小雪さん「ママを休みたい、と言えるようになった」田舎暮らしで変わった価値観|美的GRAND
都会と北の地方のデュアルライフで、より自由に、心地よさを感じるようになったという小雪さん。俳優として走り続ける中で、肌や体、生き方に良い循環をもたらす日々とはーー。
小雪
田舎暮らしで変わった価値観
地方での生活では、野菜を育て、発酵調味料も手作り。“私でもできる”ことの積み重ねで生きる力がついてきた気がします
“田舎暮らし”では食べるものも変わった。みそや甘酒、しょうゆ麹を作り、野菜は自ら育てたものが中心。卵は飼っている鶏が産む。夫が狩猟でとった鹿肉で餃子やハンバーグ、レバニラ炒めも作る。
「野菜や調味料など、都会では買っていたものを自分で作れるようになると、“私でもできる”と生きる力や自信がついた気がするし、できなかったことができるようになることも楽しいんです。今、生ゴミはコンポストで畑の肥料や鶏のえさにしていて、家の中でサステナブルな環境がなり立っていると思うと、消費と生産についても考えるようになりました。貝殻も砕いて肥料にするし、鹿の皮でバッグを作ってみたり。毎日やることが多くて忙しいんです(笑)」
我慢することに慣れなくていい。もっと自分軸で生きていい。それが、美しさにもつながると思う
かつて、女優として、妻として、母として、あるべき姿に捕らわれていた時期があった。そんな小雪さんを楽にしたのは、自然に触れたり、夜はスマホを見ない時間を作る中で、「幸せの価値観は自分で決めればいい」と思えたことだった。
「例えば、何かに挑戦したいのに、仕事が、子育てがと、いろんな理由で後回しにしていると何が幸せなのかわからなくなり、自己肯定感が低くなっていくんです。でも、“こうあるべき”と頭で考えることは、だいたい正解じゃない。その固定観念は他人が作った基準だったりしますから。そのことに気づいてから、自分という主軸で考える訓練をしました。どうあることが幸せなのか、そのためにはどうすればいいのか。自分の幸せ設計は自分にしか作れませんから」
今はがむしゃらに無理することがなくなった。疲れると、「今日はママを休みたい」と家族に伝える。かつては言えなかったことが言えるようになった。
「そう言うと、子供たちは『ラーメンが食べられる!』と喜んでいます(笑)。自然の恵みを享受する生活で、生き方も働き方も自由でいいと思えるようになりました。時には、背負っているものを少し下ろす時間をもっていい。頑張ることと我慢は違いますし、我慢することに慣れなくていい。自分らしく輝けるように、自分軸を大切にしていきたいですね」
Profile
こゆき/1976年神奈川県生まれ。’98年に女優デビュー。2003年のハリウッド映画『ラスト サムライ』のヒロイン役で注目を集め、以降、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズなど話題作に多数出演。近年は、ドラマ『きょうの猫村さん』、Netflix『全裸監督』での演技も話題に。3児の母。
『美的GRAND』2021秋号 好評発売中
『美的GRAND』2021 秋号掲載
撮影/中村和孝 ヘア/hiro TSUKUI(Perle) メイク/小田切ヒロ(LA DONNA) スタイリスト/押田比呂美 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。