学生時代よりタニタの体脂肪計開発プロジェクトチームに参加。世界初の乗るだけではかれる体脂肪計をはじめ、体組成計、活動量計などの回帰式や判定アルゴリズムを開発した。栄養士の資格を持ち、技術開発研究者と栄養士の二つの視点から健康とからだに関する講演の講師も行っている。
文/木土さや
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ダイエットとカロリー”について。ゼロカロリーだと思い込んで食べれば太らないって…ウソ? ホント? タニタ開発部主席研究員で栄養士の西澤美幸さんにお答えいただきます。
女性タレントやお笑い芸人をはじめ、ちょくちょく目にすることも多い“カロリーゼロ理論”。いわゆる、気合いで食べる!というものです。確かに、「こんなもので太りたくない!」って思ったときには、意外と体重が変わってない……なんてこと、ありませんか? 脳が摂取したカロリーを制限するってことはありえるのでしょうか。
さっそく、この疑問を西澤さんにぶつけてみました! 果たして答えは……?
「浮き沈みの激しいダイエット中こそ、メンタルはとても大切! ですが、ゼロカロリーだと思い込んで食べたとしても……結局のところ、体に摂取した分のカロリーは当然のことながら吸収されてしまいます」(西澤さん・以下「」内同)
「ノンシュガーやゼロカロリーを謳ったものは、体に入ってくるエネルギー源の仕組みとしては、本当にエネルギーとして体内に蓄積されないように作られています。なので、カロリー制限のちょっとした“お助け食品”的に利用するのは良いと思います。
しかし、最近の研究では、エネルギーが抑えられているはずなのに、それらを長期的に摂り続けると太っている人が出てきたという報告があります。細かい仕組みはまだ解明されていませんが、一説には、ノンシュガーやゼロカロリー食品に依存しすぎることで、脳が甘いものを摂っていると勘違いしてしまうのではということがあります。その信号を察知してインスリンが分泌されることで過剰に糖質が取り込まれ、脂肪細胞に変えてしまうのではないかというのです。長期依存しすぎるとカロリーはプラスしてないはずなのに、太りやすい体質になってしまう可能性がある、と言われていますので、頼りすぎるのは考え物です」
「ダイエット中でも賢く選びさえすれば、コンビニやファストフードも味方にできます。
コンビニで、ランチや夜食の食べ物を買う場合には、たんぱく質である納豆や豆腐、具だくさんの汁物などをセレクトするといいでしょう。
ファストフードでは、ハンバーガーセットで付いてくるフライドポテトをサラダやスープに、ジュースをミルクや野菜ジュースに変更するのがよいですね。うどんやそば、ラーメンの場合は、スープや汁は残し、不足しがちな野菜やたんぱく質をトッピングなどで補うようにしましょう。
スイーツの場合も一気に血糖値を急上昇させてしまう太りやすい炭水化物には気を付けて。チョコレートケーキやモンブランよりも糖質(炭水化物)量の低いスイートポテトやシュークリーム、プリンなどがおすすめです」
学生時代よりタニタの体脂肪計開発プロジェクトチームに参加。世界初の乗るだけではかれる体脂肪計をはじめ、体組成計、活動量計などの回帰式や判定アルゴリズムを開発した。栄養士の資格を持ち、技術開発研究者と栄養士の二つの視点から健康とからだに関する講演の講師も行っている。
文/木土さや
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