美的GRAND
スキンケアニュース
2025.11.23

“こすらない”に固執しすぎると肌のたるみが進む危険が…!?“適度な刺激”が肌のハリ・ツヤを目覚めさせる!|美的GRAND

“こすらない”に固執しすぎると肌のたるみが進む危険が…!?スキンケアトレンドの落とし穴に注意して!

EDIT: 美的GRAND編集部

美的GRAND編集部

美的GRAND編集部

2018年に小学館が創刊した大人世代向け美容専門誌『美的GRAND』の編集部。40代以降の女性が抱える美容やライフスタイルの悩みに寄り添い、ドクター、研究者、美容ジャーナリスト、エディターなど各分野のプロフェッショナルと連携し、スキンケアからメイク、ヘルスケア、ウェルネスまでを多角的に紹介。「年齢に抗う」というアンチ・エイジングではなく、年齢ととともに自分らしい美しさを積み重ねていくというポジティブな“ネオ・エイジング”を提唱し、信頼できる知見をわかりやすく発信することを心がけています。

著者記事一覧へ >>

SOURCE: 美的GRAND2025年秋号

美的GRAND2025年秋号

2025年9月12日発売頃発売

美的GRAND秋号では、「経年美化beauty」7つの流儀と題して、 秋冬の大人の美容ルーティンに取り入れたいことを…

もっと見る >>

美容における刺激“なし”と“あり”、どちらが正しいの?

TVCMで“摩擦レス”という言葉が躍るなど、今や誰もが知っている“摩擦レススキンケア”。クレンジングでも何かを塗るときも、徹底してこすらない、刺激しないというものです。その一方で、マッサージや美顔器など、刺激を与えることで美肌に導くという理論も存在。両極に思えるふたつの美容法、どちらが正しいのか? 『美的グラン』は複数の専門家に取材を行いました。

「前提として、摩擦は肌に良くないです」とは、銀座ケイスキンクリニック 院長の慶田朋子先生。続けて、「ただしクリームなどをたっぷり塗った状態だと、肌の上で指を滑らせても摩擦はごくわずか。摩擦を気にしてスキンケアコスメをきちんと塗り込まないと、効果が得られにくくなります」。素肌をこすらない限りは、スキンケア時の摩擦を気にする必要はない、ということがわかりました。

次にマッサージなどの刺激。エンビロン創設者のデス・フェルナンデス先生は、「肌のハリを保つには、スキンケアのときに適度な圧をかけることが有効です。それにより細胞が活性し、コラーゲンの産生が促されます」と語ります。ヘア&メイクアップアーティストの視点では、「マッサージで筋肉をほぐし、ハリを出すことが顔のリフトアップに重要」と、河北裕介さんとAYAさん。

つまり、摩擦自体は肌に良くないけれど、スキンケアコスメをつけて行う適度な刺激は、肌にとって必要! 本企画では4人のプロに、肌に“適度な刺激”を与える具体的なメソッドを教わります。

刺激のない日々が人を老けさせるように…刺激レスのスキンケアは、肌をたるませる

【証言1】肌の細胞活性を促し健やかさとハリを保つためには適度な刺激が欠かせない

エンビロン創設者・ サイエンティフィックディレクター

デス・ フェルナンデス先生

肌の美しさを保つことにおいて、ある程度の外部刺激は不可欠だと考えています。私はスキンケアコスメを、マッサージをするように塗り込んでいます。浸透を促すだけでなく、適度な圧力によってコラーゲンの産生の増加も期待して。また、肌内に浸透して遺伝子発現を促すビタミンAや、細胞の代謝を促す酸をスキンケアに取り入れることも、良い刺激になります

【証言2】適度な圧力が肌の再生力を覚醒させるとメーカーも証言

肌に適度な圧力をかけると細胞活性や再生能力が覚醒することは、自社で研究機関をもつ複数の化粧品メーカーも発信しています。資生堂は2020年に、皮膚に圧力を加えることで、細胞を生み出す親となる幹細胞が増殖すること。さらに、増殖した線維芽細胞がネットワークを作り、コラーゲンの産生を促すことを確認、発表しています。ロート製薬も2020年、皮膚に圧力を加えて細胞同士が横方向に引っ張り合う力=張力を発生させると、それにより細胞にメカニカルストレスが生じ、表皮のターンオーバーや真皮の線維芽細胞の活性が促される、という研究成果を発表。圧力による刺激が、眠っている細胞の力を覚醒させるのです。

【証言3】スキンケアコスメはある程度しっかり塗り込まないと密着・浸透しない

銀座ケイ スキンクリニック 院長

慶田朋子先生

日焼け止めは塗り方がとても重要です。ただスッと塗るだけだとキメの溝に入り込まず、くずれやすかったり、隙間焼けしてしまうのです。指の腹をくるくると回転させながら塗り込むと、隙間なく密着するだけでなく、日焼け止めに含まれる成分の浸透を促すことも期待できます。スキンケアのクリームも同様で、くるくる塗り込むと成分の浸透が促されます

【証言4】筋肉の固さがたるみの原因に!大人にマッサージは必須

ヘア&メイクアップ アーティスト

河北裕介さん

たるみや肌の弾力のなさは、顔の筋肉が固くなっているサイン。毎日短時間でも
マッサージして筋肉を動かすと、ハリが戻ってきます。クリームなどを
つければ、摩擦は気になりません

ヘア&メイクアップ アーティスト

AYAさん

撮影のメイク前には、顔と頭皮をマッサージします。最初は指が入らない程こわばっていても、しっかりマッサージすることで、ハリや弾力も出てきます

【結論】お手入れはなんでも“適度”がいい。刺激がないのも、ありすぎるのもNG

こんな思い込みやお手入れ習慣は、気づかぬうちに老化を招きます

“摩擦レス”への過度な固執
全くこすらないとスキンケアコスメが肌のすみずみまでなじむこともなく、効果が発揮されません。そもそも、クレンジング料やクリームを塗れば指が滑って摩擦を防げるのです。

いいとなったらひたすら、やりすぎ
美顔器にハマってドラマ1本分やり続けてしまったり、顔のマッサージを20分や30分も続けたり。それは明らかにやりすぎで、過剰な刺激は“悪い刺激”になってしまいます。

「時間がない」を言い訳に、適当な塗り方
朝は忙しい、夜は疲れて早く寝たいからと、スキンケアコスメをただ“塗布するだけ”になっていませんか。塗布はお手入れの始まりにすぎず、そこからなじませることが大切。

反応がある方が効く、の思い込み
「刺激があるのは効いている証拠」や「好転反応」といったことも聞かれますが、炎症が起こったり肌の赤みが長時間続くようなお手入れは、悪い刺激なので避けるのがベター。

適度な外部刺激によって細胞が活性化して美肌に

バランスよく食べて、睡眠をしっかりとり、適度に体を動かしたり歩いたりして、肌を適度に洗って適度に動かし、丁寧な保湿ケアをする――。さまざまな美容の有識者に取材をしていると、結論、美容と健康の秘密はこういった地味な毎日の積み重ねに尽きるということがわかります。しかし、世間の言い分は真逆です。例えば、肉を食べない、糖質をカットする、3日間ファスティングする、といった極端なダイエット法があります。それらは一時的にやせるためには有効かもしれませんが、バランスが悪く、結局リバウンドしやすくなります。

肌も同じで、こすらないとなったら徹底的にこすらない。美顔器を買ったら毎日何十分もやり続けてしまう。どうしても極端になってしまう人が多いのですが、肌のためにはどちらもよくありません。肌に一切の外部刺激がないと、たるみや角質肥厚を招きます。逆に美顔器やマッサージで長時間刺激を与え続けると、肌や筋肉に負担がかかります。

今回は「肌に適度な外部刺激を与えることで、細胞が活性し、肌の再生が促される」という考え方の下、大人の肌を経年美化させるお手入れメソッドをご紹介しました。これ以外にも、例えばシートマスクを何時間も貼る、肌断食をするなど、極端なスキンケアを取り入れている人は、いったんやめてみましょう。肌への適度な刺激に加え、美容にまつわるすべてを、やりすぎない、やらなすぎない、程々にしてみる。その心掛けで、肌の調子はぐっと良くなります。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

EDIT: 美的GRAND編集部

2018年に小学館が創刊した大人世代向け美容専門誌『美的GRAND』の編集部。40代以降の女性が抱える美容やライフスタイルの悩みに寄り添い、ドクター、研究者、美容ジャーナリスト、エディターなど各分野のプロフェッショナルと連携し、スキンケアからメイク、ヘルスケア、ウェルネスまでを多角的に紹介。「年齢に抗う」というアンチ・エイジングではなく、年齢ととともに自分らしい美しさを積み重ねていくというポジティブな“ネオ・エイジング”を提唱し、信頼できる知見をわかりやすく発信することを心がけています。

記事一覧へ

撮影: 寺田茉布(LOVABLE) 

ヘア&メイク: AYA(TRIVAL)

スタイリスト: 角田かおる 

モデル: 望月カオリ

イラスト: リバー・リー

構成: 大塚真里

SOURCE: 美的GRAND2025年秋号

美的GRAND2025年秋号

2025年9月12日発売頃発売

美的GRAND秋号では、「経年美化beauty」7つの流儀と題して、 秋冬の大人の美容ルーティンに取り入れたいことを…

もっと見る >>

この記事をシェアする

twitter LINE Threads

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事