肩甲骨がホロホロほぐれる~!肩こりスッキリ「弓道ストレッチ」
武道の中でも“静”のイメージが強い弓道。弓を引いて矢を射る静かな動きの中に、実は自然と体をほぐし、肩こりにも効く動作が含まれているのです。
そこで今回は、パーソナルトレーニングジムを運営する株式会社DIETAの代表であり、パーソナルトレーナーの島陽平さんに、弓道の姿勢をヒントにした“上半身をほぐすストレッチ”をご紹介していただきました。
ベースになるのは弓を射る動作
まずはじめに、弓道の動作について少し解説します。
弓道では、弓を引く動作を、“足踏み(あしぶみ)”、“胴造り(どうづくり)”、“弓構え(ゆがまえ)”、“打起し(うちおこし)”、“引分け(ひきわけ)”、“会(かい)、“離れ(はなれ)”、“残心(ざんしん)”の8つの節に分け、“射法八節”と呼んでいます。
これらの動作をゆっくりとしたスピードで行うので、静かな競技に見えるのですが、実は全身がビリビリするほどの運動量があると言われています。
続いて、この“射法八節”の動きからとった、上半身をほぐすストレッチをご紹介します。
「肩甲骨を寄せる」動きがポイント
島さんによると、上記の“射法八節”の中でも、“打起し”、“引分け”、“会”を連続して行うと、上半身をほぐすのに効果的なのだそう。
「弓道を意識したこの一連の動きでは、肩甲骨を大きく動かすことができるのが一番のポイントです。
特に肩甲骨を寄せる動きは“内転”という日常生活であまりしない動作であり、僧帽筋、肩甲挙筋、菱形筋といった肩や肩甲骨まわりの筋肉を刺激することができます。
なので肩こりなどで悩んでいる人には、上半身をほぐすストレッチとしてオススメですよ」(島陽平)
それでは次に、ストレッチのやり方を紹介します。
実践!ゴムチューブを使った上半身ストレッチ
弓の代わりに、ストレッチ用のゴムチューブを使って行います。
(1)打起し
ゴムチューブの両端を両手で持ち、すくい上げるように持ち上げます。このとき、腕が額よりやや上方向の45°くらいに上がっているとよいでしょう。
足は肩幅に開いて。胸や肩などが力まないように気をつけましょう。
(2)引分け
打起しの状態から、おでこ辺りの高さまで、ゴムチューブを前後に大きく引くイメージで右腕を下ろします。
左手は、ゴムチューブを握って引っ張るというより、手の内側で“押している”という意識で。両腕同士で引っ張るイメージではないので注意してください。
またこのとき、胸をしっかり開くように意識し、自然と肩甲骨が寄っていくのを感じましょう。正しい姿勢が取れたと思ったら、深呼吸しながら5秒ほどその状態をキープします。
上の写真はNG姿勢です。肩が上がってしまっていたり、両手の高さがそろっていないのは間違った構え方。鏡を見ながら正しい姿勢に調整してください。
(3)会
引分けの姿勢から、写真の位置まで腕を下ろします。ゴムチューブは口元あたりで、床と平行になるよう意識しましょう。
左右の腕の力は均等になるようにします。このときも引分け同様、肩が上がらずに胸が開いている正しい姿勢を心がけて。
ここでも正しい姿勢を5秒ほどキープしたら、腕を下ろし、また打起しの姿勢から初めて、ゆっくり自分のペースで数回繰り返します。
ストレッチを行う際は、常に正しい姿勢になっているかを意識することが大事だそうです。肩がこっていると感じたら、ご自宅でぜひ試してみてくださいね。
【取材協力】
※ 島陽平・・・DIETAの代表でありパーソナルトレーナー。メイクアップアーティストとして活動した後、自身の20kgに及ぶダイエット経験から、健康と美容の普及を目指すため、パーソナルトレーナーの資格を取得。大手パーソナルトレーニングジムでトレーナー、関東エリアマネージャーを務めたのち独立。株式会社DIETAを設立。
初出:美レンジャー ライター:前濱瞳
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。