漫画『塀の中の美容室』と山田養蜂場のフェイスミストで、短時間で充実感アップ! 連載・薬剤師 津田マリエの“効く”漫画&コスメの処方箋
美的世代の女子は、恋に仕事にプライベートに、悩みやストレスもいっぱい。そんな沈んだ心をものの20〜30分で、スッと軽くしてくれる漫画をご紹介。この連載は、年間300本以上の作品を読む、薬剤師の津田マリエさんが、悩みや症状に合わせて“心が元気になる漫画とコスメ”を毎回処方。読んで、試して、心も見た目も引き上げちゃいましょう!
(C)小日向まるこ・桜井美奈/小学館
髪と一緒に、心まで軽やかにしてくれる美容室の話
「この漫画は2018年に双葉文庫から刊行された、桜井美奈先生の小説『塀の中の美容室』が原作。原作を書くにあたり、実際に受刑者が美容師として働く美容室のある刑務所を取材されているそうです。この漫画には原作にはない、漫画ならではのセリフもあるので、気になった方は原作小説と漫画をW読みするのがおすすめ。どちらから読んでも楽しめると思います。刑務所の美容室と聞くと、暗く重い話と思いがちですが、読むと胸に熱くなったり、最後には晴れ晴れとした気持ちにも。髪と一緒に、心まで軽やかにしてくれる美容室のお話です。1冊完結ながらも、内容が濃いので、読み終わった後の充実感もひとしおです」
処方箋No.33
・こんな症状におすすめ
時間がなくて長い漫画は読めない。
・処方マンガ
「塀の中の美容室」小日向まるこ、原作:桜井美奈(小学館)
・薬効
1巻で読んだー!という気持ちになれる。
・副作用
美容室に行きたくなる。
・何巻まで処方
1巻で完結。1巻だけでも読み応えあり!
・あらすじ
ある女子刑務所の中に、受刑者が一般客の髪を切る美容室があった。その美容室で働く美容師の名は小松原葉留。彼女は重い罪を犯していた。天井から壁まで青空で描かれたその美容室を訪れる者は、小松原がもたらす静かな時間にいつしか心が洗い流され…。ひとりの受刑者と、社会を生きる女性たちのあたたかな再生物語。
心にささる!元気になるPOINT
お客さんたちはなぜそこで髪を切るのか
「週刊誌の記者をしている芦原志穂は、激務で恋人ともなかなか会えない日々。そんな中、上司から女子刑務所内にある美容室へ、髪を切って取材をしてこい!と命じられます。聞けば、女性犯罪者にありそうな痴情のもつれなどのネタを拾ってこいというもの。
しかしその日は恋人の誕生日。志穂は出張で誕生日に会えなくなったと伝えると、恋人から別れようと連絡が。何がなんでも出張を断ればよかったのかという気持ちと、でもそんなことしたら会社で居場所がなくなってしまう…。そんなモヤモヤした感情を抱えたまま、たどり着いた刑務所内の美容室は、普通のお店と変わりない外観。
(C)小日向まるこ・桜井美奈/小学館
しかし美容室ではお金を取り扱っていないため先に支払いをすませたり、男性や保護者付き添いのない15歳未満の子供は入れなかったり、美容師との雑談は禁止だったりと(今回は取材なのでOK)、刑務所内にある美容室ならではのルールが多々。この美容室は、美容師の資格をとった受刑者に一般の方の髪を切る機会を作る職業訓練のためのものでした。
美容師の国家資格をとるためには、刑期がそれなりに長い受刑者でないととれず、何度も犯罪を繰り返しているか、重い罪を犯した人ということに。志穂は所長に”そんな犯罪者に刃物を持たせて、何かあったらどう責任を取るんですか?”とくってかかるが、所長は“会っていただければわかりますよ”と答えるのみ。いざ美容室に入ると、そこには天井一面に青空が!
(C)小日向まるこ・桜井美奈/小学館
美容室で唯一の美容師である小松原葉留はとても物静かな美人だった。鏡で自分を見た時に志穂は彼と付き合ってから全く髪を切ってないことに気づき、彼と付き合ってから伸びた分だけカットすることに。小松原に髪を切ってもらいながら彼との過去を思い出し、泣いてしまう志穂。
“仕事とか人間関係とか…。いろいろちょっとうまくいっていなくて。”と言うと、志穂に対し小松原は”何もかもうまく行かない時に1度に全部考えると、余計にこんがらがってしまったりして…。とりあえずひとつだけ決めて頑張ってみたら、他のこともまた連鎖していい方向に向かうような…そんな気がします”と。
(C)小日向まるこ・桜井美奈/小学館
そして髪をばっさり切り、心機一転した志穂が書いた記事のタイトルは“心が軽くなる美容室”。最初は受刑者がハサミを持つことに嫌悪感すらあった志穂ですが、小松原が醸し出す空気感や、彼女が紡ぐ言葉で元気になり、すっかり偏見がなくなっていきました。人と初めて合った時に自分の先入観は脇に置いておき、きちんと目の前の相手をみて話すことがどれほど大事なことか考えさせられることに。
世間的に見て順風満帆でない人が不幸であるとは限らないし、いつも笑顔の人が何も悩み事がないなんてありえない。みんなそれぞれ他人が想像もつかないような境遇でそれでも懸命に生きているのかもしれません。外から見たイメージと、実際に中をみて感じるものはだいぶ違うのだから。この美容室のように」
お客さんの数だけ人間ドラマがある
「ある日美容室に髪を切りにきたのは、枝毛や切れ毛がないきれいな髪の若い女の子。髪のモデルをしていたが、もう辞めるからバッサリ切ってほしいとリクエスト。実は彼女は抗がん剤治療が始まるため、髪を切る決意をしてきたのでした。”過去を忘れようとして髪を切る人がいます。過去を…忘れないようにと髪を伸ばし続ける人もいます。”“大切に積み上げてきたことまで、捨てることはないと思います”と小松原は切った髪をウィッグにしたらどうかと提案することに。
(C) 小日向まるこ・桜井美奈/小学館
この漫画の語り手は受刑者の小松原ではなく美容室に来る客たちや刑務官なのです。なのでその人にどういう事情があって、なぜこの美容室にきているのか、この美容室にきてどんな心境の変化があるのかは様々。刑務所の中の話だけではなく色々な人間ドラマを垣間見えるのがとても魅力。
美容室や美容サロンに通うのはもちろんキレイになるためですが、そこで美容師さんや施術をしてくれる人とただ黙って接したり、話しをすることで気持ちが軽くなったり、リフレッシュしたりすることも多いかと。この漫画を読むと、つくづく美容や接客の仕事に関わる人は、自分と関わった人の心が軽くしてくれたり、元気をくれる。私も美容に関わる仕事をしているので、これこそが仕事をしている上で、最大の醍醐味だなと思うのです。
また話は美容室に通うお客さんたちから、小松原の家族の話へ展開していきます。彼女はなぜ罪を犯し、これからどんな生き方をするのか。1巻で完結ではありますが読み応えがあり、終わったあとの爽やかな読後感はぜひ体験していただきたい! 長い漫画を読むのが苦手な方でも”読んだー!”と思えるのでおすすめです」
マスクの肌あれや乾燥対策はもちろん、顔を清潔にキープ
コロナやインフルエンザなど、まだまだ対策が必要な時期。新生活様式では、一日中マスクをつけっ放しという人も少なくないはず。そして、1日何度も行うのが消毒と手洗い。海外のデータによると「人は1時間に平均23 回、手で顔を触る」のだそう。そのため、顔もしっかり清潔に保つこと重要とのことで、今回は顔を心地よく包むフェイスミストをご紹介します。
ミツバチの恵みと植物エキスで守り抜くフェイスミスト
山田養蜂場 ウィルスキンクリア フェイスミスト 60ml ¥2,500
ミツバチと植物の“守るチカラ”を凝縮した独自のウィルスキンクリア処方を搭載したフェイスミスト。メイクの上からシュッと吹きかければ、いつでもどこでも潤い補給が可能。ローズウォーターが配合されているので、ローズの香りがふわり。マスクあれ対策にも◎。
【プロフィール】
漫画を処方してくれたのはこの方!
◆津田マリエさん
ドクター津田コスメラボCEO。皮膚科医の母を持ち、幼い頃から美容に馴れ親しむ。また、薬剤師の免許を持ち、インナービューティにも精通。インスタグラム(@marie_tsuda1079)でも、日々美容情報を発信中。
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。