スキンケアニュース
2023.8.16

肌に悪影響を及ぼす菌界のアウトロー【黄色ブドウ球菌】ってどんな菌?

菌界のアウトローともいわれる“黄色ブドウ球菌”。悪影響しか与えないとされているこの菌をキャラ化して徹底解説!!

【黄色ブドウ球菌】

菌は大抵、人間に良い面も悪い面もあるが、この菌に限っては悪影響しか与えない。ごく少数ながら肌に常在する必要悪。名前のとおり、黄色い色をした菌でもある。

Nickname

オードン


今度はどこで悪さをしてやろうかな~

 

【得意技】

アトピー性皮膚炎の原因であり悪化させる一因
アトピー性皮膚炎の人の肌では黄色ブドウ球菌が増殖する傾向。炎症物質を作り出したり、バリア機能を破壊したり、角質を溶かしたりして、健やかな肌環境をことごとく破壊。

 

【好きなもの】

血液が大好物!出血すると勢いが止まらない
出血を伴う傷口などアルカリ性の環境が大好き。黄色ブドウ球菌を抑えるには肌を弱酸性に保ち、表皮ブドウ球菌を増やすこと。乳酸菌などで腸内細菌を整えるのも有効な手。

 

【性格】

やることなすことすべて悪!炎上してナンボの精神
本人に悪気はないが、生成するたんぱく性毒素が人間にも周りの菌にも迷惑をかけてしまう。普段はおとなしくしているが、場が整えば、炎上覚悟で悪行を尽くしまくる。

 

【主な拠点】

肌をはじめ、粘膜系でひっそりと暮らしている
鼻やのどなどの粘膜や皮膚などにあり、化膿した傷口には多くいる。健康な人が保菌するだけなら害はなし。手指にいる菌は、食べ物に付着して体内に入り込むと食中毒の原因に。

オードンの侵略日誌


黄色ブドウ球菌は、毒素を出して、人間に害を及ぼすだけでなく、ほかの菌にとっても迷惑な存在。

アトピー性皮膚炎を悪化させたり食中毒や肺炎、髄膜炎の原因にもなるゾ

さまざまなたんぱく性毒素を産生して、免疫系の炎症や食中毒を引き起こす。

悪の限りを尽くしているが、まあ、だいたい孤独だ…

常在菌ではあるが、ほぼゼロに近い程、菌の数は少ない。また、なかなか増えにくい。

でも

さらにクローズアップ!

じゅくじゅくとした擦り傷などから出る黄色い膿の正体はこの菌。炎症で出てくる滲出液が好物だ。

出血でアルカリ性になると本領発揮!

出血すると、健康な肌の弱酸性のpH値から、アルカリ性に変位。すると黄色ブドウ球菌が勢いを増す。


だが、そんな黄色ブドウ球菌の活動を抑えるのが、表皮ブドウ球菌が作り出す「抗菌ペプチド」。まさに天敵だ…。

今日のところは退散だ…

株式会社KINS代表

下川 穣さん

 

『美的』2023年7月号掲載
イラスト/いしやま暁子 構成/村花杏子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

この記事をシェアする

facebook Pinterest twitter

関連記事を読む

あなたにおすすめの記事