中世の修道院発祥の“秘伝のオイル”が手放せなくなるわけ【美と健康♡両方磨くオトナ塾Vol.6】

スキンケア、特にボディケアでオイルをよく使います。大人肌のかさつきを防ぎ、リッチなうるおいとなめらかさを与えてくれるし、マッサージをしやすいからなのですが、あるオイルを使った翌朝「あれっ？」と予想外の実感が。この実感が確かなものなのか、ちょっと深掘りしてみました。【海野由利子「美と健康♡両方磨くオトナ塾」vol.6】

それは、そもそも“薬局生まれ”のオイルだから

香りと使用感が好みでリピート使用しているオイルが「カマルドリ 31ハーブオイル」。
肌を柔らかくする働きで知られる、オレイン酸を含むヒマワリ種子油をベースに31種類ものハーブがブレンドされています。クラシックなラベルと茶色のガラス瓶の可愛さもお気に入り。

カマルドリ　31 ハーブオイル　30ml ￥4,070（100ml ￥8,360）／ペルレイ

椅子に座りっぱなしの原稿書きが続いたある夜、入浴後に肩から腕までこのオイルを塗り、コリを感じていたのでいつもよりじっくりマッサージをしてみました。コロナ禍の行動制限があった時期でエステサロンには行きにくく、筋肉の疲れやコリは自分で何とかするしかなかったわけですが、翌朝起きてみたらコリがほぼ消えていることにびっくり。体が何となく、でも確かに軽いのです。セルフマッサージが突然上達した？と一瞬考えたけど、残念ながらたぶん違う。予想以上の実感に気を良くして、歩き疲れた日の夜にはひざ下から足の裏までオイルでしっかりマッサージして翌朝に期待。すると裏切られることなく、足のだるさはほぼ抜けたのです。これは「カマルドリ 31ハーブオイル」のおかげだと確信。とはいえここは日本。薬機法（正式名は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」）によって化粧品は「コリや筋肉痛の緩和」という効果は言えないし書けない。オイルのパッケージにも、メディア用の製品資料にも、当然ですが書かれてはいませんでした。
で、おしまい、、、ではなくて。仕事柄、この実感が気のせいなのかどうか確かめたく、製造国であるイタリアで効果や働きについてどう説明されているのか？　人を通じて調べてみました。結果は、ビンゴ！　筋肉の疲れや痛みにも効果があるオイルなのだそう。

トスカーナのカマルドリ修道院薬局

そもそもこの「カマルドリ」はイタリア・トスカーナで1000年以上の歴史を持つ修道院の、世界最古とも言われる修道院薬局（Antica Farmacia）が発祥。修道院は自給自足が基本ですから、周辺で育ってる植物を利用するための知識も経験も豊富。さまざまな働きのあるハーブ、つまりは薬草を調合して修道士はもちろん地元の住民や巡礼者、旅人の不調や病の治療も行なっていました。16世紀にはカマルドリ修道院内に薬草園ができ、薬効の研究も行なわれていたそうです。

中世イタリアといえば、かの「ロミオとジュリエット」でも、“神父様”が“仮死状態になる薬”を、2人の幸せのためジュリエットに渡していたではないですか。それは良いとはいえない行ないだったようですが、修道院とは治療薬も作り、薬局や病院の役割もしていたんですよね。そう考えると「修道院のおくすり」でもあったオイルは、「香りがいい」などというだけの存在ではないだろう、と理解できます（ちなみに、近年の研究では香りも心身に働きかけることがわかっています）。

カマルドリ修道院薬局内部

さて、カマルドリ修道院内の治療所は1810年に廃止。けれど薬局はそのまま現在まで継承されています。伝統的なレシピの中からいくつかは、現代の人々の癒しになるように再編集されて販売。ハーブオイルは伝統的なレシピが受け継がれ、手作りで生産販売をしているそうです。日本でも多くの製品を手にできるようになりましたが、日本の法律上、伝えることができない情報もあるのです。今回は「使ってみたら予想以上だった」という、個人的な嬉しい実感から探ってみたところ、何百年もの間人々を癒やしていたということがわかりました。
歴史ある“化粧品”の背景に触れると、違った魅力が見えてきて付き合い方が少し変わります。より大切で頼れる、出合って良かったと心から思える存在に。

「カマルドリ」の製品は店舗やネットで購入できます。
※公式HP https://camaldoli.jp/

美容・医療ジャーナリスト

海野由利子

宮城県出身。1981～89年文化出版局装苑編集部でファッションと美容を担当。美容の面白さに目覚め89年に独立。以降、雑誌を中心に美容企画の取材・執筆を行なう。美容医療に関しては黎明期の99年から体験と取材を継続。50歳時に詳しい検査で身体の弱点が多数見つかり「還暦で健康」を目指し、クリア。「大人の身体は変えられる」を実感中。日本抗加齢医学会会員

ブログ
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