成田 凌さん「デビュー当時に先輩から言われた一言は一生忘れない」|ドラマ『転職の魔王様』スペシャルインタビュー
話題の俳優、成田 凌さんのデビュー当時の忘れられない出来事と演技で心がけていることについてお伺いしました。
転職は人生をより良くするためのもの。準備と鮮度と“かしわ手”で即戦力になる!
衣装/スタイリスト私物
「自分で考えるんだよ」。俳優としてデビューしたての頃に言われたことは、「一生忘れない」と言う。
「段取り中、監督にひとつずつ質問していたら、先輩俳優さんに言われました。自分で考えて仕事をするという当たり前のことに気づかされました。あのひと言があったから僕は仕事をして来られたと思います」
その経験も生きているのか、主演ドラマで演じる、求職者の心をへし折るような辛辣な言葉で“魔王様”の異名をもつキャリアアドバイザーの来栖役がハマっている。
「転職は人生をより良くするためのもの。相手を思うからこそ来栖の言葉も強くなるし、彼がつく本質が求職者に自信と希望を取り戻させるんですよね。僕が転職するとしたら…資格を生かして、地球に優しい美容師かな」
俳優としてのキャリアも10年近くたった今、いい意味で、「いろんなことが気にならなくなってきた」と言う。
「かつては、自分のことしか考えられていなくて周囲に迷惑をかけてしまいました。それは自信のなさの表れ。自信がないから過信だけで突破しようとしていて。でも、僕が言わなくても、たいていのことは解決されているんです。現場では皆がプロとしての覚悟を背負っていて、ただ気づくタイミングがずれただけだったりする。だったら僕は俳優部として芝居に集中しようと思うようになりました。できない自分をもっとさらけ出していたら、もう少し器用に進んで来られた気もします」
演者の原点に立ち戻り、「演じることが素直に楽しい」という姿には穏やかな貫禄が漂う。
転職・中途採用者には即戦力が求められるけれど、多彩な役を演じる俳優も同じ。即戦力になるために、日々準備を怠らない。
「でも、本番では準備してきたことを捨てて、鮮度をもって演じることが大事だと思っています。僕は時々、かしわ手を打つんです。除霊じゃないですよ(笑)。パンと手を打つと気持ちも場も一新されて、鮮度を保てる気がして。そうして丁寧に仕事をしていきたい。美しさも丁寧さだと思うんです。動作や言葉が丁寧だと人や自分にも丁寧でいられる。美しいってそういうことかなと思います」
It’s my it!
仕事前にサウナ
スイッチを入れるために行きます。仕事終わりにも。水風呂と繰り返しながら1日を振り返るうちに気持ちもスッキリ。
鍋からの豚汁
忙しいともっぱら鍋。きのこ類はとった方がいいので必ず入れます。残ったら具を全部入れて豚汁風にして、翌日の現場で食べます。
PROFILE
なりた・りょう/1993年埼玉県生まれ。2014年から俳優として活躍。主な出演作に、映画『スマホを落としただけなのに』『カツベン!』『コンビニエンス・ストーリー』、ドラマ『逃亡医F』など。出演する映画『こいびとのみつけかた』が10月27日に公開予定。
【Drama】『転職の魔王様』
パワハラで退職した未谷千晴は“転職の魔王様”の異名をもつキャリアアドバイザー・来栖嵐との出会いを通し、自身と向き合っていく。
出演:成田 凌、小芝風花ほか
毎週月曜22時よりカンテレ・フジテレビ系で放送中。
『美的』2023年9月号掲載
撮影/勝岡ももこ ヘア&メイク/宮本 愛(yoshine.) スタイリスト/伊藤省吾(sitor) 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。