石井美保さんのお金と上手に付き合う方法は？｜石井美保の美になる話。vol. 05

石井美保石井美保の美になる話。

読むだけで、昨日よりちょっとキレイになれる。石井美保さんの注目の新連載、第5弾です。

vol.05｜お金と上手に付き合うには？

人生を豊かにする手段であって目的ではないから。今ある中で工夫して充足感を感じながら、お金のことを考えずに生きられたら幸せ。

kd_20211012biteki00215

足るを知る者は富む。お金に支配されない生き方

お金は、あるにはあった方がいいとは思います。それによって生活や心に余裕が生まれるから。お金がないと給料日を指折り数え、日々のやりくりに悩み、お金のことばかり考えてしまう。でも、逆にお金がありすぎても、人を信用できなかったり、使い方や税金に悩んだりして頭がお金のことでいっぱいになってしまう…（韓国ドラマの見すぎかもしれませんが）。いちばんいいのは“お金に支配されない生き方”だと思っています。お金は自分の人生を豊かにする手段のひとつにすぎないのに、それに頭を占領されて、もっと大切にするべきことを見失うようでは、生きづらい。重要なのはお金があるかないかではなくて、“その中でどう工夫して楽しく生きるか”だと思うんです。上を見ればキリはないし、お金に限らず「足りない」「もっと」「欲しい」と思いながら生きるのは不幸。たとえ稼ぎが少なくても、今ある中で上手にやりくりして地道に夢や目標をかなえる、頑張ればできるんだという充実感を味わえる生き方の方がずっと幸せに思えます。
　
こうした価値観はじつは私が子供の頃から根づいています。というのも、私が小学1年生のときに両親が離婚をし、母は娘ふたりを連れてほぼ無一文で家を飛び出したんです。その後、事業を起こし母は成功したので、ほんの少しの間ではありますが、狭いアパート暮らしで生活に苦労した時期がありました。当時はおうちでお誕生会を開くのが定番でしたが、家が狭くて全員を招くことはできない。お返しのプレゼントの用意も大変、という状況の中、「じゃあ、みんなで外に遊びに行こう」と母はお友達を連れて出て、手作りのお返しのプレゼントを用意してくれたんです。それがむしろ楽しいし、みんなも喜んでくれるしで、我慢させられたどころか誇らしかったんですよね。その経験が「お金のありなしではなく、工夫次第」というお金に関する私の価値観の礎になっています。

お金は目的ではない。結果としてついてくる

お金を追いかけて、それを目的にする。これもまたお金に支配される生き方。でも追えば追う程、思うように手に入らないものです。お金とは、「お金のために仕方なく」「こっちの方が儲かるから」「売り上げのために」など、そういった目線ではなく、誰かに喜んでもらうために一生懸命に取り組み、たとえ利益度外視でも本当に良いものを作った結果、得られるものだと思っています。サロンを経営する上でもこれは共通していて、お客様に合った提案をすることが第一。そうして信頼して通っていただくことが喜びであり結果につながります。売り上げを見越して少し無理をしてしまうと、またお金を追いかけることに。だから決して背伸びをせず、堅実に、地道に積み重ねるよう今までずっと心掛けています。

色あせずに本当に欲しいものだけを、ずっと大切に

お金を使うことに関しても背伸びをせず、本当に欲しいもの、大切にできるものだけを買うようにしています。「安物買いの銭失い」にはなりたくないので、まとめ買い・ストック買い・衝動買いはしなと決めています。最近ではオンラインでお買い物をする機会も増えましたが、欲しいものはとりあえず全部カートに入れて1週間悩みます。その間、何度もカートの中を見返して、1週間前と比べて欲しい気持ちが100％変わらないものだけを購入します。時間がたつと気持ちが薄れたり、全然欲しくなくなっているものも、かなりあるんですよね。そのくらい慎重派なんですよ。ジュエリーや時計といった“一生もの”は、20歳の頃からずっと「20年後、子供に譲れるものを」と思って選んできました。ちょうど娘が20歳。大切に使ってきたので、美しい状態のまま娘に譲ることができて、今はそれが楽しみのひとつに。