プロの極み! マリインスキー「白鳥の湖」鑑賞
美的.com「美的研究室」(リンク)でも紹介した、「白鳥の美女5人対決」。11月29日のテリョーシキナ姫の白鳥を観て参りました。
マリインスキーの「白鳥の湖」は何年か前に観たのですが、改訂振り付けというのは初めてでした。今や近年の定番になっているのだそう。
1幕目は宮殿内ではなく屋外の設定で、灯りを持ちながらの群舞が迫力あり。
2幕目の白鳥と王子のパ・ドゥ・ドウでも、王子の太ももの上で姫がポーズをとるという、アクロバティックなキメ場面。マリインスキーのすべてのダンサーが取り入れるわけではない、まさにデンジャラスでハイテクニックなものらしいです。コスチュームも豪華、舞台の細部に至るまで、本当に豪華。よくこれだけのものを日本に持ってきたなあと、感心しきり。まさに世界の最高峰(のひとつ)。
テリョーシキナ姫は、キリっと個性的な顔立ちなのですが、その超人的な動きから、「人間じゃない」気配に引き込まれてしまいます。ピルエット(回転)したり、飛んだり、筋肉を酷使するために力を入れなければ回れないのに、白鳥のはかなさを感じさせなければならない。真逆の事を同時に表現しなければいけないのですが、それが見事に・・・だからこそ「人間じゃなく」見えるわけですよね。
そして、完璧なまでの音楽との一体感! チャイコフスキーの音楽は、いつ聴いても素晴らしいのですが、その音楽の細部にぴったり動きを合わせているのです。ためを存分に作りながら、音のキメが動きのキメとぴったり合う快感…生オケの、生のテンポに合わせてそういう表現をできる人がどれだけいるか…。
マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』を観たときに感じたのと同じです。彼は、リハーサル映像なのに、ダンスの動きが音とずれないし、音程もはずさない。音のタイムラグが出やすいステージ上で、全くはずさないすごさ。テリョーシキナ姫の動きもそんな超一流の気配で、思わず鳥肌が立ちました。
マリインスキーの東京公演は12月11日まで。ぜひ、自分へのXmasプレゼントとして、鑑賞してみては?
■マリインスキー・バレエ:http://www.japanarts.co.jp/html/2009/ballet/mariinsky/index.htm
*text by 美的.com*
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