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2022.12.31

松本若菜さん「期待を少しだけ超えて、いい意味で裏切る。そんな俳優になりたい」美的GRAND

遅咲きの花は大輪になるといわれる。38歳で連続ドラマに初主演し、ブレイク。 俳優としての居場所を見つけ、ゆっくりと自分を愛せるようになったとき、 ひっそりと咲いた花はひときわ明るく、温かな輝きを放った。

2022年 美しさも演技も最も輝いた女優No.1
松本若菜


新たな若菜劇場、開幕です!

まつもと・わかな
俳優。1984年鳥取県生まれ。美容部員などを経て、’07年にデビュー。’17年の映画『愚行録』で第39回ヨコハマ映画祭助演女優賞を受賞。以降、多くのドラマや映画に出演し、’22年はドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)での強烈な演技や、初主演ドラマ『復讐の未亡人』(テレビ東京)も話題に。後に江戸川乱歩となる平井太郎の活躍を描くドラマ『探偵ロマンス』(NHK/’23年1月21日スタート)に秘密倶楽部の女主人役で出演予定。


助演で評価されたことで俳優としての居場所を見つけた。何もない自分を受け入れたら、楽になった。


松本さん自身初の女性誌表紙撮影となったこの日、改めて、カメラの前と、素顔で話すときで全く変わらないチャーミングな表情と人柄に魅了された。

「今回は俳優としてや、美容ページに呼んでいただくときと違って、松本若菜としていただいたオファーで感激でした。素の私を見てもらえるよう、極力、何も考えずに臨みました。この感覚、初めてかもしれません」

仕事で大切なことは準備。それは私にとってのお守り

「1cmでもいいから、一歩ずつ前に進む」。毎年そう言い聞かせてきた。その一歩が「スキップになった」程、’22年は飛躍の1年だった。作品ごとに見る人を惹きつけ、連続ドラマに初主演。堅実にキャリアを重ね、38歳でブレイクした姿は同世代の希望でもある。

「今までなら考えられないような番手の役もいただけてうれしい反面、皆さんが思ってくださる私との間にギャップがあるような気もしているので、作品に丁寧に取り組んでいきたいです。環境も変わりましたが、38歳という年齢だからこそ、何があってもぶれない自分でお仕事ができる気がしています」

30代前半までを「人生の暗黒期」と言う。役がつかない、思うように結果が出せない中で、「やめて地元に帰ろうと思った」ことはいく度もあった。転機は33歳。映画『愚行録』で助演女優賞を受賞したことだった。

「主役や物語を肉づけしていく助演で評価をいただけたことがうれしくて、私がやりたかったのはこれだと気づきました。そして初めて、この世界で生きていいと居場所をいただけた気がしたんです。そうしたら欲がなくなって、SNSに上げるために無理に出かけていたようなこともやめました。何もない自分のままでもいい、役をいただける限り一歩一歩前に進んでいこうと思えたら、心も体も楽になりました。お仕事で大切にしていることは、何よりも準備。準備をすることで自信をもって、前向きに挑戦できる気がしていて。お守りのようなものですね」

強烈な役も多いけれど、素顔はおっとりとしていて、愛される人柄。撮影カットの美しさに編集部一同悶絶していると、「うれぴよです!」とはにかみ、周囲をふわりと穏やかに包み込む。その肌は、背中までまばゆい美しさ。肌の調子が変わってもうろたえずにケアができるのは、美容部員をしていた頃の経験によるところも大きい。

家でのひとり時間が幸せ。平常心を忘れずにいたい

「毎年、花粉症の時期は肌のゴワつきやくすみがひどいのですが、最近は調子がいいんです。お手入れで変えたことは、洗顔も保湿もこすらないことだけですが、肌の揺らぎが落ち着いてきたようです。マスクあれがひどく、クリームをたっぷりつけていたのに乾燥が悪化したときは、部分づけにすると改善しました。肌の声を聞き、自分に合う方法でいたわることが年齢肌には大事だと、改めて実感しています」

プライベートは「超がつくインドア派」。オフの日は家でひとり過ごすことがストレス発散になるという。

「猫とうたた寝したり、録りためていたドラマを観たり。洗濯が大好きで、ベランダに干した後、網戸から部屋にふわりと洗濯物の香りが漂ってくると幸せを感じます。レディオヘッドなどのUKロックをかけ、踊りながら料理する時間も好き(笑)。家での自分だけの時間が喜びなんです」

ささやかな幸せを楽しめるからこそ生まれる気持ちの余裕。それも、松本さんの美しさの源かもしれない。

「無理のない時間の流れ、そこに包まれたいと思うような空気感をもっている方は美しいなと思います。そのゆったりとした余裕は周囲への思いやりにもなっている気がして。そんな素敵な人に近づけるよう意識していることは平常心です。特に、怒りの感情はなるべくもたないようにしています。我を通そうとする怒りから生まれる幸せはない気がするので、常に平常心で、自分を見失わないようにしたいですね」

「実るほど頭を垂れる稲穂かな」。引く手数多の俳優となっても、その言葉を忘れないようにしている。

「オファーをくださる方を裏切らないように、一方では、『そう来たか!』と期待を少し超えられる、いい方向に裏切れるような結果を残していきたい。それが、今の私の目標です」

BEAUTY ROUTINES

□ 少し贅沢なアイクリーム

敏感肌でインナードライ。スキンケアは価格的にも無理のないものを選び、シワが気になってきた目元は少しいいクリームを使っています。

□ 朝はゆでたブロッコリー

オリーブオイルと塩で和えて食べています。時々、塩昆布やトマトを加えることも。腹もちが良くてビタミンもとれる、朝の定番です。

□ アイメイクは目尻をポイントに

黒目がやや内側に寄りがちなので、目尻に重心が来るようにアイラインを引いています。話題の中顔面短縮メイクも気に入っています。

□ 撮影中はアーモンド

空腹になると、撮影中もお構いなしにおなかが鳴ってしまうので、現場ではビタミンE豊富なアーモンドをこっそりとつまんでいます。

□ こまめにストレッチ

椎間板ヘルニアを患って以降、朝や隙間時間にイスを使ってストレッチ。体を動かすことが苦手なので、筋トレはシックスパッド頼みです。

□ 梅流しとバターコーヒー

流行りを試すのが遅くて、やっとトライ中! 梅流しは胃腸の調子が良くなりますね。ホットの小豆茶も体が温まるので続けています。

 

松本若菜さんが表紙に登場
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『美的GRAND』2023冬号掲載
撮影/中村和孝 ヘア&メイク/岡田知子(TRON) スタイリスト/カドワキジュン子(impress+)  構成/松田亜子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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