学生時代よりタニタの体脂肪計開発プロジェクトチームに参加。世界初の乗るだけではかれる体脂肪計をはじめ、体組成計、活動量計などの回帰式や判定アルゴリズムを開発した。栄養士の資格を持ち、技術開発研究者と栄養士の二つの視点から健康とからだに関する講演の講師も行っている。
カロリー制限よりも、糖質オフの方が効果的ってホント?真相を専門家に直撃!
日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“ダイエットとカロリー”について。カロリー制限よりも、糖質オフの方が効果的って…ウソ? ホント? タニタ開発部主席研究員で栄養士の西澤美幸さんにお答えいただきます。
Q:カロリー制限よりも、糖質オフの方が効果的ってホント?
ここ最近、巷で話題を呼んでいる“糖質オフダイエット”。食事の際は、摂取カロリーよりも糖質量をチェックしているという人も多いのでは?
さっそく、この疑問を西澤さんにぶつけてみました! 果たして答えは……?
A:半分ホント、半分ウソ
「糖質とは、炭水化物の中から食物繊維を除いたもののこと。腸内環境によい食物繊維はしっかりと摂りつつ、摂りすぎると脂肪となってたまってしまう糖質を控えめにする食事調整が“糖質オフ”です。
短期で成果を出したい場合、数日間だけ糖質を控えめにするというのは効果があります。摂取カロリーを減らすよりも早く、脂肪燃焼を起こすスイッチが入るので、体重が減ってきた!という実感はしやすいかもしれません。
しかし、誤った糖質オフダイエットにより、糖質さえ抜いておけば、脂や肉を好きなだけ食べてよいというのは誤解です。質のよい脂質ではなく、肉やバター、ラード、乳製品などの動物性脂質を摂り過ぎてしまうと、血液が濃くなり、血管が詰まりやすくなってしまうのです」(西澤さん・以下「」内同)
やり過ぎは危険!糖質オフのデメリットとは…
「長期間糖質を抜いてしまうと、体の腸内細菌のバランスが崩れ、便秘、肌荒れ、太りやすくなるなど美しさを損なってしまいがち。さらに、体調が悪くなってしまうといった悪影響を及ぼすことも……」
期間限定にするべし!糖質オフを成功させるコツ
「糖質オフダイエットをするのなら、数日間だけと期間限定にしましょう。糖質オフで助走をつけたあとは、良質な炭水化物のセレクトへシフトチェンジして。1食あたり40g程度の糖質量に抑えるように心がけ、質の高い炭水化物を食べ過ぎず、バランスよく摂取していくという長期戦略に切り替えていくのがおすすめですよ」
質のよい炭水化物+脂質がポイント!
「健康的な糖質オフダイエットの場合、質のよい炭水化物と脂質のバランスを意識して。全粒粉や玄米など、精製されていない穀類や豆類を中心に、脂質のセレクトも重要です。例えば、お肉の脂は常温だと固まっていますが、このままだと血管に詰まりやすくなってしまいます。
脂質を摂るときには、できればDHAやEPAなど液体状の脂や、亜麻仁油などのオメガ3、オリーブオイルなどのヘルシーな油を摂るようにしてみてくださいね」
文/木土さや
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