SPFが高いものは肌への負担も増えがちです。カロリーの高い食べ物は美味しいものも多いですが、毎日そればかりを食べていたら様々なトラブルが起きるのと似ています。通勤通学の時は外を出歩くけど、基本的には屋内にいるような日はSPF30・PA++でも充分です。もちろん屋外に長時間いることがわかっている日は、SPF30では心もとなくなりますので、その時はSPF50+のアイテムを使うなど、その日の紫外線との付き合い方に合わせてアイテムも変えていきましょう。

正しい知識を得ることはワクワクすること

ここまできちんと今回の話を読んでくださった方はもうひとつ疑問が浮かぶのではないでしょうか?それは、「日常使いに向いている(使用頻度の高い)アイテムはSPF30・PA++のアイテムなのに、どうして広告などでプッシュされるのは、SPF50+・PA++++のアイテムが多いのだろうか?」ということです。これについては明確な答えがあるわけではありませんが、あるブランドのPRさんとお話させていただいた際に、この疑問をぶつけてみたところ、そのPRさんと僕の考えは一致していました。

「化粧品についての知識が拡がっていないから」

メーカーさんは当然売れる商品をプッシュしたいし、生活者は良いものだったり、良さそうに見えるものを手に入れたい。広告を素直に信じられなくなったり、口コミやインフルエンサーの言葉の方が重要視されるからこそ、本当に伝えたいことが届きにくくなったりするのです。
化粧品に詳しい人は、『商品知識をたくさん持っている人』が多いと思います。でも一方で化粧品の成分や機能、本当にそれが肌に良いのか、というところに詳しい方は意外に少ない気がします。そっち側の知識ってなんとなくキラキラしてないですもんね。でも一番良いのは両方の知識を得ることだと思うんです。成分や機能でもアイテムを見られるような正しい知識を身につけていたら、ブランドさんが満を辞して素晴らしいアイテムを出された時の感動はものすごいのではないでしょうか。それってすごくワクワクしますよね。男性も女性も、ワクワクしている人は魅力的です。化粧品に限った話ではありませんが、たくさんワクワクできたら楽しいですよね。コスメにおいては、そのお手伝いが少しでも出来るように一生懸命勉強して、出来るだけわかりやすく皆様にお伝えしていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございます!
またYouTube『プチプラスキンケア研究所』でも美容情報も発信してますので、合わせてご覧いただけたら嬉しいです。ではまた次の連載でお会いしましょう!

美容好き芸人

あきば美容研究生

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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