MEGUMIさんが語る、夏の美容のこと。「続けることで肌は絶対変わる。その喜びが心を変える」|美的GRAND
MEGUMI、めぐむ、めぐりあう 美容と私のいまとここから。
10年をかけて、あらゆる美容を試してきた。人生でいちばんつらい時期も、美容に助けられてきた。本気で取り組んだ美容を綴つづった著書はベストセラーとなり、「美のカリスマ」に。肌が変わると自分が変わる。そのことをいちばん体現している人。MEGUMIさんが語る、肌磨きと夏のメイク、そして、同じ時代を生きる女性への思い。
ジレ¥49,500、パンツ¥49,500(モールド〈チノ〉) 右のピアス¥83,600、左のピアス¥97,900、イヤーカフ¥51,700、バングル¥88,000(ヒロタカ 表参道ヒルズ〈ヒロタカ〉)
日々のスキンケアでシートマスクをルーティンにしている人は多い。そのきっかけは、「MEGUMIさんが続けているから」という人も。同じ美容を真似したくなる程、MEGUMIさんの肌はナチュラルに美しい。
続けることで肌は絶対変わるその喜びが心を変える
「鬼のように続けてきた美容のことを発信するようになってから、イベントでも80代の方が一生懸命にメモしてくださったり、行きつけのおにぎり屋さんの方が『シートマスクを始めたら3日で肌が変わってうれしい』と言ってくれたり。美容をきっかけに皆さんと同志感みたいなものが生まれたことはとてもエモーショナルな出来事でした」
美容に本腰を入れたのは30歳になる前だった。「スキンケアを手抜きしたツケ」から、肌あれにくすみ、くっきりと刻まれた法令線に悩まされた。隠そうとする程メイクは濃くなり、老け見えする悪循環。撮影も、人に会うことも嫌になった。見た目の変化で性格までネガティブになったことに衝撃を受け、一念発起。10年をかけて、1000以上の美容法を試してきた。
女優だからといって、だれかが肌をキレイにしてくれるわけじゃない。MEGUMIさんの美肌は、肌や体のことを学び、化粧品を試し、自分に合うケアや続けられる方法を見つけてきた結果。「美容を続ければ、肌は絶対に変わる」という言葉も、忙しい毎日では続けることの難しさもわかるからこそ、私たちはその美肌に憧れる。
「最初はキレイになりたい、モテたいなど、自分を“盛る”ことが美容の目的でしたが、年齢と共に、スキンケアは仕事や生活でいいパフォーマンスができるように、自分を整える時間へと変わっていきました。私にとって、キレイになることは豊かな人生を送るための手段なんです。肌が劣化した時期には性格もネガティブになりましたが、逆に肌が変われば、内面も前向きになれるということ。仕事や人間関係では、頑張っても自分ではどうにもできないことがありますが、美容を続けることで確実に肌は変わりますし、その喜びを積み重ねていけば、内面も確実に変わります。自分の幸せは自分で作っていくもので、その近道が美容だと思っています。私はグラン世代程、新しい美容にも挑戦してみてほしいと思います。スタイルが保守的になりがちな年代こそ、新しい自分への気づきが絶対にありますから」
多忙な日々で今、MEGUMIさんを支えるひとつが「運動」。忙しくても、「YouTubeを見ながら、5分でも10分でも体を動かすとモヤモヤが消えていく」。美容も運動も心の栄養――。そんな思いから、2冊目の美容本『心に効く美容』(講談社)では、心への効果を感じた美容を綴った。
トップス¥9,900(ル フィル ニュウマン新宿店〈ル フィル〉) デニム¥22,990(ネイヴ〈リネイヴ〉) イヤーカフ¥19,800(サラース) リング¥29,800(アフェクト) シューズ¥34,100(ベイジュ〈ピッピシック〉) バングル/スタイリスト私物
肌は美しいけれど、どこか寂しそうに見える――。そんな人を見かける度、35歳を過ぎると表面的なケアだけでは理想とする美しさにはたどり着けないことを感じるようになった。
究極につらい時期があった。これからは女性を応援したい
「生き様が顔に表れる大人程、心の中の不安やストレスなど内面のくすみが透けて見えてしまう。肌も心もケアして初めて自分らしい美しさが手に入るもの。でも、頑張る人程自分の痛みや弱さに気づかず我慢してしまう方が多いですよね。悩みや不安を抱えているとき、私は体が固まりがちなので温めてほぐしたり、それでもつらいときは臨床心理士やセラピストの方などプロにアドバイスを求めることもあります。肝が据わっている部分と、センシティブな部分の両極がある性格で、その気持ちの振り幅を飼い慣らす方法を知りたいと思ったことも、美容と向き合った理由のひとつでした。今はホルモンバランスも変わり、体もメンタルもゆらぎやすい年代なので、無駄に振り回されないように自分なりの対処方法や知恵を身につけたいと思っています」
肌が変われば、心も行動も変わる。それは仕事でもいい循環を生んでいる。今年は連続ドラマにも続けて出演。コミカルからシリアスまで幅広く演じ、公開待機作も控える。「ずっとやりたかった」俳優業でも活躍しているが、実は芝居の仕事は「10年なかった」という。
「全くお声がかからなかったんです。それでもいつかはと思ってレッスンを受けたり、小さな役にも挑戦したり、映画のプロデュースに挑戦してみたり。自ら動いてきたことが今、形になっている状況は本当にありがたいです。そう思うと、この10年は必要な準備期間だったのかもしれませんね」
仕事は順風満帆、美のカリスマとして圧倒的な支持を集める一方で、昨年、プライベートではつらいことがあった。自律神経がおかしくなり、食べられず、眠れず、仕事中にも涙が突然出てきた。得るものと、手放すもの。何かを得ると何かを失うのではなく、追加していけたらいいのに――。
「考えたら、今までの人生でも、ひとつ仕事が終わると新しいオファーが来たり、ちゃんと別れないと新しい出会いはなかったり、という経験をしてきたんですよね。ぬるっと捕まえておいたままだと次は入ってこない。吐きそうな程つらかったけれど、何かを手放すことは、私には必要なことだったのかもしれません。究極的に悲しい体験をしたおかげで、今、日々のごはんのおいしさや他者の優しさが身に染みますし、自分の弱さと共に生きていこうと思えるようになりました」
日本の女性の自己肯定感が低いことを知ったとき、共感を覚えた。「女性を応援していくこと」が、今の目標に。プロデュースする映画の制作も進み、今年のカンヌ映画祭での「JAPAN NIGHT」も主催。挑戦を続けるMEGUMIさんに「どうせ私なんて」という思いはない。
「40代は誰かのためになることの方が頑張れる気がするから、これから自分発信で行う仕事は、美容も含めて、女性が元気になれるようなヒントやエールを送れたらと思っています。挑戦を続けるのは、元ヤンだからか(笑)、やらない方がダサいという思いがあるのかもしれません。挑戦する怖さもありますが、確実に学びがあるし、失敗してもその経験値は絶対に次に生きる。そうしてトライし続けていたら、ありがたいことに賛同してくれる方が増えて映画制作が始動したり、スキンケアもプロデュースできたり。これからも、球は投げ続けていきたいですね」
美容は、美容好きな人のためのものではなく、日々を、人生を“善く生きる”ためのもの。人には見えない部分でのケアが、まだ見ぬ幸福な未来を呼び寄せる。
忙しい日々でほっとするのは、「何もしない日」。月1回でもそんな日を作るという。
「仕事も遊びも、あれもこれもと欲深いので日々せわしなく動いているのですが、どこにも出かけず、家で家事をして、自分のためにごはんを作って食べると、それだけでなんともいえない幸福感に包まれます。そうすると頭の中に余白ができて、やりたいことや、会いたい人が浮かんでくるんです。今は、動いて止まって、また動くというリズムがとても心地いいですね。他者を理解することができ、その思いやりや慈愛の深さが表れている表情が、大人の美しさであると思っていますが、それは、気持ちにも余裕がないとできないこと。肌と心のくすみを取って、自分らしくキレイでいられるように、これからも美容を続けていきたいと思います」
Profile
めぐみ/1981年岡山県出身。俳優、タレント活動のほか、映像プロデュースやカフェの経営など多岐にわたって活動。著書『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)はベストセラーとなり、放送中のドラマ『東京タワー』(テレビ朝日系)も話題に。『映画 おいハンサム!!』が6月21日に公開。
『美的GRAND』2024夏号掲載
撮影/土屋文護(TRON・人物)、池田 敦(CASK/静物) ヘア&メイク/加藤 恵 スタイリスト/斉藤くみ(人物)、洲脇佑美(静物) 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。