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2025.10.6

綾瀬はるかさん「日々のスキンケアは年々、シンプルになってきています」スペシャルインタビュー|美的GRAND

綾瀬はるか2割増しで満ち足りる。

年齢を重ねても変わらないチャーミングな笑顔。意志を感じる成熟した眼差し。撮影を楽しみながら、多彩な表情を見せてくれた。人生のひとつの節目となる年齢を迎え、愛される人は、より心のままに、自由になる。




「人と比べないこと」は、自分を自分らしく全うするということ。人目や未来の心配をしすぎるよりも、今を楽しんでいきたい。自分を幸せにできる人がカッコいい大人だと思うから。

タートルネックのスキンニット¥275,000/参考価格、チューブトップ¥275,000/参考価格、スカート/参考商品、ブーツ¥360,800(リシュモン ジャパン アライア〈アライア〉) イヤーカフ・左耳上『Antifer』(ダイヤモンド×WG)¥455,400、同・左耳下『Serti sur Vide』(ダイヤモンド×WG)¥3,509,000、同・右耳『Serti sur Vide』(ダイヤモンド×WG)¥634,700、リング・左手人さし指『Antifer』(ダイヤモンド×WG)¥2,464,000、同・右手中指『Serti sur Vide』(ダイヤモンド×WG)¥2,838,000(レポシ日本橋三越本店〈レポシ〉) ※WG=ホワイトゴールド

昨日より2割、栄養を多くとる。2割、丁寧にケアをする。2割増しでいいと思うと続けられる。シミやシワはできるのが自然なことだと受け入れると、変化に焦ることがなくなってきた。


レザージャケット¥1,128,600、リング『グリッターフラグメント ラージリング ローズピーチ』¥402,600、同『グリッターフラグメント リング ダークコーラル』¥314 ,600、同『グリッターフラグメント ダブルリング クリア/コールイエロー』¥349,800(ロエベ ジャパン〈ロエベ〉)

「宇宙」――。言われてうれしかった言葉を尋ねると、綾瀬さんはそう答えた。その理由に、思わず納得させられた。

スキンケアは年々シンプルに。ストレッチは15年来の習慣

「『はるかちゃんは宇宙だよね。枠がなくて可能性を感じるから』と周囲の人に言われて。まだまだ伸び代があるという意味だと前向きに受けとっていますが(笑)、言われてみれば、自分を型にはめたり、決め事を作りすぎることは、実は苦手かもしれません」

不惑を迎え、日常生活で意識し始めたことのひとつが食事のバランス。最近は日々の食事に魚料理が増え、ぬか床では季節の野菜を漬けているが、食生活でも“決めすぎない”のが綾瀬さん流。

「ぬか漬けは思い出したように食べるとすっぱくなりすぎていることもありますし(笑)、脂っこいお肉もお菓子も大好きです。これまでは体にいいものを取り入れても、栄養バランスまではなかなか気が回らなかったのですが、いい加減な食生活は疲れや免疫力低下などのダメージとして現れてくる年代になったので、まずは日々の食事の食材をカラフルにすることから始めました。彩りがいいと栄養バランスもとりやすいと聞いて。といっても、『昨日より2割、栄養が多くとれるように』くらいの意識でいます。その方が私は続けられそうですし、それ以上悪くなることはないかなと、都合よく考えているんです(笑)」

栄養も、丁寧さも、2割増しで。完璧を目指しすぎず、ルールを課しすぎず、緩やかに自分のペースで行うのは肌や体のセルフケアも同じ。無理せず、変化を受け入れるおおらかさも、15年間スキンケアブランドのミューズを務めている綾瀬さんが、美しさを更新し続ける秘訣かもしれない。

「20代の頃の方がお手入れに必死になっていたかも。今、日々のスキンケアは年々、シンプルになってきています。ステップは少なくても、頼れるアイテムがあれば充分。年齢と共にシミやシワが出
てくるのが自然なことだと思えるようになると、加齢による変化を恐れたり、必要以上に焦ることがなくなってきました。ただ、やっぱり疲れは出やすくなっています。撮影から帰ると疲れてベッドに倒れ込みがちですが、私の憧れでもある98歳の祖母は、常に私よりも元気でカッコいいんです。誰かと会う予定がなくても、『女の性(さが)だから』と、毎朝、開脚しながらメイクをしていますし。祖母みたいに生き生きとしていたくて、私もストレッチは15年程習慣になっています。寝る前に肩や足首を回してほぐし、その日の気分で選んだ精油でふくらはぎをマッサージするのも好きな時間。最近は、行けるときは週1でサウナにも。汗をかきにくい体質なので、代謝を上げるために行くようにしています」

今夏放送された主演ドラマ『ひとりでしにたい』は、独身生活を謳歌する39歳の鳴海が、両親や自分の終活に右往左往しながら向き合う物語で、グラン世代の注目を集めた。綾瀬さん自身も「どう生
スキンケアは年々シンプルに。ストレッチは15年来の習慣きて、どう死ぬか」を考える中、「人と比べない」という鳴海の言葉が印象に残っているという。

朝、布団を広げる瞬間が好き。感情が偏らないように本を読む

「“人と比べない” “ひとりで生きて、ひとりで死ぬ”ことは、自分自身を楽しんで、自分らしく自分を全うしようというメッセージなのだと感じました。私自身、周りが思う“いい生き方”を無意識に模索していたことや、将来を考えると不安になることもありましたが、どう思われるかとか、未来の心配をしすぎるよりは、鳴海のように人生も楽しもうと思っています。自分を幸せにできることがカッコいい大人の条件だと思うから」

主演ドラマのほか、今年は大河ドラマでは語りを、戦後80年の特番ではナビゲーターを務めた。特に主演ドラマでは、真骨頂のひとつでもあるコミカルな芝居を通して、観る側は忘れていたことに気
づかされ、助けられた。綾瀬さんが作品を通して伝えるメッセージは、心の柔らかいところに素直に入ってくる。そういう俳優は決して多くはない気がする。

「撮影中は、お芝居の答えが見えてこない自分に葛藤しますし、大事なことに気づくのが遅いのは今も変わりません。でも、こうして感想をいただけたり、作品を通して見てくださった誰かの心に何かを届けられることが、私のお仕事へのモチベーションなのだと思います」

1日を健やかに始めるため、目覚めると「かけ布団をパン! と広げてスッキリさせる」。視座を高めるため、心のひだを豊かにするために、これまで以上に本を読んでもいる。そんな綾瀬さんにとって上質なものとは、「愛情が込められ、手がかけられているもの」だという。

「ひとつひとつ思いを込めて作られたことが伝わるもの、作り手が思い浮かぶようなものです。和食で盛りつけの仕上げに添えられた山椒の葉のようなものも。それだけで豊かな気持ちになるし、その一手間は真心でもあると思うんです。周りにも自分にも、真心を込めて接することができる大人でありたいですね。最近は、読書量が増えました。Kindleで試し読みをする時間も好きです。特に絵本は、忘れかけている、小さくて大切なことに意識を向けさせてくれるんです。年齢や経験を重ねる中で当たり前に感じることも増え、感動の仕方も変わってくることがありますが、感情が凝り固まってしまわないように、どんな感情も受け止めて楽しめるように、読書を通して視野を広げていけたら。そして、私自身が作品から元気をもらい、大事なことを教えてもらってきたように、皆さんに素敵な作品を届けられるよう、日々の感情と丁寧に向き合える自分でいたいと思っています」

上質なものは、一手間をかけたもの。料理に山椒の葉をそっと添えるように、他者にも自分にも、真心を込めて接したい。

P.8〜9、15/レザードレス¥2,728,000、ブーツ¥475,200、ネックレス『ケリー・ガヴロッシュ』(ダイヤモンド×PG)¥5,632,000、リング・右手人さし指『ケリー・ガヴロッシュ』(ダイヤモンド×PG)¥1,771,000、同・右手薬指『ケリー・アルシミ』(ダイヤモンド×PG)¥1,026,300、同・右手小指『ケリー・アルシミ』(ダイヤモンド×PG)¥2,310,000(エルメスジャポン〈エルメス〉) ※PG=ピンクゴールド

Profile
あやせ・はるか/1985年広島県生まれ。2000年にデビュー。主な主演作に、ドラマ『精霊の守り人』『義母と娘のブルース』『天国と地獄〜サイコな2人〜』、大河ドラマ『八重の桜』、映画『海
街diary』『リボルバー・リリー』『ルート29』など。今夏の主演ドラマ『ひとりでしにたい』も話題を集め、現在放送中の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』では語りを担当している。

『美的GRAND』2025秋号掲載
撮影/尾身沙紀(io) ヘア/KANADA メイク/UDA(mekashi project)スタイリング/吉田 恵 構成/松田亜子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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