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2018.9.5

“小説家” 押切もえが語る――ママになって改めて今だからこそ… 「美容が好き」

トップモデルとして活躍する一方で、タレント、小説家としての顔をもつ押切もえさん。2冊目の小説にして「第29回山本周五郎賞」にノミネートされた短編集『永遠とは違う一日』(新潮社)が、文庫化され9月1日から全国書店で発売されることが決定しました。プライベートでは2016年に結婚、現在は一児のママとなった押切もえさんに「自分らしく美しく生きる」をテーマにお話しを伺いました。

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眉毛を変えたらまろやかな旬顔に

――お会いするのは数年ぶりですが、すべすべの色白肌は相変わらずですね。しかも、神々しさというか、まろやかなオーラが加わって、さらに美しさが増したような……。

押切:いやいやいや、ありがとうございます。今日はプロのヘアメイクさんにきちんとメイクしてもらったので(笑)。今は育児中心の生活でせわしなく過ごしているんですが、こうやって人と会うときには、ここぞとばかりにメイクもしっかり楽しんでいます。

――あれ、眉毛の形、変えました?

押切:そうなんです。眉毛って重要ですよね(笑)。実は、妊娠がわかったときに、「子育てが始まったらヘアサロンにもなかなか通えないだろうな」と思って、髪のカラーリングをやめたんです。それまでは毎月、伸びたらその部分をリタッチして、というのを繰り返していたんですが、それと同時に、眉毛も整えずに生やしっぱなしにしてみたんです。

長くひとつの雑誌をレギュラーでやらせていただくと、その中でのキャラクターというか、役割というのもできてきて、なかなか途中で大きなイメージチェンジっていうのは難しいんですよね。実際問題、眉毛を生やしっぱなしにできる時間もないですしね(笑)。

――確かに。

押切:で、約10年関わってきた雑誌を卒業したということもあって、リセットというか、ニュートラルにしたところから新しいスタイルを始めてみようと思って。眉山をつくらない太眉って、自分でも新鮮です。シュッとさせてしっかり眉山をつくってきた時期が長かったので、まだちょっと落ち着かないところもあって(笑)。でも、ファッションもそうですが、それ以上にメイクって、そのときどきの“旬”があって、ちょっとズレたりハズしてしまうと、一気に古い顔になってしまうんだなって、改めて思うようになりました。

雑誌とWEBの情報を気分と用途で使い分け

――美容雑誌やネットの美容記事などは読んだりされますか?

押切:読みます読みます。それこそ、毎日ファッション誌の撮影があった独身時代より、今いちばん美容に興味があるかもしれません(笑)。私は、愛ある人によって“編まれた”ものが昔から好きなんです。雑誌もそう。美しい写真だったり、選びやすく比較しやすいまとめられ方だったり、考え抜かれた見出しだったり……。紙をめくって開いて、右から左へと順番に読んでいくというのも、作った人の気持ちが感じられて楽しいんです。

でも、現実的な部分として、「今日私が知りたいのは、1分でかわいくできるまとめ髪なの!」というときには、youtubeなどで、手先が器用でおしゃれな素人の方が投稿しているまとめ髪動画を探しますし、今日発売の何がどこで売っているか、といった取って出しの情報は、ネットの美容記事のほうが早いので、チェックもしています。インスタグラムのハッシュタグで美容情報をピックアップすることも多いです。

――お気に入りは相変わらずオーガニック系が多いですか?

押切:そうですね。今は授乳中なので、とくに食べ物はできるだけ自然なものを……という意識はあります。それに、最近は、本当にどんどんオーガニック系コスメも進化していますよね。スキンケアアイテムでも、心躍るパッケージだったり、テクスチャーが心地よかったり。カラーアイテムも、発色がしっかりしているものが増えてきて、選ぶ楽しみが増えました。
でも、絶対にオーガニックじゃないと!と意固地に思っているわけでもなくて。もちろん、体によくないよくない影響をもたらすものはできるだけ避けたいと考えていますが、美容には気持ちよさも遊び心も必要ですよね。メイクで冒険したいなと思うときや、ちょっと物足りないな……と感じるときにはプチプラやハイブランドのコスメもトライしています。もはや、気持ちの赴くまま……ですね(笑)。

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心の声に耳を澄ませて「本当にしたいこと」と向き合う

――家族ができて、いっそう心が自由になったというところはあるんでしょうか

押切:そうですね。新米ママなので時間的に余裕がなくてあたふたしてしまうことも少なくないですが、幸せです(笑)。夫が大らかで穏やかな人なので、私もイライラせず、ふわっとしていられます。

――羨ましいです。実際、もえさんみたいな結婚に憧れながら、婚活してもなかなかうまくいかなくてじたばたしているというアラサーも多いですよね。どうしたらいいですかね。

押切:いやいや、私もけっこうあれでしたよ。こじらせてましたし(笑)。「いつかは結婚したいなぁ、でも今なのかなぁ…」ってもやもやしていた時期も長かったですし、周りがどんどん結婚していって「私も結婚したほうがいいのかなぁ、でも、結婚ってしたほうがいい、悪いで結婚するものなのかなぁ」とかどんどん変な方向へ考え過ぎてしまったり(笑)。
でも、やっぱり、タイミングなのかなぁ。立ちはだかっていた壁がふぅっと目の前からなくなってその先に道が見えて、あれ、進めるのかも?って素直に思えたんですよね。

――そのタイミングに気づけなかったり掴めなかったりするのかも

押切:そうですよね。うーん、きっと、大切なのは、本当の自分の気持ちに耳を澄ますってことじゃないかなと思います。自分は何がしたいんだろう、何が好きなんだろうって「ちゃんと」突き詰めて考えること。本当にしたいこと、好きなことなら、そこに伴う大変さを「犠牲」とか「大変だ」とか思わないで受け止められるような気がします。

――小説の執筆には「産みの苦しみ」が伴うと聞きますが、もえさんがそれでも頑張れるのも、本当に好きだからなんですよね。

押切:そうですね。新人なので、書き上げるまでは本当に辛いです(笑)。今回、『永遠とは違う一日』の文庫化のための校閲を数日かけておこなったんですが、物理的に少々手こずってしまって(笑)。それこそ、泣く子供を抱っこしてあやしながらで、泣き止んだらこっちがウトウトしてきちゃったり。それでも、改めて読み直してみて、ちょっとニュアンスを足したいな、別の表現のほうが気持ちがもっと伝わるな、と思う部分もたくさんあって、ずいぶん加筆修正をかけました。単行本で読んでくださった方にも、文庫本に新しい発見を感じていただけると思います。

――今後の予定を教えてください。

押切:今は、3冊目の小説の構想を練っているところです。あと、また絵も描いています(押切もえさんは2015年に二科展に初出品初入選の経歴をもつ)。でも、今はやっぱり育児が中心。3人家族になったばかりなので、子供の様子を見ながら家族の生活ペースをつくっていけたらいいですね。とはいえ、緩いながらも締め切りはあるので(笑)、頑張ります」

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押切もえ『永遠とは違う一日』
第 29 回(2016 年)の山本周五郎賞ノミネートでも 話題になった傑作がついに文庫化! 華美な世界に生きながら決して特別ではない女性たちを活写する連作短編集。
【あらすじ】
「誰かに認められたいなら、もっと全力でやって」
東山路代はマネジメントを担当するモデルの咲子に不
満を抱いていた。
今日こそは言う。そう決意した矢先、収録現場に遅刻
し、咲子を怒らせてしまう。
憧れのバンド 7BOYS の傍で働くために上京して早四
年、夢見ていた場所は遠すぎる――。
スタイリスト、女子アナ、アイドル。
華美な世界に生きながら決して特別ではない女性たち
を描く6編を収録した作品集。

【書籍詳細】
レーベル:新潮文庫
発売日:2018 年 8 月 29 日(地域によって前後することがあります。)
本体価格:590 円(税別)

【押切もえ氏プロフィール】
1979(昭和 54)年千葉県生れ。10 代で読者モデルとして活動を始め、2001(平成 13)年
から’07 年まで「CanCam」の専属モデル、’07 年から’16 年まで「AneCan」の専属モデ
ルを務める。おもな著書に『モデル失格』『浅き夢見し』『永遠とは違う一日』『わたしか
ら わらうよ』などがある。

 

撮影/黒石あみ(小学館) 取材・文/簗場久美子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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