家庭用脱毛器でもプロ並みの効果が得られるってホント?真相をプロに直撃!【美容の常識ウソ?ホント?】
日々の生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は“脱毛”について。家庭用脱毛器でもプロ並みの効果が得られるって…ホント? 皮膚科専門医でありレーザーに関する知識も豊富な、自由が丘クリニックの松浦佳奈先生にお話を伺いました。
Q:家庭用脱毛器でもプロ並みの効果が得られるってホント?
近年の家庭用脱毛器の進化は目まぐるしく、ほぼプロ並みの効果が得られると話題に。これが本当ならば時間的にも金銭的にもうれしい限りですが、実際のところはどうなのでしょうか? さっそく、この疑問を松浦先生にぶつけてみました。果たしてその答えは?
A:ウソ
「まず”プロ並み”の基準をどこに置くかにもよりますが、医療脱毛と同等の効果を得られるかと聞かれたら答えはNO。毛根まで熱エネルギーを与える永久脱毛は基本的に医療行為なので、医師の診察・管理・監督のもとで行うよう厚生労働省より義務付けられています。
仮に、医療脱毛と同レベルの家庭用レーザー脱毛器があったとしましょう。レーザー脱毛とは本来肌トーンや毛の濃さに応じて医師が出力を変えて行うので、専門知識のない一般人が扱うにはリスクが高すぎます。毛根にきちんとレーザーが効いているか判断できず、出力を上げすぎてヤケドする可能性があるのです。そもそもレーザーで高い出力を出すためには機械自体もそれなりに大きさが必要なので、ご家庭で使うサイズ感で再現することは難しいのではないでしょうか。
家庭用脱毛器と銘打たれた製品は”脱毛効果”ではなく、一時的に毛を減らす”減毛効果”があるという認識が正しいかと思います」(松浦先生・以下「」内同)
セルフ脱毛サロンにもご注意!
「最近は定額制のセルフ脱毛サロンが流行っているという話を耳にします。おそらくエステサロンなどで用いられるフラッシュ脱毛機を取り扱っているのだと思いますが、ご自身で脱毛の施術を行うには様々な危険が潜んでいます。
まずは照射時のフラッシュによる目への影響。人体に悪影響を及ぼすものではないにせよ、黒目のメラニン色素に反応して痛みを感じることがあります。一歩間違えたら視力低下や失明のおそれもあるので、本来はゴーグルなどで目を保護して行うものです。
あとは脱毛器の照射面をしっかり肌に当てることの難しさ。照射面が肌から浮いたままでは熱エネルギーが分散し、広範囲にヤケドしてしまうことが! 自分で当てるときちんと肌に接触させるのが難しい箇所もありますし、効果にムラが出てしまうこともあるはず。
これらのリスクを考えるとセルフ脱毛サロンはオススメできませんね…。たしかに決まった金額で好きなだけ通い、自分の思うように脱毛ができるのは嬉しいことかもしれません。しかし万が一重度な肌トラブルが出てしまった場合、その治療に多くの時間とお金がかかると思います。確実な効果を望むならば安価で手軽な方法に頼らず、医師の診察を受けることのできる医療脱毛に通うほうが結果的にコスパが良いのではないかと思います」
◎医療レーザー脱毛
両ワキ 1回¥13,000、5回コース¥45,500
VIOライン 1回¥50,000、5回コース¥175,000
全身脱毛 3回コース¥249,600
※初診料は別途¥3,000
※価格は税別です。
取材・文/井上ハナエ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
皮膚科専門医。聖マリアンナ医科大学の皮膚科学教室で助教、皮膚科医長を務め、大学病院で培った知識と技術は折り紙付き。自身も美容好きということもあって美容皮膚科にも精通。明るく飾らない気さくな雰囲気は、悩める女性のみならず男性からも評判を得ている。現在、パソコンやスマートフォンを使ったオンライン診療も実施。
■ 自由が丘クリニック