サウナには内蔵脂肪を燃やす効果があるってホント?真相を医師に直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日々の生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“サウナ”について。サウナには内蔵脂肪を燃やす効果があるって…ホント? 「日本サウナ学会」で代表理事を務め、医学的観点から正しいサウナの入り方を提唱する加藤容崇先生にお話を伺いました。
Q:サウナには内蔵脂肪を燃やす効果があるってホント?
免疫力や睡眠の質をアップさせるなど、昨今なにかと話題のサウナ。体の深部から温まるということから、なんと内臓脂肪燃焼にもアプローチしてくれるとのウワサが! 実際のところはどうなのでしょうか? この疑問を加藤先生にぶつけてみました。果たしてその答えは?
A:ウソ
「体をじっくり温めたからといって、内臓脂肪が燃えるといった効果はありません。ただ、汗をかくことで体内の塩分が排出されます。これによってむくみが一時的に解消され、体のラインがスッキリしたと感じることはあるかもしれませんね」(加藤先生・以下「」内同)
Point
内臓脂肪は燃焼されないけれど、むくみの解消にひと役太りにくい体づくりを目指すことは可能?
「サウナの熱で内臓脂肪を燃やす効果はないにせよ、サウナに入って外気浴(休憩)をすると新陳代謝を促進させる“甲状腺ホルモン”のはたらきが活性化。代謝が上がれば脂肪は燃焼しやすくなるので、将来的に太りにくい体を目指すことはできると思います」
なぜ新陳代謝が上がるの?
「甲状腺ホルモンが活性化する理由。それは日常的に過ごしている環境とは異なる、高温多湿のサウナに入ることで体が異常事態を察知し、体内のエネルギーを燃やして生命維持を優先させるモードになるから。そのため、ダイエットを意識するならば、少なくともサウナの1時間前〜サウナ中は糖分を摂取しないことをおすすめします。
糖分=エネルギーの主となる栄養分を摂取してからサウナに入ると、体が異常事態ではない…と脳が判断し、甲状腺ホルモンの分泌がブロックされてしまいます。とはいえサウナ中は水分補給がマスト。飲み物は甘味料の入ってないミネラルウォーターや炭酸水を選ぶと良いですね」
Point
ダイエットを意識するならば、サウナの1時間前〜サウナ中は糖分を摂取しないことサウナ後の食事に要注意!
「サウナでは新陳代謝が上がると同時に、副交感神経が優位になって深いリラックス効果を得られます。この状態は体の消化・吸収機能がかなり高まっており、食べたものがそのまま自分の栄養となる。つまり、サウナ後に欲望のまま飲食すると太りやすくなるのです!
これは自分の体感としての話にはなりますが、サウナ後はあらゆる感覚が敏感になっているのか、食事がとてもおいしく感じるんです。汗をかいたこともあって、塩気のある食べ物やお酒などの太りやすい食事がとにかくおいしい。ストレス発散には良いとは思いますが、ダイエット目的とするならこれはNGですよね。
もし痩せやすい体づくりやダイエットを目指すなら、サウナ後の食事をきちんとカロリー制限ができれば問題ないと思います。出汁による下味がしっかりついた料理を選んだり、野菜料理をメインに食べるなど、太りにくい食事をするよう工夫してみましょう」
文/井上ハナエ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
日本サウナ学会で代表理事のほか、慶応義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット特任助教、北斗病院で医師も務める。人間が健康で幸せに生きるためには、健康習慣による予防が最高の手段だと言うことに気づき、サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析することを第二の専門としている。自身も筋金入りの「サウナー」であり、サウナブームを牽引する人物のひとり。著書に『医者が教えるサウナの教科書』(ダイヤモンド社)がある。