ディオール×アートの世界へ|写真家 アーヴィング・ベンとクリスチャン・ディオールの関りを写真展で学ぶ
世界的に著名な写真家、アーヴィング・ペンとクリスチャン・ディオールの関わりを写真展で垣間見て、ラグジュアリーブランドの美術に対する造詣の深さと、ビュティへの情熱を知る。ディオールの歴史をご紹介します。
ディオール×アートの世界へ
写真家のアーヴィング・ペン氏が30歳の頃に撮影した、クリスチャン・ディオール氏のポートレート。繊細な人柄や高いクリエイティビティが伝わる表情と、ペン氏のプリント手法がかなえる世界観に目を奪われる。
生涯を通して芸術を愛したクリスチャン・ディオール氏
コスメ好きの私たちが、ディオールのコスメを手にとると無条件に心が浮き立ち“欲しい”が止まらなくなる…。発色の良さやスキンケア効果はもちろん、ひとつひとつがアートといってもいい程のクオリティの高さが、私たちの心を惹きつけて離しません。その美しさの根底には、創始者であるクリスチャン・ディオール氏の芸術への深い造詣があります。
ディオール氏は、生涯を通して芸術を愛したことで知られています。プライベートでも芸術家たちと交流を深め、彼らから受けるさまざまなインスピレーションによって自身の創作活動の幅を広げてきたそう。著名な写真家、アーヴィング・ペン氏は、ディオールのために多くのシューティングを行いました。上のポートレートは、ディオール氏が初めてファッションショーを開催した1947年にペン氏が撮影したもの。また、ディオールのファッションシューティングも多数手掛けています。中には、ペン氏の妻であるモデルのリサ・フォンサグリーヴス氏がディオールのドレスを身に纏ったシューティングも。
美しさをどこまでも追求する者たちの競演は、時代を超えて強く訴えかけ、私たちの目や心を潤してくれます。
今年4~5月に京都で行われた写真祭『KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭』で、京都市美術館別館にてディオールの特別協力によりペン氏の作品展が実現しました。詳しくご紹介します。
KYOTOGRAPHIEで出逢った麗しのアートたち
今年10周年を迎えた、国際的な写真祭『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭』にディオールが参加。京都市美術館別館に、アーヴィング・ペン氏が自らプリントした作品が数多く展示されました。
【KYOTOGRAPHIE】ペン氏の作風をオマージュした会場
会場となったのは京都市美術館別館。90年以上の歴史を持つ和風の外観が美しい建造物。展示空間は、鋭角な壁の間に被写体を立たせて撮影したペン氏の撮影セットを思わせるスタイルにデザインされていた。
【PORTRAIT】ペン氏の最愛の妻が纏うディオールのドレス
ペン氏の妻は、初のスーパーモデルとして知られるリサ・フォンサグリーヴス氏。ディオールのドレスに身を包み、ペン氏とのシューティングによるハッとする程強く美しいビジュアルが、多く残されている。
【BEAUTY】色と質感を出すのに並々ならぬこだわりが
1943年にアメリカの『VOGUE』で働き始めたペン氏。ファッションシューティングや著名人のポートレートだけでなく、コスメなど静物も撮影。まるでその場所にあるかのような色と質感!静物の表紙を初めて手掛けたのも彼。
【SPECIAL SECTION】ディオール ビューティーのアーカイブ製品も展示
芸術家たちとの交流にインスピレーションを受け、製品の高い芸術性にこだわったディオール氏。当時作られた製品の一部が、アーカイブとして会場に展示された。「バカラ」のクリスタルを用いた「ミス ディオール」の香水瓶、ゴールドのコンパクトや「ルージュ ディオール」…。現在の美しい製品たちは、これらのDNAを受け継いでいることがわかる。
『美的』2022年8月号掲載
撮影/浅野 豪 構成/大塚真里
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。