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2011.9.15

大高博幸の美的.com通信(70)『カンパニー・メン』&『女と銃と荒野の麺屋』 試写室便りNo.17

どんなときも、上を向こう。
突然やってきたリストラ通告。絶望は希望に変えられるのか。
豪華アカデミー賞(R) 受賞俳優たちが奏でる
人生再起の物語。
『カンパニー・メン』(原題=THE COMPANY MEN)
★詳細は、companymen-movie.com へ。
<9月23日(金・祝)から、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国ロードショー>

ボストンに本社を構える総合企業が、突然大規模なリストラを敢行。その第1弾にはベン・アフレック演ずる37歳の販売部長(年収12万ドル!)が、その第2弾にはトミー・リー・ジョーンズとクリス・クーパー演ずる重役ふたりが含まれていた…。
一瞬にして解雇された“社員”の悲劇。未来を断たれて死を選ぶ者さえ出てしまうが、新たな価値観に目ざめた男たちは、より人間らしく生きるためのスタート地点にたどり着く。

第1主役のベン・アフレックは、ステイタスの完全な崩壊と長びく職探しの中で、もがき疲弊していく様子をもう少し表現すべきだったのでは?とも感じましたが、ラスト近く、愛する妻に「失望させて悪かった」と詫びる場面での表情が清々しくも柔和で、とても良かったです。
そしてローズマリー・デウィット演ずる彼の妻の、現実に立ち向かう冷静な思考と行動、夫と子供に対する思いやりの強さ…、それは“女の鏡”でした。
彼女の兄役で大工を生業としているケヴィン・コスナーも好演。華やかだったスター時代の演技よりも、人間味がグンと増したという印象。

“会社”及び“会社員”の厳しい現実を描いた104分ですが、「最悪、またクビになるだけだ!」と冗談めかして言い放つアフレックに、集まった新しい仲間たちが元気づけられ、イキイキと動き始めるところで終ります。

欲望の銃弾が撃ち込まれる
中国最高の巨匠チャン・イーモウが、コーエン兄弟の傑作『ブラッド・シンプル』の驚くべき再創造に挑んだオリエンタル・ノワールの誕生!
『女と銃と荒野の麺屋』(英題=A Woman, A Gun And A Noodle shop)
★詳細は、kouya-menya.jp へ。
<9月17日(土)より、渋谷シネマライズほかにて全国順次公開>

万里の長城の西の果て、嘉峪関(かよくかん)の荒野にポツンと佇む一軒の麺屋を舞台とした時代劇。
麺屋の傲慢な経営者、勝ち気なその妻、三人の住み込み従業員たちに、狡猾な巡回警察官が絡み合う、滑稽味豊かなクライム・スリラー。上映時間は90分。
特別仕立ての“飛び出す絵本”ってな感じのエンターテインメントで、全篇にドタバタ喜劇的タッチが潜んでいるところが面白い。

麺屋の妻役のヤン・ニーは、藤原紀香似の美人女優。彼女の不倫相手を務める従業員リー役のシャオ・シェンヤンは、握美清と間寛平を40%づつミックスしたようなコメディアン。そして悪徳警察官役のスン・ホンレイは、岸田森の遠い親せきのような雰囲気…。

この映画はイーモウ監督の代表作になるとは思いませんが、中盤辺りからの独特な、夢を見せられているかのような不思議なテンポに、監督のセンスがよく出ています。
そしていつの日か、芥川龍之介の短篇をオムニバス形式で映画化したらいいだろうなぁと感じました。それも抒情的に大真面目に。イチオシは『杜子春』。主役には『散り行く花』でチェン・ハンを演じたリチャード・バーセルメス似の美形を起用して…。誰か、このアイディア、イーモウ監督に伝えてくれないかな。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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