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2025.12.25

“Mattママ”桑田真紀「年末年始の”やらねば”に縛られないで」|美的GRAND 連載 vol.21

夫は野球界のレジェンド・桑田真澄氏、次男は現在アーティストとして活躍中のMatt Rose氏。専業主婦から一念発起し、公私ともに支える桑田真紀さん。根っからの「応援体質」の真紀さんが、彼らの才能をどうサポートしているのか。真紀さんの「応援力」は、夫、子供、義理両親といった身内だけでなく、上司・部下・同僚やママ友、すべての人間関係の参考になるはずです。

伝統的な年末年始に縛られるのではなく英気を養う時間に

桑田真紀
東京都生まれ。航空会社CA、専業主婦を経て、現在は夫・桑田真澄(オイシックス新潟アルビレックス・ベースボール・クラブCBO、元読売ジャイアンツ二軍監督)と次男・Matt Rose(アーティスト)のマネジメント会社を経営。趣味はゴルフ。

「非日常」ではなく「日常を過ごす」年末年始

年末年始が近づくと、「今年はどう過ごそう」「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と、少し気持ちがせわしなくなる方も多いのではないでしょうか。大掃除、おせち、年越しそば、親戚への挨拶……。日本の年末年始には、昔から続く“正解”のような形がたくさんあります。

でも私は、結婚してからずっと「こうでなければいけない」という年末年始を、あまり過ごしてきませんでした。

なぜなら夫は、いわゆる「THE お正月」をあまり好まないタイプ。
「明けましておめでとう」という区切りすら、あまり意識したくない人なんです。野球の世界にずっと身を置いてきた人なので、年が変わろうとも生活のリズムに変化なし。オフと言いつつ、結局は自主トレをしている。そんな日常の延長線に、年末年始がある、という感覚なのかもしれません。ずっと野球中心の生活で、甲子園や合宿、チームの予定で動いてきた人。社会的な行事に自分を合わせる、という発想があまりないのかもしれません。

そんな夫のペースに合わせる形で、子どもたちが小さい頃から、年末年始を海外で過ごすことが恒例となりました。行き先はハワイかオーストラリア。どちらかというと、「どちらにするかを決める」というより、その年の状況次第でしたね。

ハワイは当時まだ物価も今ほど高くはなく、ゴルフをする夫にとっても都合がよかった。オーストラリアは時差がほとんどないので、子どもたちの体への負担が少ない。特にケアンズは、日本人が多すぎず、自然もあって、プールや動物園でのんびり過ごせる場所でした。暖かい場所で、できるだけ長く滞在して、特別なことをするというより「普通に生活する」。買い物をして、走って、食事をして、眠る。ただそれだけ。でも、日本にいるとどうしても、電話や宅配便、人の出入りなど、“用事”が入り込んできますよね。その距離を、少しだけ置くための海外でした。「行かなくてもいいけれど、行ったほうがいいのかな」と思うお誘いも次々と出てきます。結局お付き合いが忙しく、ちっとも休めなかった……なんてことになりがちなのが目に見えているから、この時期だけは失礼してひと息つく。それが、私たちにとっての年末年始の習慣なのです。

とはいえ、大人になった今は、家族それぞれに仕事があり、全員が同じ期間休めるわけではありません。現地で合流したり、短期間だったり。その時その時に合わせて、コアタイムというか「この期間はみんな重なるね」という期間をつくり、無理のない形を選んでいます。

だから、おせちも基本的には作りません。「え? それでいいんですか?」と言われるのですが……ずっとそうなんです。最近では手作りというより、買ってくるという選択肢もメジャーになってきましたが、我が家はそれすらしないんです。黒豆や栗きんとん、かまぼこくらいでしょうか。夫が大好きなブリだけは、帰国してから用意します。少し濃いめに塩をして日持ちさせる、2センチくらいの厚めのブリ。これがあると、本人は満足なようです。「おせちドーン!」という感じではなく、好きなものがあればそれでいい。年越しそばも、「あれば食べる」くらい。全部がマストではないんです。

もちろん、行事を大切にしたい方、区切りをきちんと感じたい方は、それでいいと思います。大掃除もおせちも、「やりたいからやる」のはとても素敵なこと。でも、「やらなくちゃ」に押しつぶされてしまう必要はないんじゃないでしょうか。

「やらなくちゃ」を手放し、休める時に休むことが大事

大掃除も同じです。
我が家では、毎年12月に換気扇と床だけ、プロの業者さんにお願いしています。換気扇の中はやはり素人では難しいですし、床も特殊な素材なので、専門の方に任せたほうが安心。窓拭きは家族総出でやりますが、全部を自分で背負わない。それだけで、年末がずいぶんラクになります。普段からちょこちょことやっているのですが、それでも汚れは溜まるもの。メンテナンス業者さんは家を建てた時に紹介されたところですが、長年お願いしているのでうちの汚れやすいところなど勝手もわかってくださっているのもラクな理由かもしれません。「ここ!」という業者さんと巡り合えたらラッキー。毎年の年末年始の心配ごとがひとつ減ったと言っても過言ではないくらいです。

年末年始は「休むためにある時間」だと、私は思っています。
とはいえ、この時期もお仕事をされているエッセンシャルワーカーの方々がいることも、忘れないようにしています。誰かが働いてくれているから、私たちは休める。そのことへの敬意と感謝は、いつも心に留めていたいのです。

だからこそ、休める人は、遠慮なく休みましょう。英気を養うことは、決して怠けることではありません。親戚の挨拶がしんどいなら、無理に行かなくてもいい。年末年始の過ごし方も多様性でよいと思うのです。

桑田家には、特別な年末年始の行事はありません。でも、「この時期は、なんとなく一緒にいる」という暗黙の了解があります。それぞれ自由に過ごしていても、同じ空気の中にいる。その連帯感が、今の私たちにはちょうどいい。

私自身は、子どもの頃、祖母や母と姉と一緒に、大掃除をして、おせちを作って、紅白を見て……という典型的な日本の年末年始も経験してきました。どちらが正解ということはありません。ただ、今の自分に合う形を選べばいい。

年末年始は、誰かの期待に応えるための時間ではなく、自分のための時間。
「こうしなきゃ」を手放して、「どうしたい?」と自分に聞いてみる。今年はそんな年末年始を過ごしてみませんか。

Maki’s きれいの素

15年前に建てた家は、まめにメンテナンスしています。新築当初からのお付き合いの業者さんは、ハウスメーカーさん提携のところ。建材やその特性を熟知しているので安心です。

ハレクラニベーカリーは、6時半開店。現地のコーヒ豆で挽いた1杯に合わせるために、朝いちばんで買いに行きました。今年は雨続きで、なかなか大好きなゴルフに行けないのが残念です。

今月は誕生日。お気に入りの渋谷区のイタリアンレストランでお祝いディナー。何年かぶりに伺いましたが、期待を裏切らないおいしさでした。イタリアのワインが豊富なお店です。

桑田真紀【全方位「推し活」力の磨き方 】そのほかの記事はこちら

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

撮影: 天日恵美子

ヘア&メイク: 広瀬あつこ

構成: 三井三奈子

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