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2023.3.9

ゲスト・RIKACOさん|作家LiLyの対談連載「生きるセンス」第5話「更年期の先にある、自由な世界」

その時々で訪れる人生の岐路。女性として、妻として、母として、社会の中のひとりとして、どうにもこうにも答えがでない時、先輩たちからの生きるヒントが役立ちます。憧れの女性とLiLyの対談エッセイ。【作家LiLy対談連載「生きるセンス」第5回ゲスト・RIKACOさん 】

「今、振り返ってみて、更年期について一つだけポジティブなことが言えるとしたら……。うーん、これは医学的根拠があるわけじゃないんだけど、私が勝手に行き着いた考え方なんだけどね……」
「……ッ?(気になる!!)」

RIKACOさんが話す
言葉の全てを聞き逃したくなくて
ずっと黙って聞き入ってしまったが、
ここでまた私は息をのむ。

「たとえ重い症状は変えられなかったとしても、人より更年期が重たい理由のほうを自分なりにポジティブに捉えていくという、私が勝手に行き着いた考え方だよ?」と前置きしてからRIKACOさんはクスッと笑ってこう続けた。

「あぁ〜、私はこれまで“すっごくオンナ”だったから、こんなに重いんだ〜って思うようにしたの(笑)。
ホルモンの分泌量がガクンと減ることで体調が悪くなるのが更年期だから、これまで(ホルモンが)すっごく多かったから今辛いのかぁ〜って、(勝手に)思うことにしたらちょっと救われたんだよねえ(笑)」

「……それ、今まで聞いたことがなかった
最高のマインドセットですッ!!!!」

私は、感動した。更年期がきて苦しくなった時には、私も必ずそう思うことにしようと心に決めた(笑)。
だって、うん。それしかない。“ああ、色気ムンムンだった反動がきているのだな、これは!”と、私も勝手に思い込むことにする。ホットフラッシュの症状などが出て、汗をかきながらどんなに辛い気持ちになったとしても、“ま、かつてHOTなオンナだった証拠ならば仕方がないか〜”と、少しはフフッと笑えそう(笑)。いや、むしろ、私のような人間にとっては、辛くっても仕方がないと思える世界唯一の理由だソレは……!(RIKACOさん天才!)。

更年期には漢方が良い、などの話は色々と聞いたことがあったが、ここまで参考になるマインドセット論は初めて聞いた!!
大喜びする私に「アハハ!」とRIKACOさんは軽やかに笑ってから、「しばらくは辛くても、閉経がきて落ち着いたらまたラクになるから大丈夫だよ」と優しく微笑んでくれた。

「これも個人差があるところだけど、私の場合はそれこそ閉経とともに性欲もなくなって、“オンナ”というところでのケジメがついた。もうそこじゃなくていい、とスパッと! 切り替わったというか。そこでスッキリと新しいステージに入った感じがしているの。

40代後半から50代に入ったばかりの頃は、更年期で体調が悪かったのもそうだし、立て続けに両親を失ったことでものすごく落ち込んでいたのね。両親がいなくなってしまったことで、思っていた以上にショックを受けて、ずっと心にポッカリ穴があいたような気持ちになっちゃって。しばらくは苦しんだし、すごくもがいていたの。でもそこから、53歳くらいでスーッと抜けた」

きっかけは、やはり最愛なる息子さんたちの存在だったという。

「両親を亡くしたことで帰る場所を失ったように感じたことで、今度は自分が息子たちにとっての帰る場所にならなくちゃいけないって思ったんだよね。もう二人とも大きくなって、子供の頃のように母親に手助けさせてくれないくらい自立しているから、良いことだと思う反面やっぱりもどかしさも寂しさもあるんだけど、ただいてくれるだけで息子たちの存在にはほんとうに救われている。もちろん、面と向かってそんなこと言ったりしないけどね?(笑)でも、実はすごく感謝している。

Youtubeも、長男に言われて始めたこと。メディアに出ている姿よりも、普段のお母さんのほうがずっと素敵だからもっと見せていった方がいいよって言われたの。更年期についてもオープンに話したら?って。
最初は、イヤだよ〜なんて言っていたんだけど、日本でももっと堂々とやるべきことだし、みんなが一番に求めていることだよ。それをやるのが母ちゃんでしょ?って。自分の経験を正直に伝えることで同じように苦しんでいる人の役に立てるよって言われてね。もう昭和じゃないんだから、自分で発信していくことが大事だよって。

そしたら実際に、Youtubeで発信するようになってから仕事の流れが大きく変わった。自分のライフスタイルブランドも、美容オイルの大ヒットをきっかけに大きく成長して。それこそ昔はモデルやタレントとして、クライアントの指示に従うような仕事がメインだったけど、今は自分が主導になって自分から生んでいく仕事ばかりになってきて。とても嬉しい変化だし、これからはもっと自由にやっていきたいと思っているの。

プライベートでも、息子たちが自立してしまったことに寂しさを感じながらも、今は一人でいることがすごくラクで。だって、とにかくこれまでが育児を最優先にしてきた生活だったから、やっと自分と向き合える時期がきた!って嬉しいの。

人に尽くしてしまうタイプだからこそ、恋愛も今はしたいとは思っていないだ。もちろんこれから変わるかもしれないけど、今はとにかく「一人」が「自由」で「ラク」。一人で温泉にも行くし、一人でご飯も行くし。思い立ったらどこにでも一人で行ける「勇気」を手に入れた今の自分は、大人になったもんだなぁ〜って思ってる。若い頃は、寂しがり屋だったからね(笑)。

60代からはもっともっと自由に生きたい。今はワンちゃんたちがいてくれるけど、さようならをする時がきてしまったら、そこからは私は一人で旅に出て、三ヶ月ごとに違う国に住んでみたりして、人間としてどんどん進化していきたいねぇ!」

次のライフステージの展望を語ってから、 RIKACOさんは白い歯を見せてクシャッと笑った。綺麗で、健康的で、爽やかな笑顔に見惚れてしまう。

RIKACOさんからハキハキと吐き出されるリアルな言葉たちは、最初から最後までピシッと一本筋が通っていた。RIKACOさんの話には、どこを切り取っても矛盾がない。これは実は、とても稀なこと。個性ともいうべき一つの才能だと思う。

もう18年ほどエッセイを書き続けているから分かるのだ。多くの場合、本音とは矛盾を孕むものだということが。特に私は、自分の性格からくる作風として、限界ギリギリのところまで事実にも自分の心にも正直になって文章を書いている。だからこそ、正直であればあるほど所々に矛盾が出てきてしまうのが人間の自然な姿であることを知っている。でも、RIKACOさんから感じるのは、潔癖レベルのクリーンさ。

「だからこそ人間関係において不器用なところもあると思う」とRIKACOさんは言っていたが、彼女のオーラの中にまである圧倒的な信頼感は、その矛盾のなさから生まれているようにも思う。

対談中、私はもちろんその場にいた全スタッフのハートにRIKACOさんの言葉は刺さりまくっていた。アドバイス内容の的確さだけでは、そこまで深くは刺さらない。「誰が言っているか」の部分はとても大きく、その前提条件となるのがその人の「人間性に対する信頼」なのである。

「RIKACO」を創るキーワードは「清潔感」と「信頼感」。内側から滲み出ている最大の魅力が「正直な心のまなざし」で、彼女の「愛情深さ」がそこに出る。

年齢を美しく重ねていくことは、簡単なことじゃない。「美は一日にしてならず」という言葉は、40代以降からどんどんその説得力を増してゆく。子供や若者は、朝起きた瞬間からもう既に美しかったりするからだ(笑)。大人は、そうはいかない。外見だけではなく、性格だってそう。“ひがみ妬み根性”は多くの場合年々悪化する。性格はどんどん顔に出る。生活はどんどん身体に出る。どんどんシビアな年頃なのだ。――なら、「どうすれば良いのか??」。

今回の RIKACOさんのお話は、そのヒントに満ちていた。何故ならRIKACOさん自身が、心も体も健康的に生きることの大切さを体現している綺麗なヒトだから。

「お土産を持ってきたの。もしよかったら使ってみてね〜! 本当にすっごくいいからオススメのオイルなの」

対談が終わると、RIKACOさんはなんと、取材現場にいた全員にプレゼントを用意して下さっていた。全員に、だ! 「え、私にまでいいんですか?」とみんなビックリしていた。香りのブレンドからオリジナルで作り、大ヒットしたという発酵美容オイルが2つにオリジナルのブラシまで入っている! めっちゃ嬉しい!!なんて太っ腹な……!! 担当ヘアメイクさんと一緒に手を取り合って、素で大喜びしてしまった(笑)。

この原稿を書いている途中にも、何度かそのオイルを手にとり、いい香りを吸い込みながら顔に塗った。オイルと並べて、頂いた可愛いブラシもベッドサイドに飾るようにして置いている。そこに書かれている言葉が目に入るたび、「未来へのテーマだ」と私は毎回優しい気持ちになって思っている。

真っ白なブラシには、
黒い文字でこう書かれている。

「LOVE GIVES LOVE」

RIKACOさんがつけたブランド名。
愛は愛を生む>><<愛情の循環。

それはまさに、この対談連載「生きるセンス」から私が学ばせていただいていること。先輩たちからいただいた愛情深いまなざしと未来の希望になる言葉たちを、私もこれから後輩たちに届けていきたい/届けることができるような人間に進化していきたい、と毎回対談が終わった後に強く、強く思うのだ。

いただいた愛のバトンを受け継いでいくことで、世代を越えて愛を循環させていきたい。小さなこと? そうでもない。人から人へと受け継がれていく愛情で、この世界はより優しい場所へと変わっていく。

PROFILE
RIKACO:タレント。,66年生まれ。横浜市出身。13歳でスカウトされモデルデビュー。その後、育児をきっかけにオーガニックアドバイザー、ビューティースーパーフードマイスターの資格も取得。フードやアロマを通しメッセージを発信している。YouTubeはこちら。 プロデュースするライフスタイルブランド「LOVE GIVES LOVE」のほかinstagram @rikaco_official も大好評。

LiLy:作家。’81年生まれ。神奈川県出身。N.Y.、フロリダでの海外生活を経て上智大学卒。25歳でデビューして以来、女性心理と時代を鋭く描き出す作風に定評がある。著作多数。instagram @lilylilylilycom noteはこちら

文/LiLy 撮影/太田隆生 ヘア&メイク/高取篤史(SPEC)(RIKACOさん)、伊藤有香(LiLyさん) スタイリング/鈴木仁美(RIKAKOさん)

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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