毛穴治療でクリニックに行っていい？開き毛穴・たるみ毛穴・黒ずみ毛穴におすすめの治療法を医師が解説【教えてドクター#6】
毛穴トラブルを防ぐには、食生活の改善、ストレスの軽減、抗ストレス作用のあるサプリメントの摂取がマストであることをご紹介しました。では、クリニックではどんな治療を行うのでしょう？ 皮膚科専門医の亀山孝一郎先生に教えていただきました
イオン導入の約20倍の成分浸透率がある「エレクトロポレーション」って？
毛穴の開きや黒ずみ程度で皮膚科に行っていいのかなって思っちゃうのですが、クリニックではどのような治療をしてくれますか？
「サプリメントのほか外用剤を処方して、日々のお手入れをしてもらいます。当院では、ビタミンC・B群・甘草エキス・グルタチオンをブレンドした『毛穴レス美白ローション』や、カフェインとトラネキサム酸を高配合した『毛穴引き締めホワイトエッセンス』、ビタミンAを配合した『レチノールセラム』など、オリジナルの外用剤も出しているんですよ」（亀山先生）
塗るだけでいいんですか？ 毎日のスキンケアで治せるのはいいですね。
「はい。塗るだけでも肌トーンが明るくなって、黒ずみや毛穴の開きが目立たなくなってきます。また、これらの美容成分を電気によって肌に導入することもできます。導入法ではイオン導入が有名ですが、今うちで1番人気があるのは、エレクトロポレーションとよばれる電気穿孔法ですね」（亀山先生）
イオン導入は、皮膚からは吸収しにくい水溶性の成分を、微弱電流を流してイオン化することにより、皮膚深部まで浸透させていく方法。その浸透力は化粧品やサプリメントで得られる効果の30倍～100倍ともいわれています。
一方、エレクトロポレーションは短いパルスの電気を流すことにより、皮膚に一時的な“穴”を開け、そこに美容成分を入れて浸透させる導入法。表皮からは浸透しない親水成分や高分子の美容成分を肌の奥まで浸透させることが可能で、イオン導入の約20倍の成分浸透率があるといわれています。
開き毛穴・たるみ毛穴・黒ずみ毛穴のおすすめの治療法は？
エレクトロポレーションでは、一時的とはいえ皮膚に穴を開けるんですよね？ 痛みなどのダメージはないのでしょうか？
「人によっては電気刺激で少しピリピリする場合がありますが、痛みはほぼなく、しかも、施術によって形成された“穴”はすぐふさがるため、皮膚に大きなダメージをかけることもありません。エレクトロポレーションとピーリングを組み合わせたり、ダーマペンを組み合わせたり、レーザーを組み合わせたりすることもあるんですよ」（亀山先生）
ダーマペンは肌に微細な針を使用し、肌に穴をあけることで、肌本来持つ再生治癒力を引き出す施術。にきびやにきび跡・毛穴の開きなどを改善し、なめらかな肌へ導きます。
毛穴トラブルの種類によって施術を組み合わせたり、導入する美容成分を変えたりするのでしょうか？
「はい。『毛穴の開き』にはビタミンABCグルタチオンを、『たるみ毛穴』にはエクソソームMAXを、『黒ずみ毛穴』にはソニックウォッシュピーリングをしてからハイパーエナジーを導入することが多いですね」（亀山先生）
ビタミンABCグルタチオン導入
皮脂分泌抑制作用や殺菌作用、抗炎症作用のあるビタミンA・B群・Cと、ビタミンCの作用を強化し美白効果・活性酸素消去作用もあるグルタチオンを配合したもの。
エクソソームMAX導入
創傷治癒を促す情報伝達物質が内包されているエクソソームを、ヒト幹細胞培養抽出液のリポソームと融合したもので、成長因子をはじめ、コラーゲンやヒアルロン酸の合成を促し、肌のハリ・弾力を高めます。
ハイパーエナジー導入
カフェイン、シトルリン、生コーヒー豆エキスを配合したもの。それぞれの成分に代謝促進・炎症抑制・皮脂分泌抑制の効果があるため、毛穴の開き・赤ら顔・くすみ・たるみ・毛穴など、あらゆる肌悩みにアプローチしてくれます。
「ソニックウォッシュピーリング」で見違える毛穴へ！
黒ずみ毛穴をケアする「ソニックウォッシュピーリング」というのは、ピーリング液を肌にのせて拭き取るような“一般的なピーリング”とどう違うのですか？
「『ソニックウォッシュピーリング』はピーリング・導入・吸引がセットになった新しい毛穴ケアです。まず、皮脂分泌を抑える働きがあるビタミンCとカフェインをピーリング液と一緒に肌の上に置きます。そして、それを拭き取らずに、超音波導入とイオン導入を同時に行って肌の中に入れることで、毛穴の表面だけではなく中までキレイにするんです。さらに、超音波の振動で毛穴周りに固着した黒ずみを浮き上がらせて吸引するため、肌トーンが明るくなって毛穴も閉じます」（亀山先生）
すごいですね！ やはり詰まり毛穴を自分で取るのは難しいのでしょうか？ 酵素入りの石鹸やピーリング作用入りの石鹸もありますが……。
「美容医療レベルまでキレイにするのは難しいですが、毎日の洗顔も大切です。酵素入りの石鹸やピーリング作用入りの石鹸を毎日使い、肌がバサバサ・ガサガサになって来院される方もいらっしゃいます。クレイパックは肌にやさしいものが多いですが、やはりこれらのアイテムは、毎日ではなく適度に使っていただきたいです」（亀山先生）
同じ肌でも目のまわりなどは、皮脂腺・汗腺がほとんどなく表皮も薄いため、ゴシゴシ洗いすぎると肌が傷ついてしまいます。洗顔するときは、たっぷりと泡立てて、目の周囲は特にやさしく洗って。皮脂分泌が多いTゾーンはしっかりと、場合によっては二度洗いするのもおすすめです。適切な治療と日々のスキンケアで、毛穴をキレイに保ちましょう！
※ 取材は2023年6月7日に行われたものです ※価格表記に関して：2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
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青山ヒフ科クリニック院長。医学博士。1980年、北里大学医学部卒業。同大学病院や米国の研究所で研鑽を積み、1999年に開業。世界に先駆けて「ビタミンCのニキビに対する効果」と題した論文を発表するなど、ビタミンC療法の第一人者として知られる。監修した書籍に『毛穴道 もう一生悩まない。』（講談社）がある。