すさんだ心を軽くしたいなら…漫画『ミステリと言う勿れ』とドゥーオーガニックのアロマソルト！連載・薬剤師津田マリエの“効く”漫画＆コスメの処方箋

美的世代の女子は、恋に仕事にプライベートに、悩みやストレスもいっぱい。そんな沈んだ心をものの20〜30分で、スッと軽くくれる漫画をご紹介。この連載は、年間300本以上の作品を読む、薬剤師の津田マリエさんが、悩みや症状に合わせて“心が元気になる漫画とコスメ”を毎回処方。読んで、試して、心も見た目も引き上げちゃいましょう！

（C）田村由美／小学館

心を読んで、スッと入ってくる言葉の数々にハマる！

「お悩み解決でスッキリ爽快！という感じのミステリーではなく、主人公はかなりマイペース。独特な空気感を放っているけれど、彼が放つ言葉は、心にストンと落ちていくのがスゴイ。悩み相談したときに、こんな風に答えてほしい、恋人や旦那さんにズバリこう言ってほしいという言葉を言ってくれるので、恋人や旦那さんにもついつい読ませたくなってしまいます」

処方箋No.16

・こんな症状におすすめ
男社会で頑張っているけど「女だから」となめられていてイライラする。子育てや家事に対して「参加する」「手伝う」という言葉を使う男性にモヤっとする。

・処方マンガ
「ミステリと言う勿れ」田村由美（小学館）

・薬効
すさんだ心が軽くなる。

・副作用
心がすさむ原因を作った相手にも、この漫画を読ませたくなる。

・何巻まで処方
ひとまず3巻まで。ミステリーものによくある事件解決が次巻なので、1巻読んだら2巻が読みたくなるし、2巻読んだら3巻が…とエンドレス。でもご安心を！まだ6巻までしか出ていないので、全巻いけますよ！

・あらすじ

『BASARA』『7SEEDS』でも有名な田村由美先生の、待望の新シリーズ！主人公は謎めいた青年、久能整（くのうととのう）。ボリューミーな天然パーマが印象的な大学生。冬のある日、アパートの部屋で整がタマネギをザク切りにしていると、警察官がやってきてくるところから始まります。突然任意同行された整は、近隣で起こった殺人事件の容疑をかけられることに…。しかもその被害者は、整の同級生。次々に容疑を裏付ける証拠を突きつけられた整は、冷静かつマイペースな発言で事件を解決していく、新感覚ストーリー！

心にささる！元気になるPOINT

まるで代弁者！？

（C）田村由美／小学館

容疑者として事情聴取された主人公の整。気がつけば、なぜか警官たちの悩み相談を聞く立場に。出産したばかりの奥さんと喧嘩した巡査の池本は、いつもイライラして当たってくる奥さんのことを整に愚痴ります。「そりゃ忙しくて帰れない日もあるけどさ、なるべく育児に参加しようと思ってる。手伝ってるつもりなんだけど」と。

それに対し整は、「お子さんを奥さんの付属物だと考えてないですか。だから参加するとか手伝うなんて言葉がでるんじゃないですか。子供を産んだら女性は変わるって言いましたね。当たり前です。ちょっと目を離したら死んでしまうような生き物を育てるんです。問題なのはあなたが一緒に変わってないことです」と答える。それを受け、家事に取り組む姿勢が変わった池本巡査にもよい風が！ さまざまな人の悩みに対する整の言葉がスッと胸に入ってきてストンと落ちる感覚がなんとも言えず、ジーンときます」

（C）田村由美／小学館

「男社会でなめられていると悩む風呂光巡査は、飼い猫が亡くなってしまい、気持ちが落ちているのを、すかさず整が気がついて。これまた、心が潤う言葉を投げかけてくれるのです。男社会働く人や子育て中の人に、ぜひ読んでいただきたい作品です。思わず、そうそう！そうゆうこと！と声を大にして言いたくなります」

まさに、新感覚のミステリー！

（C）田村由美／小学館

「タイトルが『ミステリと言う勿れ』なのに言うのもなんですが、ミステリーとしても最高に面白い！突然巻き込まれたバスジャック事件を解決したり、新幹線で隣りに座っていた女性の手紙の暗号を解いたり。整はさまざまな事件を解決していきます。その人の細かい仕草や言葉から犯人を突き止め、探偵顔負けの推理を披露。しかし、ただのミステリーではなく、その独特な説法で事件の関係者や犯人の心に影響を与えていくのも見どころ」

（C）田村由美／小学館

「ちなみに私が一番好きなのは「“女の幸せ”とかにもだまされちゃダメです。それを言い出したのは多分おじさんだと思うから。女性をある型にはめるために編み出された呪文です。自分の中から出てきた言葉を使ってください」という整の発言。作者の田村先生の先品は、以前にこちらの連載でもオススメした『7SEEDS』などメッセージ性のある骨太な作品が多いのですが、この『ミステリと言う勿れ』も田村節が効いていて、説教臭くないのに心にズシっとくる名台詞が多いのが、最大の魅力だと思います！」