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スキンケアニュース
2023.8.8

【新連載スタート!】中年男性、トキメキ美容沼へ~僕をコスメカウンターに連れてって~

こんにちは、ライターの伊藤聡と申します。私は今年の2月に、男性のためのスキンケア本『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社)を出しました。みなさんは、スキンケアに興味がありますか。スキンケアという言葉から、どんなことをイメージしますか? こちらの連載では、スキンケアに親しんでいく上で役に立つかもしれないあれこれをテーマに書いていきます。トライしてみれば楽しくて奥が深い、スキンケアの世界を一緒に探求していきましょう。   

スキンケアって何すること?

近頃、男性のスキンケアが広がりはじめ、テレビのコマーシャルなどでもその言葉を目にすることが多くなってきました。人気の男性タレントが出演している、スキンケア製品の宣伝を見かけた方もいるかもしれません。ドラッグストアで、男性用の美容アイテムが大きなスペースを取って展開しているのを目にする機会も増えましたし、男性美容がより身近になってきているのは確かなようです。何だかちょっと気になりますね。美容に挑戦するって、ちょっと照れくさいけど、思ったより楽しいかもしれません。肌がキレイになると、どことなく印象がよくなりそうな気がしますし、何かいいことがありそうです。

世間では男性美容が話題になってきていることだし、そろそろ自分も始めてみようかと感じている男性も多いかもしれません。また、普段はあまり美容に興味がない女性でも、ちょっとトライしてみようかな、と考えていらっしゃる方がいると思います。私自身、つい最近までスキンケアなどしたことがないままの中年男性でしたし、美容をスタートさせたのはとても遅いタイミングでした。私はお笑いコンビ錦鯉の雅紀さんと同学年なのですが、錦鯉が初めてM-1の決勝へ行った年にスキンケアを始めたこともあり、「遅咲きでも可能性はある」「人は何歳からだって変われる」と本気で思いました。スキンケアの本を書くくらいですから、お肌の手入れが大好きですし、同じように興味を持つ方が増えると嬉しいのですが、同時に「実際、始めるとなるとちょっと気後れしてしまう」「知識がないから方法がわからない」と躊躇してしまう方も多そうです。私も同じでしたから、よくわかります。そもそもスキンケアってどうやるのでしょうか。正しいスキンケアの方法を、みなさんはご存じですか。

よく考えたら誰も教えてくれなかった

スキンケアの仕方を誰かに教わった経験のある方は、意外に少ないと思います。私は、スキンケアの本を出すにあたっていろいろな方に話を聞いてみたのですが、お母さんや、美容に詳しい大人にスキンケアの方法を教えてもらった方は思いのほか少数でした。女性であれば友だち同士の情報交換もありそうですが、男性ですと、お肌のお手入れ方法を教えてくれる方はなかなか見つからなさそうです。ちなみに、私がひげの剃り方を覚えたのは、たまたま読んだ村上春樹の小説でした。そんな調子ですから、「スキンケアってどうするか知ってる?」と聞かれた男性の多くはおそらく、「えーっと、そりゃ顔に何か、肌によさそうな液とかクリームをつけるんじゃないのかな。お店で買ってきた、オシャレな容器に入ったやつをさ……」などと自信なさげに答えるはずです。たしかに間違ってはいないのですが、決してそれだけではありません。スキンケアは意外に範囲が広いのです。

スキンケアは、そこまで大げさなことではありません。たとえば「夜ふかしせずに、早く寝る」というのも、スキンケアのひとつです。睡眠不足は健康全般によくありませんが、当然ながらお肌にも悪影響があります。誰しも「ちょっと疲れたから、今日は早めに寝よう」と考えたことがあると思いますが、それは身体の疲れを取る作業でありつつ、同時にスキンケアでもあったのです。つまり、みなさんはもうすでに、お肌をいたわる作業としてのスキンケアをした経験があるわけですね。なるべく肌にいいことをするという意味では、「睡眠を取る」「栄養バランスのいい食事をする」ことはスキンケアに含まれます。スキンケアをやってみようか迷っている方、実はもうあなたのお肌の手入れは始まっていたのです。

ハッピーになれるかもしれない

もう少し例をあげてみますと、「肌をこすらない」というのもスキンケアの重要な要素です。顔をキレイに洗おうとするあまり、多くの男性はつい顔を強くこすってしまいがちですが、これは肌によくありません。皮膚は意外に弱いのです。顔をこするのをやめ、やさしくなでるように洗顔することで、肌を痛めずに済みます。顔を洗ったり、濡れた顔をタオルで拭いたりするときに摩擦を避けることも、スキンケアのひとつなのです。これだったら、特にお金をかけなくてもできますね。同様に「日傘を差して歩く」のも、もちろんスキンケアです。夏の日差しは年々凶暴さを増していますし、熱中症の危険もあります。日傘を差して歩くのは、健康面でも重要ですが、同時にお肌を守るための手段としてもかなり有効なのです。みなさんは日傘を差していますか? 私は日傘が大好きで、かならずカバンに入っています。これで暑さはかなりやわらぎますし、涼しくて快適ですから、日傘を差して歩くといいと思いますね。

ほかにも「肌がかゆくてもかかない」「加湿器をつけて寝る」など、日常生活でお肌を守るためのちょっとした工夫はたくさんあり、その真ん中に「スキンケア製品を使ったスキンケア」があります。日常的にスキンケアをしている人はもちろん、お肌に液やクリームをつけているのですが、それ以外にも、お肌に負担をかけないための方法をあれこれと試しています。それはつまるところ、自分の肌や身体を「壊れやすく、お手入れをしないと崩れてしまう不安定なもの」として大事に扱うことなのですが、そうして自分をいたわる習慣がついていくと、結果的にとてもハッピーになれるかもしれません。とはいえ、スキンケア製品の選び方は思ったより複雑ですし、メーカーごとの違いを知ったり、売り場に行ったりするのは緊張します。しかし、そこはスキンケア本を出すほどに勉強をしたこの私が、親切丁寧にガイドいたしますので、ご安心ください。少なくとも私は、肌のお手入れを通して、かなりしあわせな中年男性に変身できました。「それってホント?」と疑っている方に、この連載を通してスキンケアの秘密を明かしていきたいと思います。ぜひ、おつきあいくださいませ。

愛用しているスキンケア製品です。まずは無理せず、安価な製品から始めましょう。左から資生堂SIDEKICK(サイドキック)の洗顔料、同アクアレーベルのローション、資生堂薬品IHADAの乳液、ロート製薬メラノCCの洗顔(すべて著者私物)。

伊藤 聡(いとう・そう)
会社員兼ライター。50代にして美容の楽しさに目覚める。著書に『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました』(平凡社刊)

イラスト/green K

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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