美的GRAND
スキンケアニュース
2024.3.30

トム フォードのアイシャドウで放つ、知的なゴージャス|美的GRAND

美容エディター・松本千登世さんが厳選。『このコスメが、すごい!~モードなアイカラー編~』

知的なゴージャス

Brand / トム フォード ビューティ
Item / アイ カラー クォード 45 ¥12,980
霞かすみがかった洗練のパープル2色にベージュとトパーズ シマーが組み合わせられ、印象が新鮮に。あえて、リップやチークの血色を極力感じさせず、スタイリッシュでインパクトのある目元を楽しみたい。

凜とした佇まい、艶めきと奥ゆき。存在ごと、高みへ

長い長いマスク生活にようやくピリオドが打たれ、私たちは物理的にも精神的にも解放されました。例えば、リップメイク。それまで「マスクで見えないから塗らなくていい」人も「マスクにつくから塗りたくない」人も、リップメイクへの「欲求」は静かに積み重なっていて、だからこそ、自由な今に心躍っているはずです。グロスも口紅も、艶もマットも、ベージュもレッドも、思いのまま。だからでしょうか? それまでよりもさらに、冒険? と思う色にもチャレンジしている人が増えているのだそうです。私自身も、そう。どこか距離のあったマットテクスチャー×インテンスカラーも、軽やかにつけることができるようになって、むしろそれが当たり前になり始めていました。ところが、ある日、自分の肌と一体化するようなヌードベージュのマットリップに一目ぼれ、いつものようにメイクを終えて鏡を見ると……、「え!?」。脳内のイメージとまるで違い、疲れてる? 寝てないの? と自らに問いかけたくなる顔だったのです。急いでオレンジブラウンに塗り替え、顔全体のバランスを整えたものの、ふと気づかされました。あっ、私、アイメイクをこんなにもお座なりにしていた、と……。

確かにリップメイクがもつ威力は計り知れない。一方で、アイメイクでしか放てない知性的でいてグラマラスな大人のムードもある。トム フォードの名品、アイ カラー クォード独特の、あのベルベットのように官能的にまぶたに溶け込む色合いと質感が心底、恋しくなりました。特に、ランウェイならではのグラマラスな魅力にインスパイアされて生まれたという、新しい色、45。どこまでもスモーキーで、どこまでもクール。艶と凜(りん)を兼ね備えた、大人に似合う美しさ……。この目元なら、唇をあえてヌードにしたい。この「逆転バランス」も、自由になれた私たちがチャレンジしたい、次なるカッコよさだと思うのです。

この顔なら、髪をタイトにまとめてみたい。この顔なら、肩先を露出してみたい。あなたを高みに連れていく目元に違いありません。

Chitose Matsumoto
エディター・ライター。近著『顔は言葉でできている!』(講談社刊)ほか、著書多数。3月末に初の絵本を刊行予定。

『美的GRAND』2024冬号掲載
撮影/シバサキフミト(DONNA) スタイリング/高橋尚美 美術製作/南 志保・KANTA(ガリネル) 構成/松本千登世、三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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