「必要な貯蓄は手間をかけずに効率的に!」美的世代に伝えたい、マネーコラムニストの“転機”の話
仕事、恋愛、お金、人生etc.、肌にも変化が訪れて、美容や人生のターニングポイントを迎える人も多い『美的』読者。価値観の大きな変化を感じることもあるので、考えさせられることが多くあります。二十歳という節目を迎えた『美的』と一緒に心新たに前へ!の気持ちを込めて、今回はマネーコラムニストの西山美紀さんに語っていただきました!
マネーコラムニスト 西山美紀さんの「転機」の話。
味わい深い人生を送るために必要な貯蓄は手間をかけずに効率的に!
お金のことって「なんだかいろいろ辛い」と思いませんか? 欲しいものをガマンして、安いところを探して、ポイントにクーポンにと節約してみるものの、「全然貯まらない!」と投げ出したくなってしまいがちです。
ところがこの考え方は、少々古め。ガマンして手間をかけてお金を貯めこむ方法は、それが美徳とされていた昔の話です。今の時代は日々やりたいことがたくさん。貯蓄は、手間や時間をかけないのが正解です。「本当に欲しいものを手に入れるため」にお金を効率的に準備していきましょう。
この1年で私たちが学んだことは、みんなが安いお店ばかりで買っていたら、ちょっと高いけれどよいものを置いているお店がなくなってしまうということ。好きだったお店がなくなったという経験をした方もいると思います。「安いから買う」という空気になりがちですが、「欲しいものを買う」「そのためにお金を準備する」という考え方にシフトしていきましょう。それこそが、自分が本当にしたいこと、ですものね。欲しいものや、やりたいことをリストアップして、優先順位の高いものにお金を投入しましょう。リスト外にはお金は使わない!くらいの気分で。ぜひ、家でのんびりしている自分と、外でアクティブにしている自分、両方の自分にとって欲しいものをリストアップしてみてください。
そして、いつもガマンをしながらわざわざ貯金するような手間は排除。しなやかな身体づくりやスキンケアは、毎日の心がけが大切ですが、貯蓄は寝ていても勝手にできるくらいに自動化&外注を。銀行で定期預金積み立てを申し込みつつ、投資に関心があれば、投資信託を積み立てていくのも一案。一部のネット証券では月100円から積み立てもできるので、誰でもはじめられます。世界中の株に投資するタイプを選べば、世界経済成長の波に乗ることもできるでしょう。
少し慣れたら、つみたてNISAやiDeCoで、税制上のメリットを生かしながら10年以上の長い目で続けてみては? 相場が下がったときは「やらなければよかった」と一時的に思うかもしれませんが、そんなときこそ積み立てを続けると、再び相場が戻ったときに資産が増えるはずです。ひと月あたり、預金や投資で積み立てる金額は、手取りの1割以上を目標に。余裕があるかたは4割くらいを目指してみてください。
うれしいことも、そうでないことも、予期せぬできごとがあるからこそ人生は味わい深いもの。心揺れ動く日々でも、毎月確実にお金が貯まっていけば、足元が固まります。あとは、人生を楽しんでいくだけ。「貯めなきゃ」という意識を捨てて自分をラクにさせてあげるために貯まる仕組みを取り入れて、欲しいもののリストアップからはじめませんか?
『美的』2021年5月号掲載
イラスト/市村 譲 構成/野村サチコ、宮田典子(HATSU)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
にしやま・みき/出版社で編集・マーケティングを経験後、2005年に独立。ファイナンシャルプランナーの資格を取得。雑誌やWEBなどで、女性の生き方やマネー、インタビューをテーマに取材・執筆・記事監修、講演活動を行っている。著書に『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)。中学生と小学生の2児の母。