エディター・ライター。自ら立ち上げた出版レーベル『BOOK212』より初の絵本『ピンクのカラス』を刊行。
(問)https://book212.com
メイクが主張するのでなく、自分自身を愛でる「コントゥアリング」|美的GRAND
美容エディター・松本千登世さんが厳選。『このコスメが、すごい!~大人の顔創り編~』
もって生まれた唯一無二の美しさを引き出す
〈上から〉
Brand / イヴ・サンローラン
Item / オールアワーズ ハイパーブロンザー 02
およそ90%自然由来成分配合のスキンケア発想フォーミュラ。ほのかな光沢感、軽やかなつけ心地で、仕上がりは極めてヘルシー&ナチュラル。アクティブな日常にもくずれにくく、生き生きとした印象が持続。¥9,350
Brand / RMK
Item / シェイド & グロウ フェイス パレット 02
シェーディング、ハイライト、チークをひとつにした、ユニバーサルなフェースパレット。テクニックなしでも、自然な陰影や艶めき、血色がまるで肌の一部のように溶け込み、骨格や素肌を美しく際立たせる。¥7,700
メリハリが際立つ「立体感」
「素顔よりも、メイク顔に本当の『その人』が現れるもの。なぜなら、メイク顔は、その人が社会と接するときの『こう見られたい』という意志そのものだから」。そんな風に語った人がいました。むき出しの素顔は、確かに健康や生活を赤裸々に語り出すのかもしれない。ただ、一方で、意志で作ったメイク顔は、実はさらに深層にある美意識や価値観、感情や思考を露(あらわ)にするもの。そう言われた気がしてはっとさせられ、思わず自分のメイク顔を隠したくなりました。シミもたるみも肌の粗を隠したい。年齢と共に弱まった目力を強めたい。年齢より若く見せたい、自分を良く見せたい……。私はメイク顔に「もっと、もっと」という我みたいなものが出てはいなかっただろうか、と少しだけ不安になりました。そして、意識し始めてからというもの、メイクに対する向き合い方が大きく変わったのです。
もちろん、メイクにはコンプレックスやエイジングなど、気になる部分をカバーしたりカムフラージュしたりする役割があるのは確か。ただ、本来は、唯一無二の「自分らしさ」を引き出し、研ぎ澄まし、愛(め)でるためのもの。カバーやカムフラージュばかりに捕らわれることなく、年齢を重ねる程に忘れがちなポジティブな意味合いをもう一度思い出したい。自分自身を愛でるメイクに宿るのはきっと、大人であることを真から楽しめる知性や慎み深さだと思い始めたのです。
そこで、私たち大人がメイクの基本として味方につけたいのは、もって生まれた骨格やパーツ、肌のツヤやハリなど、顔全体の立体感を強調するコントゥアリング。メイクが主張するのでなく、自分自身が際立つ、「見える」より「感じる」メイク。
今シーズンは特に、テクニックなしでも肌に自然に溶け込んで、元々もっている立体感になりすますアイテムが続々と誕生しています。もはやシェーディングもハイライトも、大人美に欠かせないベースメイクの一部……。
『美的GRAND』2024秋号掲載
撮影/シバサキフミト(DONNA) スタイリング/高橋尚美 構成/松本千登世、三井三奈子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。