スキンケアニュース
2024.6.22

【シャネル 次世代への挑戦】南仏の町・ゴジャック オープンスカイ ラボラトリーへ

深紅のカメリアが秘める偉大な力美を育て、未来の可能性へと昇華するシャネルの次世代への挑戦。

2000種から選ばれた特別な力をもつ深紅の大輪

シャネルを象徴する花・カメリア。フランス南西部・ゴジャックにあるカメリアの研究拠点「オープンスカイ ラボラトリー」には、2000種を超えるカメリアが育てられています。その中には、かつてガブリエル・シャネル本人が自らオーダーし愛でたという伝説的なルーツをもつ品種も。絶滅が危惧されるような世界各地の希少な品種も保護しています。清浄な水や空気に恵まれた広大な環境で、化学物質を一切使わない厳正なオーガニック農法で長年にわたり栽培を行っています。

ゴジャックは、フランス南西部にある自然豊かな美しい町。四季を通じて降雨量が安定していて、カメリアの生育に適している。40ヘクタール(東京ドームに換算すると約8個分)の広大な敷地に2000種以上のカメリアが育つ。

花が咲けば、蜂や鳥なども集まってきます。そういった多様な生態系をそのままに、持続可能な形で未来へと繋いでいく――100年以上にわたってカメリアを愛し、植物の美しさや効用を美へと昇華させてきたシャネルだからこその、贅沢で意義ある取り組みです。

土地の生物多様性が守られ、さまざまな種の鳥や虫が花と共存している。巣箱をはじめとした製造物も、すべて天然の木・石・土を使用。花からとれる種も、製品の容器などの材料として活用。

その試みは、植物に秘められた未知なる力を探る道筋でもあります。なぜならば、激しい寒暖差や照りつける夏の日差しなど、ときに厳しい自然環境におかれたとき、植物は自らに秘めていた潜在的な力を発揮することがあるからです。

氷点下でも大輪の花を咲かせる、「ツァー」(皇帝)と呼ばれる深紅のカメリア。この花が老化の遺伝子をもたないという発見から、新たなる肌研究の知見や、スキンケアアプローチが誕生している。

例えば、深紅のレッド カメリアは、その堂々とした佇いにふさわしくツァー(=皇帝という意味)と呼ばれています。この花は、凍てつくような氷点下でも、強い生命力を感じさせるみずみずしく肉厚な大輪の花を咲かせるのです。そこで「オープンスカイ ラボラトリー」の植物研究チームは、この品種だけがもつ特徴について専門的な解析を行いました。

その結果、抗酸化作用のあるポリフェノールの一種「プロトカテク酸」が、花びらの中に突出したレベルで含まれていることが判明したのです。また別の研究では、レッド カメリアは老化細胞をもたない花であることが明らかになっています。厳しい冬を越すごとに、老化するどころかますます美しい花を咲かせていく。その事実は、長年にわたり人間の肌や体の細胞老化(セネッセンス)の研究を推進しているスキンケア開発チームにとって、大きな一歩となるヒントとなりました。

大地が生み出す植物のパワーに敬意を払い、環境をより良く整えながら、その恵みを最高の形で引き出して美をクリエイションしていく――シャネルのコスメには、そんな贅沢な背景と、未来へと続く新しい可能性とが秘められているのです。

自然から授かる恵みを唯一無二の美容成分へ

オープンスカイ ラボラトリーのもうひとつの強みは、農園と研究所が同じ場所にあること。おかげで、より精密で質の高い化粧品成分の開発が、スピーディに実現されています。

大きさはもちろん、肉厚で高い生命力を感じさせる「レッド カメリア〈ザ ツァー〉」。この花だけがもつ特別な力をもつ成分から、新たなるスキンケアエキスが誕生。
シャネルの化粧品原料開発ディレクター、ニコラ フザッティ。バンタン(フランス北部)にある肌の基礎研究や先鋭研究を行うセンターと密にコミュニケーションをとりながら、ラボラトリーでの研究を率いている。

たとえば農園に育つカメリアには季節のサイクルがあり、1年を通じて変化していきます。また、同じ花でも蕾のときと開花したてのときとでは、花の性質が異なってくることがあります。農園とラボが近いからこそ、きめ細かにその違いを研究することが可能です。花の生態や特徴をより深く理解し、美容成分の濃度が最も高くなる瞬間を捉えることができるのです。

植物に含まれる有用分子を限りなく高純度に精製する「ポリフラクショナル」と呼ばれる抽出方法など、シャネル独自のノウハウを駆使して、高品質なエキスを取り出す。
ひとつの品種からエキス、オイル、ペーストなどさまざまな形状の美容成分が抽出される。

また、摘みたての花や葉などをフレッシュなうちに抽出・精製して化粧品原料へと加工できるのも、農園とラボが一体化しているからこそのメリット。シャネルが長年をかけて進化させている抽出技術により、高純度に精製されたエキスが完成します。また、種子に含まれるオイルや、酵母を加えて発酵させたエキスなど、カメリアが生み出した自然の恵みを、余すことなく美容成分として利用しています。

『美的』2024年8月号掲載
写真提供/CHANEL 撮影/宗高聡子(静物) デザイン/荒川裕子 構成/もりたじゅんこ

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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