ボディケア
2018.10.10

女医に訊く#32|足にやさしいパンプスの選び方のポイントは?

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外反母趾をはじめ、巻き爪、陥入爪、タコ、ウオノメなどの足のトラブルを予防するには、靴選びが重要であることがわかりました。
では、いったい、自分の足に合った靴とはどういう靴なのでしょうか?
おしゃれも楽しめるパンプスの選び方を、整形外科医の池澤裕子先生に教えていただきました。

種類やサイズが豊富でシューフィッターのいる靴店へ

「靴は足の保護や歩行機能のサポートだけでなく、ファッション面でも重要な役割を果たしています。そのため、運動をするなら運動靴、おしゃれをするならヒールのある靴、移動用には足にやさしい靴……というように、まずは目的に合った靴を選ぶことが大切です」と池澤先生。

新しい靴を買うときは、靴の種類やサイズが豊富で、シューフィッターがいるお店へ行くのがおすすめ。
シューフィッターに足長と足囲を計測してもらうと、自分の足にぴったり合う靴がみつかりやすくなります。

「靴の購入は足が大きくなる夕方がいいといわれていますが、足長・足幅が夕方に大きくなる人は、全体の40〜50%。変わらないという人が10〜20%で、逆に小さくなるという人が20〜30%もいらっしゃいます。たくさん歩く夕方は、意外とスッキリしちゃって、朝の方がむくんでいらっしゃる方もいるようですから、自分の足が大きくなるときに購入するのがいいでしょう」(池澤先生)
※1992年 日本靴総合研究会調べ

足を入れたとき・立位・歩行時の3シーンでチェック!

靴のつま先の形状には、ポインテッドトゥ、スクエアトゥ、ラウンドトゥ、オブリークトゥなどがあります。
親指が長いか、人さし指が長いかなど、自分の足指の形態に合わせて選択しましょう。

試し履きをするときは、足を入れたとき・立位・歩行時の3シーンでチェックします。
その際、つま先に0.5〜1cmくらいの余裕があるか、爪は当たっていないか、外反母趾の方はバニオン(親指のつけ根の関節から足首側についている骨の先端が突き出たことによる腫れ)を圧迫していないかもチェック。
履き心地はデザインや素材によっても違ってきますから、キツくないものを探しましょう。

「ただし、やわらかい素材で横幅の広い靴を履いてしまうと、アーチが潰れて外反母趾を悪化させる可能性もあります。横幅はゆるすぎず、広がりにくい靴を選んで。また、歩きやすい通勤靴としても人気を博しているバレエシューズですが、本来はバレエをするための靴。バレエシューズと呼ばれているほとんどの製品が、足を保護して長時間歩くためには作られていません。横に広がりやすく、底が薄いため、アスファルトなどを長時間歩いてしまうと、足に負担がかかるのでご注意ください」(池澤先生)

中敷きやパッドで前すべりを防ぎましょう

ヒール靴はエレガントでスタイリッシュですが、ヒールの高さに比例して前足部の荷重面積が小さくなります。
そのため、足が前にすべって足先に痛みが生じやすくなってしまいます。
また、それほどヒールが高くなくても、かかとがしっかりとヒールに乗らず、グラグラするようなピンヒールの場合、これも足に負担がかかります。
ヒールはできれば3cm、高くても5cm以下の、太くて安定したものを選びましょう。

「最近は、アーチサポートやパッドが内蔵された、前すべりを予防するような、足にやさしい靴も増えてきましたし、中敷きやパッドでカスタマイズするのもいいと思います。中敷きやパッドは百均などでも売っているので、一度安いもので試してから、もう少しいいものを買ってもいいかもしれませんね」(池澤先生)

パンプスのチェック項目
□ つま先に0.5〜1cmくらいの余裕がある
□ 履き口が圧迫されていない・ゆるすぎない
□ 内側縦アーチ(土踏まず)と靴のアーチが合っている
□ 踏み返したとき関節部に一致して靴が曲がる
□ 親指の内側と小指の外側が圧迫されない
□ 踵が浮かない・圧迫されていない
□ ヒールが5cm以下
□ 踵がしっかりヒールに乗っていて内外にグラつかない

教えてくれたのは・・・

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整形外科専門医
池澤裕子先生
永寿総合病院 整形外科部長。日本整形外科学会専門医、日本足の外科学会評議員。東海大学医学部卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室入局。至誠会第二病院足と靴の医療センター、慶應義塾大学整形外科助手を経て、2017年から現職。専門は足の外科
■永寿総合病院 http://www.eijuhp.com/

文/清瀧流美 撮影/フカヤマノリユキ

 

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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