内田有紀さん「いつでもちゃんと笑える自分でいられるように。明日の自分のために、“キレイの前祝い”」|美的GRAND
「いつもメイクを勉強している雑誌の表紙に出演できて光栄でした!」2年ぶりの登場で表紙を飾ってくれた内田有紀さん。今回の撮影では、「びっくりするくらい自然に笑えていました」。愛される人柄、心からの笑顔を生むのは、潤いに満ちた肌を育む努力と、自分への“おまじない”──。
メイクの色が力をくれる。肌が元気だと、自信をもって笑える
ベアトップ ¥40,700、カーディガン ¥106,700(メゾン・ディセット〈DAWEI〉) ピアス[右]¥195,800、ピアス[左]¥94,600、ネックレス ¥337,700、リング[右]¥344,300、リング[左]¥754,600(レポシ日本橋三越本店〈レポシ〉) スカート/スタイリスト私物
タンクトップ ¥36,300、ブラウス ¥133,100(マックスマーラ ジャパン〈スポーツマックス〉) ネックレス ¥434,500、チェーンブレスレット ¥140,800、バングル ¥2,310,000(ティファニー・アンド・カンパニー・ジャパン・インク〈ティファニー〉)
毎晩肌に語りかける。自分への言葉が気持ちを引き上げてくれる
カメラの前の内田さんに、10代の頃のイメージが重なった。久々のショートヘアが、ヘルシーな品を引き立てる。「肩を出した衣装も健康的に着こなせたり、メイクで思いきった色に挑戦しやすいのもショートヘアならではかもですね。普段は毛先を少し内巻きにし、軽く濡らしてセットしています。ヘアも清潔感や品をより意識するようになりました」
プライベートでのメイクにマンネリを感じ、40代になってからまた、雑誌や動画でメイクを学び始めた。「元気がないときは、メイクをしなさい」。落ち込んだときに母がかけてくれた言葉が、ふと蘇よみがえる。「口紅だけでも、つけると気持ちが上がりますよね。古くから、人は植物の染料などで肌を装飾してきましたが、魂を揺さぶられるようなエネルギーや生命力を色に感じていたのかもしれません。年齢を重ねる中で弱ったり、失う部分があるのなら、色の力で補うのも素敵な気がします。今はこの年齢になって、赤を楽しむ特権をいただいたような気がしていて、大人だからこその赤の使い方を模索中です」
色を楽しむためには、「素肌が整っていることも大切」。本誌でのナチュラルメイクは、ファンデーションをごく薄くつけ、後はほぼアイラインだけ。潤いに満ちた肌は自然な艶を返してくる。撮影中、内田さんはずっと楽しそうだった。「肌が元気だと自信をもって笑えるんです」と話すそのフェースラインやスタイルはスッキリ。耳の上の側頭筋をマッサージする。テレビを見るときは骨盤を立てて座り、手は下に伸ばし、小指が自分の前に来るように腕をひねって二の腕をシェイプする――。“ながら”での習慣で、緩みやたるみを「1日ごとにリセット」している。
「気になるところは変化が小さなうちに戻します。できればやりたくないのですが(笑)、私自身は努力なしでキープできることはないですし、体型などのラインが変わると自分に対して残念だと思うことが私を奮い立たせてくれています。時には緩むことも大事ですが、緩みっ放しにならないよう、緊張と弛緩(しかん)を繰り返しながらキープしていきたいですね」
ニット ¥165,000、スカート ¥97,900(イザ〈N21〉) イヤリング[両耳]¥247,500、イヤーカフ[左](右耳用)¥297,000、リング[上]¥429,000、リング[下]¥440,000(TASAKI)
体型キープにひと役買っているのが、ここ数年ハマっているというキャンプ。きっかけは、自然の中にいると台詞(せりふ)を覚えやすいと気づいたことだった。今では台本と、“ちょっといいお肉”を携えて行く。「キャンプ道具を逆手で運ぶことも筋トレになっているんです」。そう言って見せてくれた腕には、しなやかで美しい上腕二頭筋がついていた。「私はやせると不幸そうに見えるので、ぜい肉がついたら筋肉に変えるようにしていますが、キャンプでは薪を割ったり、日常ではしない動きが自然とトレーニングになっているみたいです。キャンプギアをそろえ、苦労しながらタープ(屋根)を張り、自然の中に心地いいスペースを作ると達成感や喜びがあって、不思議と気持ちが前を向くんです。そうやって楽しみながら充電をし、お芝居の準備をすることで、ストレスもたまらなくなってきた気がします」
そろそろ、頑張ることから降りたい――。そう思うグラン世代も多い。でも内田さんは「ちょっと頑張る」ことをやめない。自己を肯定できなかった30代を経て、今は楽しみながら前に進み続ける。俳優として充実の時を迎える中で、今秋から新しいスキンケアブランドのアンバサダーに。「この年代で声をかけていただけてありがたいですし、呼ばれたときにいつでも挑戦できるように、仕事でのインプットや自分自身へのケアをしていきたい。心はありのまま、でも、肌や体はちょっとの努力を続けていきたいですね。『頑張ったからこの服を着こなせた』と思える方が、幸せも大きい気がしますし。私たち世代が楽しむことで、若い世代にも年齢を重ねることへの幸せを高めていただけたらうれしいですね」
2年前のインタビューで、毎晩の「肌へのおまじない」について話してくれた。今も10倍の拡大鏡で自分の顔と向き合い、語りかける。「明日は今日よりキレイになっているよ」と。「いわば、“キレイの前祝い”なんです。暗示みたいに言葉にした翌日は、なんとなくいい感じになる気がするし、肌を愛おしむことで少しずつ自信にもつながる気がしています。仕事でも『いい芝居ができた!』と、前もって自分に言葉をかけています。思うように演じられないときでも、かけた言葉が私を前に引っ張ってくれるんです」
俳優としてのキャリアも31年目。10月からは、注目のドラマ『フィクサー』のシーズン3が始まる。陰謀渦巻く政治やメディアの世界を、自分の足でしっかりと、時にしたたかに、まっすぐに生きる女性を演じる。「役と自分を共存させながらしっかりと準備をし、キャラクターの軸を整えて演じていきたい。そういう当たり前のことを大事にしていきたいと改めて思います。先の目標を考えるより、目の前のことをひとつずつクリアにしながら挑戦をしていけたら」
決して器用な人ではないからこそ、自分で自分を励ましながら、愚直に、こつこつと日々を積み重ねる。その先に憧れるのは、「カッコよくて、かわいい人」。「頑張るときも甘やかすときもあるように、バランス良く生きていきたいです。美しさも、かわいさの中に芯の強さがあり、カッコよくてもかわいげがあるように、その両方をもつことが、しなやかな生き方につながるのかなと思っています」
私たちが日常を、自分自身を楽しむことで、年齢を重ねる幸せを感じてもらえたら
ベアトップ ¥40,700、カーディガン ¥106,700(メゾン・ディセット〈DAWEI〉) ピアス[右]¥195,800、ピアス[左]¥94,600、ネックレス ¥337,700、リング[右]¥344,300、リング[左]¥754,600(レポシ日本橋三越本店〈レポシ〉) スカート/スタイリスト私物
profile
うちだ・ゆき/1975年東京都生まれ。’92年に俳優デビュー。主な出演作にドラマ『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』シリーズ、NHK連続テレビ小説『まんぷく』、連続ドラマW『華麗なる一族』など。報道キャスター・沢村玲子を演じる連続ドラマW『フィクサー Season3』(WOWOW)が10月8日スタート。
『美的GRAND』2023秋号掲載
撮影/生田昌士(hannah) ヘア&メイク/岡野瑞恵(STORM) スタイリスト/宮澤敬子(WHITNEY) 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。