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2023.12.11

“Mattママ”桑田真紀「家族であり、チームであり、友人でもある関係」【全方位「推し活」力の磨き方 vol.6】

夫は野球界のレジェンド・桑田真澄氏、次男は現在アーティストとして活躍中のMatt Rose氏。専業主婦から一念発起し、公私ともに支える桑田真紀さん。 根っからの「応援体質」の真紀さんが、彼らの才能をどうサポートしているのか。真紀さんの「応援力」は、夫、子供、義理両親といった身内だけでなく、上司・部下・同僚やママ友、すべての人間関係の参考になるはずです。

絶対に裏切らない味方になる。それは自分たったひとりでもいい(3)

桑田真紀

東京都生まれ。航空会社CA、専業主婦を経て、現在は夫・桑田真澄(2024年より読売ジャイアンツ二軍監督)と次男・Matt Rose(アーティスト)のマネジメント会社を経営。趣味はゴルフ。著書に『あなたはあなたのままでいい 子どもの自己肯定感を育む桑田家の子育て』(講談社刊)がある

家族であり、チームであり、友人でもある関係

そもそも私たち家族、いえ、その原点である「夫婦」の出発点は、恋愛感情というよりも同志という感情が強かったのだと思います。
恋愛とか、家族とか、それすらも超えた結びつきがありました。

とにかく最初から大変でした。当時、本人の預かり知らぬところで何十億もの負債を背負ってしまった主人。同い年ですから私だって20歳なわけです。
知り合ってからずっと、私たちは完全に友人モードでしたから、「モデルさんとか女優さんとか、そういうキラキラした素敵な女性と結婚できたらいいんじゃないかな」なんて思っていたし、主人にも「そういう人が合うと思うよ!」なんて話していました。そのうち、借金問題という大変なことが出てきたので、主人と私の会話の内容は専らその話ばっかり。法律的なことや、どうやって返済していくのかなど、今思えば、金額のスケールも内容も、20歳そこそこの友人同士の会話というより、企業財務みたいなものですね。そもそも恋人同士ではないし、大ピンチを迎えた起業家と、その共同経営者みたいな関係でしょうか。

そう、まるで「同志」みたいな感じですね。どうするのがベストなのか、一緒に税理士さんに話を聞きに行ったり。少なくとも恋愛感情のようなものではなく、友人ではあるけど、それよりも強固で、もはや家族をも超越した結束力だったと思います。私にはとても手に負えない問題だったけれど、当時の主人には相談する相手もいなそう……。とはいえ、私は就職活動もあるし、そんなに時間は割けない。とにかく、不思議な関係でした。

どうしたらこの問題を乗り切れるのか。誰かがついていないと、きっと押し潰されてしまうだろう。私は力になりたかったのです。何とか助けたい。
誰に頼まれたわけでもないし、何もそんなことに関わらなくてもいいのに……と思いつつも、私の「応援団気質」が邪魔をするのです。
だから、恋愛の末に結婚したというより、「同志婚」という感じだと思うのです。

贅沢がしたいのではなく「応援」がしたい

「贅沢ができなからイヤだと思ったことはない?」と周りから聞かれたりもしましたが、答えは「一切ありません」です。そもそも、「贅沢とはどういうことなのか」もよくわからないくらい必死でした。きれいごとではなく、「家が借りられて、家族がみんなでいられたらそれが幸せ」と信じて疑いませんでした。

改めて思うに、私は本当に「応援したいヒト、モノ、コト」があれば幸せなのです。マネジメント会社の経営や、最近では化粧品会社の経営も加わり、夜中まで事務作業に追われることもあります。でも、仕事がイヤだと思ったこともないし、むしろ楽しい。自分のことではがんばれないけど、人のためだったら動けてしまうんですね。

今は音楽でがんばるMatt、ゴルフでがんばる長男、野球の現場でがんばる主人。みんながそれぞれの場所で輝いていてくれればそれが何より。自分のやりたいことをやっていてくれればそれが一番。イヤだなと思うのは、目標に向かってないとき。自分の本意ではない仕事をしてたり、彼ららしくないことをしているのを見るのがつらいのです。それが例えお給料がよくても、です。

自分が好きな事をやっている人、夢をもった人が好きなのかもしれない。今、強く感じるのが、応援され力を持っているというか、推され上手な人が、世の人々から注目されるということ。みんなが推したくなってしまう人が、たくさんの声援を得て、さらにパワーアップしていく。

私は、有名になる前の誰かを応援したい。一番最初に、一番前で応援したい。
自分に得意なものがなかったから余計にそうなのかもしれません。

結婚以前は全く興味がなかった野球も、子供たちを通して面白さを知りました。Mattが学生時代からのめりこんだ音楽活動を通して、楽器演奏の奥深さを知りました。芸能界だって、Mattに教えてもらったことだし、応援している家族を通じて新しいことを学べるのも本当にありがたいことだと改めて感じます。

私たち家族は、何かに向かって団結している状態が一番幸せで、それはもしかしたら家族という組織だけではなく、職場や地域や友人同士というコミュニティでも同じことなんじゃないか、と最近より強く思うのです。

桑田真紀【全方位「推し活」力の磨き方 】そのほかの記事はこちら

 

撮影/天日恵美子 ヘア&メイク/広瀬あつこ 構成/三井三奈子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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