磯村勇斗さん「今作が今の世の中や自分を見つめ直すきっかけになる」|ドラマ『不適切にもほどがある!』スペシャルインタビュー
俳優・磯村勇斗さんの、仕事に対する向き合い方には世代間ギャップの乗り越え方について教えていただきました。
今年はまた、新しい闘いが始まる。疲れたら、遠出して自分を解放しています
シャツ ¥53,900、カットソー ¥38,500、パンツ ¥52,800(ファーサイド〈カミヤ〉)
スキンケアを17歳で始めた磯村さんが美しさを感じるのは「揺れるもの」。
「揺れる葉や髪などに情緒を感じます。さりげない感じがいいんですよね」
新ドラマは念願の宮藤官九郎さんの脚本。1986年を生きる市郎が2024年にタイムスリップし、令和の世で不適切な発言を炸裂させていく。磯村さんが演じるのは、とあるアイドルに憧れる昭和の不良“ムッチ先輩”。そのビジュアルは、揺れるなんてものじゃない程振り切れている!
「見た目に芝居が負けないようにしないと(笑)。ムッチ先輩はくさい台詞にも愛嬌があり、真剣だから笑えるコメディの神髄を感じてもらえるとうれしいですね。僕の初挑戦シーンもあるので期待してください」
デニムが好きな磯村さん、昭和の映像や写真を見る中で「’80年代はデニムスタイルがカッコいい!」と感じたそう。
「当時はデニムがファッションであり、日常になじむアイテムでもあって。テレビでは深夜に過激な番組があったこともカルチャーショックでしたが、昭和は開放的で生き生きとしていた時代に感じました。映像を見ると皆さん背筋が伸びていて、誇りをもって働いていたんじゃないかなと」
磯村さんも今、仕事に対する向き合い方には世代間ギャップを感じることも。
「休まず働くことを美徳とする上の世代の方もいれば、下の世代はのんびり働きたい人も多い。その間の僕らは両方の思いがわかるんですよね。何か助言をしようにも、この言葉はハラスメントになるのかなと考えると難しく感じることも。だから、ドラマで市郎がコンプライアンスも大事だけれど、人としてはどうなのかと不適切な発言と共に切り込む姿には、どこか爽快感を覚えます。それは、人を思う気持ちがあるがゆえ。今作が今の世の中や自分を見つめ直すきっかけになる気もしています」
「笑うと心が満たされる」と、コメディドラマ出演を楽しんでいる磯村さん。近年、社会派作品で唯一無二の存在感を放つ中、「役者人生でひとつの節目を迎えた」感覚も。
「今年は節目を迎えた上での苦しい闘いがまた一から始まる気がしています。仕事で自分を追い込むことはわりと好きですが、続くと体も精神ももたないので、疲れたら遠出します。東京から出ると解放されるので、適度に休みながら頑張りたいですね」
It’s my it!
朝は玄米ごはん
玄米ごはんと焼きサケとみそ汁を、朝4時起きでも必ず食べています。朝食で1日のリズムとか気合が生まれる感じです。
民族楽器に挑戦したい
楽器にはあまり触れてこなかったのですが、今、打楽器が気になる!挑戦してみたいです。
【Drama】『不適切にもほどがある!』
体育教師の市郎は、1986年から2024年へまさかのタイムスリップ。コンプライアンス意識の低い“昭和のおじさん”は令和の世で不適切な発言を炸裂させるが、それが周囲に気づきをもたらしていく…。
脚本:宮藤官九郎
出演:阿部サダヲ、仲 里依紗、磯村勇斗、吉田 羊ほか
1月26日から毎週金曜22時~、TBS系で放送。
『美的』2024年3月号掲載
撮影/杉江拓哉(TRON) ヘア&メイク/佐藤友勝 スタイリスト/笠井時夢 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。