健康・ボディケア・リフレッシュニュース
2009.7.16

西の国から美的通信#30 美付師・濱田久代による粋でいなせな和の世界

粋でいなせな若い衆」というように、本来「粋でいなせ」というのは男性に対して使う言葉のようですが、今回ご紹介する濱田久代さんにはあえてこの言葉を使いたい、そんな粋で素敵な女性です。現在、美付師として博多を中心に活躍している濱田さんは、着物ショーのプロデュースや、着物、メークに関するコーディネートなど多岐にわたって活動中。今年3月には、地元の出版社から『平成浮世の着物絵巻』(梓書院)という本を出版(写真A)。ページを開くごとに、濱田さんならではの和の世界が広がっています。

A:濱田さんの著書『平成浮世の着物絵巻』。いろんな着物といろんな表情の濱田さんが楽しめます。
B:すだれ越しに目に入ってきたアンティーク着物の着付け例。
C:着付け教室が行われるアトリエの一室。タンスの中や陳列棚には、たくさんの着物が!
D:「和柄カミーチェ」。シックな黒の中に、チラリと見える華やかな和柄がアクセントに!
E:特殊加工されたシルバーで作られた帯留めや髪飾り。伝統的な柄を現代風にアレンジ。

そもそも美付師とは、濱田さんが作った造語で、

<取材協力>
濱田久代さん「美付け【粋】コーデ」
http://bitsukeshi.blog115.fc2.com/

一、あなたの美を見付ける
一、あなたに美(色)を付ける
一、美しく着付ける

この三つの思いから美付師という言葉がひらめいたのだとか。美付師として活動する前からヘアメークや着付けの先生として活躍していた濱田さんを私は存じていたのですが、ここ数年の快進撃といったら目を見張るものがあります。九州国立博物館で開催された若冲の展覧会の時に合わせて行なった着物ショーをはじめ、博多に着物文化を復活させるために発足されたイベント「博多きものパスポート」の実行委員など数えあげたらキリがないほどです。ここ数年は日常的に和服を着こなしていることもあり、博多ではちょっとした有名人。最近では通りすがりのファンらしき人から、サインを求められたこともあったそうです。

私が思うに濱田さんのすごいところは、ほかの着付け師さん、ヘアメークさん以上にいろんな引き出しを持っているところ。そのうえ、着付けやヘアメークといえば、本来裏方の仕事なのに、表の顔「美付師・濱田久代」としてブランドを作り上げたところではないでしょうか? だから、着物のモデルもこなせば、イベントでは舞台で能面を手に舞うこともなさいます。これからもきっと、既存の枠におさまらない活動をなさるのだと確信しております。

こういった枠超えは着付けにも反映されていて、コンサバ風にきちんと着るものもあれば、襟を抜きちょっと着崩して妖艶に。また、小物使いも絶妙で小粋な帯揚げを着物のスタイルのままストール風にあしらったり、地味な着物のときは男性のように腰で帯を巻き、ロングネックレスをジャラジャラつけたり、テンガロンハットを合わせてみたり。こういうアイテムだけを聞くと、なんだかチグハグに感じる人もいるのかもしれませんが、濱田さんの手にかかるとそのどれもがまさに粋でいなせな和の世界。ここでお見せできないのが残念なほどです。

そんな濱田さんのアトリエに先日久しぶりに遊びに行ってきました。以前のアトリエでは、個人的に和服の着付けやヘアメークでもお世話になっていたのですが、今回のアトリエもまた素敵で、すだれ越しにはかわいらしいアンティークの着物がトルソーに着付けられていました(写真B)。ここの和室(写真C)では着付け教室が行われているようで、濱田さん自前の着物が一部きれいに陳列されていました。年代もののアンティークの着物から洗える着物まで、ざっと数えるところ数百枚。そういえば、先日出版された本の中の着物も全部、私物というのを聞いてびっくりしたことが思い出されました。

アトリエ内を見回していると、トルソーにかけられた黒いシャツを発見!(写真D)ここ数年はずっと着物姿の濱田さんなのに、なぜ? と思っていたら、よく見ると襟元やカフス部分に赤い和柄のあしらいがしてあるシャツではありませんか! 聞くところによれば、これは濱田さんプロデュースの「和柄カミーチェ」。ここでしか購入できないようです。それから、またまた見つけたのが、可愛らしい帯留めや髪飾り(写真E)。これも濱田さんが職人さんと一緒に手がけたもので、特殊加工したシルバーを使用しているそうです。「これからもいろんな方たちとコラボレーションしていきたい」と濱田さん。今後の活動にも目が離せません。
※濱田さんの日々の活動や独特な着物のコーディネートは、濱田さんのブログでも紹介されています。

<取材協力>
濱田久代さん「美付け【粋】コーデ」
http://bitsukeshi.blog115.fc2.com/

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事