美的GRAND
健康・ボディケア・リフレッシュニュース
2025.12.19

北川景子さん「今日のケアが未来の自分につながる」スペシャルインタビュー|美的GRAND

ハイファッションに身を包んだクールな表情。かと思うと、時代劇では気品あふれる清せ楚な佇い。華やかな存在である一方で、もがき続けた日々がそのタイムレスな美しさを輝かせる。「ともに年齢を重ねていけることは希望」という多くの読者の声から、2025年の「美的GRAND ベスト・ビューティ・ウーマン」に。

EDIT: 美的GRAND編集部

美的GRAND編集部

美的GRAND編集部

2018年に小学館が創刊した大人世代向け美容専門誌『美的GRAND』の編集部。40代以降の女性が抱える美容やライフスタイルの悩みに寄り添い、ドクター、研究者、美容ジャーナリスト、エディターなど各分野のプロフェッショナルと連携し、スキンケアからメイク、ヘルスケア、ウェルネスまでを多角的に紹介。「年齢に抗う」というアンチ・エイジングではなく、年齢ととともに自分らしい美しさを積み重ねていくというポジティブな“ネオ・エイジング”を提唱し、信頼できる知見をわかりやすく発信することを心がけています。

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SOURCE: 美的GRAND2026年冬号

美的GRAND2026年冬号

2025年12月12日発売頃発売

12月12日美的GRAND冬号が発売します。 毎年12月は、この一年最も輝いていた有名人を 「美的GRANDベスト…

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北川景子 強さとはかなさのあわいに

シャツ¥352,000、イヤリング¥58,300、ブレスレット 各¥627,000(ジョルジオ アルマーニ ジャパン〈ジョルジオ アルマーニ〉) リング¥1,320,000(ミキモト)

モノトーンのルックでカメラの前に立つ。少し緊張した面もちながら、その肌は澄み、光をまとう。

「初めて出演させていただくので昨夜から緊張していましたが、緊張感が良い方に作用することもありますし、常に新しいことに挑戦していきたいので、ありのままで撮影を楽しみました」

常に新しいものを届けたい。問題を伝えることも使命

公開中の主演映画『ナイトフラワー』でも、新たな役への挑戦が注目を集めている。ふたりの子供たちの幸せのため、貧困生活から抜け出そうとドラッグの売人になる母親役。役を生き切るため、ほぼノーメイクで、カメラの位置も意識しすぎることなく臨んだ。その迫真の演技に、俳優としての覚悟を感じさせられた。

「プレッシャー以上に、私が売人の役を演じるとどうなるのだろうという楽しみの方が強かったです。今回演じた夏希は愛情深い母親で、子供たちを守るために必死で生きていますが、どんどん追い詰められていきます。子供たちのささやかな希望をかなえたいという思いには、同じふたりの子の母としては共感しかなかったのですが、夏希はどうすれば良かったのか、彼女を救うことはできなかったのか、答えが出せないままでした。でも、描かれている問題やそのリアルを作品を通して伝えることも、ショービズ界で生きる者の使命であると感じています」

放送中の朝ドラでは、物乞いに身をやつしながらも誇りを失わない武家の奥方を熱演。役幅の広さ、存在感に常に圧倒されるが、かつては、「仕事では焦ってばかりいた」。結果を出し続けなければという焦りから「休むことが怖かった」が、結婚・子育てを機に変化が訪れる。

「同世代の方々の活躍に刺激を受け、私には止まっている時間はないと焦っていましたが、マイペースな夫のおかげで考え方も少し力が抜けてきた気がします。何より、子育てが始まると経験したことのないような愛情や感情が生まれて。この人生経験がお芝居に生きるのかもしれないと思うと、子育てで仕事ができない時間は決して足を止めていることではないのだと気づかされました。ならば、隙間時間で映画を観たり、調べものをしたりと、チャンスをいただいたときにいつでも挑戦できる状態にしておこうと。そう思うと焦ることがなくなりました」
 
趣味の手芸では愛らしいポーチをはじめ、最近はパッチワーク風のブランケットを作った。

「姉弟で取り合いになるのでもう1枚作らなくちゃ」と微笑む、働く母親としての素顔に共感を覚える。

作品ごとに新境地を開拓し続けるその原動力は、「いつも新しいものを届けたい」という思いだという。

「いわゆる完全無欠の“バリキャリ”の役が続いて葛藤した時期も、何かひとつでも新しい一面や提案を見せていこうと試行錯誤していました。今は同時に、ひとつひとつの仕事に悔いのないように、全力で向き合いたいと思っています。そのためにも過程を諦めず、気づいたこと、違和感を覚えたことはすぐ相談するようにもしていて。それは、後から『あのとき誰かがこう言ったから』と人のせいにしたくないから。責任をもってお仕事をするためにも、話し合うことを恐れないことが、作品や支えてくれているスタッフを守ることにもつながる気がするので、自分がどう思われるかということは気にしすぎなくなりました」

寝る前の2〜3時間で気分転換。メンタルもぶれなくなった

意志のある凜とした人というイメージの一方で、迷い、悩み、戸と惑まどう。その揺らぎの深し淵で、北川さんの美しさはより鮮やかさを増していく。その艶やかさを支える肌や体のケアも欠かせない。

「今日のケアが未来の自分につながるので、風邪をひいたとしてもスキンケアは疎かにしたくなくて。それに、お手入れを続けていると安心や自信も生まれてくるんですよね。自分に対しても気は心というか。体型はあまり変わりませんが、長女を妊娠・出産後に体重が増えたときは、子供が寝た後にジョギングをして戻しました。今は週2~3回、30分程早歩きをし、週1回1時間はトレーニングを続けています。食事は、20代の頃はファストフードがあれば幸せでしたが、子供たちに3食しっかり用意をするうち、私の食生活のバランスも良くなり、体調の揺らぎも落ちついてきたように思います。気分転換は、子供たちが21時に寝た後の2〜3時間。その時間に向けて頑張っている部分もあるかもしれません。『撮影でいただいたどら焼きに合わせてほうじ茶を淹れよう』みたいに、その時間に食べるもの、飲むものを選ぶことから楽しいんです。夫がいればその日にあったことを話したり、ひとりのときは映画を観たり、手芸をしたり。今の方が時間の使い方にメリハリが出て、メンタルもぶれなくなった気がします」
 
美しさを感じるのは、信念をもち、自分の足で立っている人。40代を迎える自身の年齢についても、「時を止めるような年齢の重ね方はしたくない」と言う。

「シワも増え、頬もこけたりしますが、私は今の自分の方がいい感じになっているように思うんです。仕事は長く続けたいのでしがみついていきたいのですが(笑)、若く見えることにはこれからも固執しないと思います。シワひとつにも人生が刻まれるので、カメラの前に立つ自分にうそがないよう、自然に年齢を重ねていきたいですね。同時に、常に新しいクリエイティブを更新できるよう、前に進み続けていきたい。時代や社会にときに歩幅を合わせながらも迎合しすぎることなく、自分をどこかに押し込めすぎることなく。皆さんと共に40代もいろんなことに挑戦しながら、時には突拍子もないお芝居で驚かせたいなと思ったりもしています」

ドレス¥298,100(M〈アン ドゥムルメステール〉) ピアス¥1,980,000、ネックレス ¥3,630,000、ネックレス留金¥205,700、ブレスレット¥1,650,000(ミキモト) シューズ¥149,600(セルジオロッシ ジャパン)

結婚や子育てを経て、
すべてが自分の糧になると思うと
休むことは怖くなくなり、
仕事で焦ることもなくなった。
いつでも挑戦できる自分でいるため、
隙間時間で準備をする時間が楽しい。

スヌード¥79,200、ニット¥200,200、パンツ¥253,000(トム フォード ジャパン〈トム フォード〉) ピアス¥1,227,600、リング[右中指]¥2,600,400、リング[右薬指]¥803,000(いずれも予定価格/ブシュロン)

人のせいにしたくない。
自分がどう思われるかは気にならない。
信念をもち、自分の足で立ち続けたい。
話し合うことを恐れずに、
皆さんに楽しんでもらえるよう、
新しい挑戦を続けていきたい。

若い頃よりも今の自分の方が心地いい。
シワが増えても、
それなりの美しさがあると思うから
時を止めたような若さではなく、
自然に年齢を重ねていきたい。

Profile
きたがわ・けいこ
1986年兵庫県出身。2003年にモデルとして活動を始め、ドラマ『美少女戦士セーラームーン』で俳優デビュー。以降、主演作多数。近年の出演作に、映画『スマホを落としただけなのに』『約束のネバーランド』『ファーストラヴ』『ラーゲリより愛を込めて』、ドラマ『家売るオンナ』シリーズ、大河ドラマ『どうする家康』など。’25年は主演ドラマ『あなたを奪ったその日から』、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』での好演も話題に。映画『未来』が’26年5月に公開予定。

Information|映画『ナイトフラワー』
ふたりの子をもつ夏希は、蒸発した夫のせいで借金とりに追われ、上京。だが、必死に働きながらも貧困生活から抜け出せず、子供たちのため、ドラッグの売人になることを決意。孤独な格闘家の多摩恵をボディガードに、夜の街でドラッグを売り捌いていく……。
監督・脚本・原案:内田英治 出演:北川景子、森田望智ほか 公開中。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

EDIT: 美的GRAND編集部

2018年に小学館が創刊した大人世代向け美容専門誌『美的GRAND』の編集部。40代以降の女性が抱える美容やライフスタイルの悩みに寄り添い、ドクター、研究者、美容ジャーナリスト、エディターなど各分野のプロフェッショナルと連携し、スキンケアからメイク、ヘルスケア、ウェルネスまでを多角的に紹介。「年齢に抗う」というアンチ・エイジングではなく、年齢ととともに自分らしい美しさを積み重ねていくというポジティブな“ネオ・エイジング”を提唱し、信頼できる知見をわかりやすく発信することを心がけています。

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撮影: 藤森星児

ヘア&メイク: 板倉タクマ(nude.)

スタイリスト: 細見佳代(ZEN creative)

構成: 松田亜子

SOURCE: 美的GRAND2026年冬号

美的GRAND2026年冬号

2025年12月12日発売頃発売

12月12日美的GRAND冬号が発売します。 毎年12月は、この一年最も輝いていた有名人を 「美的GRANDベスト…

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