河合優実さん「自分の心地よさや価値観を大事に日々を送りたい」|映画『ルックバック』スペシャルインタビュー
6月28日公開の映画『ルックバック』にて藤野の声優を務める河合優実さん、実は声の芝居は初めてだったそう。声の演技の難しさや、好きなメイクやファッションのお話を伺いました。
ロリータファッションを着たことで、私服が少しかわいくなりました
21年に配信されると「すごいものを読んだ」と瞬く間にバズった漫画『ルックバック』。それは、藤野と京本との、かけ替えのない友情と成長の物語。原作を読んでいた河合さん、劇場アニメのオーディションを受け、藤野の声を務めた。
「原作は、台詞がないシーンでもこんなに感動させることができるのだと衝撃を受けた作品で、ぜひ声優として参加したいと思いました。私が演じる藤野は、京本と出会っていなければ、人生をこじらせていたかもしれません。そう思うと、人と関わり、友情を育めることはとても幸運なことなのだと感じました」
とはいえ、初挑戦となる声の芝居はとても難しかったそう。
「映像のお芝居での自由に泳げるような感覚がなく、声の技術より、普段のお芝居同様に感じたことを大切にして演じました。そこしか頼るものがなかったというのが正直なところです。数日間の収録中、未経験のスポーツをやり切った感覚でした。多彩な声を自由に出し入れできる声優さんは本当に尊敬します」
演じるどんな役にも魅入らせられる。主演作が続く中で、「役や作品を全力で演じることには誰よりも真剣でありたい」という河合さん、資生堂のアンバサダーにも選ばれた。メイクも好きで、今は「リッププランパーが気になる!」そう。
「ファッションやメイクは自分の内面のいちばん外側で、思いを表現する言葉のようなものだと思うので、メイクで顔にないものを足すとか、嫌いなところを隠すよりは、肌や体など自分の土台を整えたいと思っています。だからといって、何かを節制したり、無理してやることはあまりないです。誰かの美の基準のためにキレイでいなくちゃというのが苦手みたいです…」
作品と真剣に取り組みながらも、目指すのはトップ俳優になることよりも、「豊かな人生を送る」こと。
「経験を重ねているからこそ人に優しくできるし、その内側の美しさを感じる方は素敵ですよね。何かを選択するときに自分や周囲が幸せだと思えるような選択をしていきたいのですが、忙しいと余裕をなくし、そういう基準も狂いがちなので、自分の心地よさや価値観を大事に日々を送れたらと思っています」
She is into…
サウナが好き
まだサウナハットももっていないのですが、よく行きます。街の銭湯も大好きです。
ウォーキングとバレエ
ウォーキングは健康のために。今年からクラシックバレエも始めました。体をいつでも思うとおりに動かせたらなと思っています。
Movie『ルックバック』
©藤本タツキ/集英社 ©2024「ルックバック」製作委員会
漫画に自信のある小学4年生の藤野は、不登校生・京本の圧倒的な画力に驚愕し、漫画を描くことをやめた。だが卒業式の日、初対面の京本にファンだと告げられ、共に漫画
を描き始める…。
原作:藤本タツキ 監督・脚本:押山清高
声:河合優実、吉田美月喜ほか
6月28日公開
『美的』2024年8月号掲載
撮影/杉江拓哉(TRON) ヘア&メイク/上川タカエ(mod’s hair) スタイリスト/杉本学子(WHITNEY) 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。