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2016.3.24

【大高博幸さん連載 vol.333】 試写室便り 第112回 『さざなみ』『無伴奏』『ルーム』『見えない目撃者』

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(c) 2015 New Clues Film Co., Ltd. All rights reserved.

二つの証言が重なった時、
本当の恐怖が姿を現す。

見えない目撃者
中国=韓国合作/112分
4.1 公開/配給:ギャガ・プラス
gaga.ne.jp/mokugekisha/

【STORY】3年前の自動車事故で、弟( リウ・ルイリン )だけでなく 自分の視力も失った元警察官候補生の ルー・シャオシン( ヤン・ミー )。警察学校を去った彼女は 心に痛みを抱えたまま 生きている。
ある雨の夜、乗っていたタクシーが 何かに ぶつかった衝撃を感じ「人をはねた!」と直感した彼女は 運転手に詰め寄るが、「犬をはねただけだ」と運転手は逃げ去ってしまう。しかし彼女は 運転手が負傷した被害者を誘拐し、現場から逃走したことを感覚で見破る。目の見えない彼女の証言を相手にしなかった警察も 彼女の鋭い観察力を知り、捜査の協力を依頼する。
怪しいタクシー運転手をシャオシンとルー刑事( ワン・ジンチュン )が捜査する中、一人の目撃者 リン・チョン( ルハン )が懸賞金欲しさに警察に出頭する。「あの車はタクシーではなく 外車だ」という彼の証言は 彼女のものとは矛盾していた。そして ある夜、チョンは何者かに襲われ 病院に運ばれる。彼を狙ったのは、事故を起こした犯人と睨んだルー刑事とシャオシン。シャオシンは このことをチョンに伝えるため 病院へ向かうが…。
そんな中、最近 ニュースになっている女子大生連続失踪事件に この事件が関係しているのではと つかんだ警察は、チョンの協力も得て 一人の整形外科医 ダン・ジェン( チュー・ヤーウェン )に たどり着く。ジェンを調査するルー刑事は、彼が失踪事件の容疑者だと確信。しかし、シャオシンとチョンにも さらなる命の危険が迫っていた。( プレス資料より。一部省略 )

想像していた以上に面白いサスペンス映画でした。江戸川乱歩の世界にも通ずる猟奇的事件を背景として、犯人に命を狙われるシャオシンとリン・チョン、事件の核心に迫ろうとする刑事との絡みがうまく、テンポとスピードも十分。虚構でありながら現実味を感じさせ、ほゞ全篇をドキドキしながら興味深く観ました。
シャオシンと盲導犬 ツォンツォン( 盲導犬の中でも特に賢く優しい性格 )とのコンビネーション、喜劇性を適度に備えたルー刑事の人間味とプロのニュアンス、奇妙に色っぽい雰囲気を持つ タン・ジェンの恐ろしさ、シャオシンを救おうとするリン・チョンの活躍など、コントラストの効いたアンサンブルが良く、感情描写面でも成功しています。
たゞ、僅かにモタつきを感じさせられたのは、観る側の余裕のなさのせいなのか、コンテ &/or 編集のせいなのかは分かりませんが、あと3~4分ほど削られていたなら さらに面白くなっていただろうと 僕は思いました。

主役の Y・ミーは、15年程前の南果歩さんに似たチャーミングな顔立ちと美しい肌の持ち主。ルー刑事役の W・ジンチュンは 凡庸な俳優とは異なるレベルの演技を披露。ルハンと L・ルイリンは 日本で言えばジャニーズ系に属するような若さの魅力を、Z・ヤーウェンは 顔の表情とスマートな全身のプロポーション & 動きに 独自の魅力を発散しています。
映倫G認定は、ギリギリのところで抑えきった アン・サンフン監督のコントロールの賜。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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