美的GRAND
スキンケアニュース
2025.1.22

美肌ポテンシャルをじゅんわり呼び覚ます“オンドル”ケア法とは?|美的GRAND

肌のエネルギーの源は血流にあり。寒い季節は「温め」「蒸ふかし」「浸透させる」ケアで美肌力を更新!

スキンケア・サイエンスコミュニケーター博士(工学)

次田哲也さん

美肌ポテンシャルをじゅんわり呼び覚ます「オンドル」めぐりケア

温めるとゆるみ、冷えると縮む血管。血流量の変動は実に100倍以上!縮こまりがちな季節に、いかに巡らせるか。蒸(ふか)すように温めるケアを

日本の大人女性は、昔と比べて見た目も体力も若返っている。そう感じることはありませんか? 自身が40代・50代になってみて、かつてイメージしていた大人像とはかなり違う、と自覚している人も多いはず。現実に、女性高齢者の肉体年齢は年々若くなっています(下のグラフ参照)。

考察するに、近年は健康や美容に関するリテラシーが高まっています。「何もしないと加齢で筋肉は衰えていくが、努力すれば何歳からでも筋力を増やすことができる」とか、「筋肉も骨も肌も材料はたんぱく質」といった知識を多くの人がもっていて、適切な運動や食事の習慣を実践しています。正しくメンテナンスすれば、私たちの体はいくつになっても健やかで見た目にも若々しくいられることの証明だといっていいでしょう。

では、スキンケアに関しても“努力すれば何歳からでも増やしていける”要素はあるのでしょうか? 肌の専門家・次田さんにお話を伺いました。

「あります。それは“血管の力”です。私たちの体は、寒いところに行くと体表付近を走る毛細血管がギュッと収縮して体の熱を逃さないようにします。その逆に体内に熱がこもる環境では血流を増やして肌から放熱します。この、必要に応じて血管の状態や血流をコントロールする力を今回わかりやすく『血管の応答力』と呼ぶこととしますが、この血管の応答力は年齢に関係なく高められるとい
うデータがあります。しかも、応答が良い程肌の状態も良好、という関係性も見られます」

今の寒い時期、肌は冷えて血管もキュッと縮こまりがち。だから朝晩のスキンケア時に、温めてゆるませるよう意識すると血管を応答させるトレーニングになります。

「いちばんお手軽なのは、手のひらで肌を温めること。肌にコスメをなじませるとき、顔を包み込むようにハンドプレスしましょう。ひとつのアイテムにつき、少なくとも1分30秒かけるイメージでじっくりと。肌を温めると、バリア機能が高まったり、美容成分の浸透が高まったりといろいろな美肌効用があります。もちろん、スチーマーを使ったり蒸しタオルを乗せたりと積極的なケアをすればより温まりますが、まずは朝晩欠かさず行えるケアを習慣化しましょう」

ちなみに血管は、とんでもない美のポテンシャルを秘めています。

「普段は毎分100ml流れている血液が、寒いときには10mlに、運動をした後などは2000mlにと、実に200倍近くも血流量が変動します。その調整は、自律神経が行なっています。だから、慢性的に疲れていたりストレスをため込んだりすると、自律神経が乱れやすくなって肌に良くありません」

心身のストレスをホッとゆるませるためにも、肌をじんわりと温めるケアは有効です。温めてほぐす“オンドル”ケア法を参考にしてください。

平均年齢が上がっているだけではない。この20年で、大人女性の肉体年齢は5歳以上若返っている


2001年と比べ、平均寿命は2.5歳、健康寿命は2.7歳伸びている。そして驚くべきは体力テストの結果! 年々、高齢者の体力や運動能力は上がっていて、2022年を生きる70〜74歳女性は、18年前の60代よりも運動能力が高い。平均すると5歳以上肉体年齢が若返っていることになる。

『美的GRAND』2025冬号掲載
撮影/玉置順子(t.cube / 人物)、宗高聡子(静物) スタイリスト/山本瑶奈(静物) モデル/江原杏樹 構成/もりたじゅんこ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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