霧島れいかさん「仕事がしんどい時期が長かった。でもバカみたいに夢を描いて、自分を諦めなかった」|美しい人の美の習慣
知的でエレガントで、ときどきお茶目。グラン世代になって花開いたその魅力に迫ります。
霧島れいか
美しさの余韻を残す人
その色気は嫌味がなく、上品。きちんと年齢を重ねてきた、緩みさえも美しい。まさにグラン世代が目指す美しさ。49歳で身も心もブレイクスルーした姿が、私たちの背中を押してくれる。
秘密の恋人との逢瀬の後−−。撮影中、そんなシーンが思い浮かんだ。霧島さんのたたずまいや色香は、まるで映画を観ているかのよう。常に鮮烈な印象を残す役も相まって、気安く触れてはいけないような雰囲気。かと思うと、インスタグラムではユニークな一面を見せる。
「闇を抱えていたり、騒動のきっかけになる役が多いのは、見た目が不幸そうだからかもしれません(笑)。でもそれは役者冥利に尽きますし、個性として、大事にしたいなと思っています」
そのボディラインには年齢らしい丸みがありながら、品がある。世界的に評価され、多くの映画賞を受賞した映画『ドライブ・マイ・カー』で露になったしなやかな体は、本当に美しかった。
「当時は役作りで体重を落とし、ウエストも1か月で10cm絞りました。ストイックに食事制限をし、寝るときはおなかにコルセットをつけ、さらにストッキングで締めながら。でも、普段はわりとサボり気味です……。以前はポールダンスをしていましたが、今は自宅で、動画を見ながらのトレーニングが中心。全身を鍛えようとすると続かないので、今日は二の腕、下腹……と1か所ずつ、動画を検索しながら1日20〜30分のエクササイズです。やせすぎると老け込むので、程よく肉づきのある体が目標ですね」
一方、コンプレックスだった「濃い目元をスッキリ見せたい」と、普段はほぼノーメイクだった。最近、目周りがぼんやりしてきたことを感じると、マスカラに助けられ、「アイメイクが楽しい」そう。
たんぱく質不足解消で肌も髪も、爪も元気に
セルフケアは「できる範囲で研究と努力」がモットー。スキンケアは、肌の状態によって3種類ずつの化粧水や美容液を使い分け、クリームを追加する。とはいえ、映像の仕事は顔の変化や気になる部分をいやが応にも見せつけられる。加えて、年齢と共に原因不明の肌あれや吹き出物が続き、まつ毛は抜けやすく、爪がもろくなっていた。そんな不調の救世主となったのが、たんぱく質だった。
「不足しているのかもしれないと、プロテイン(P.102)を飲み始めたら、肌や髪、爪も健康的になってきました。私だけかなと、家族にも試してもらうと、皆、肌艶が良くなっていて!体の内側からのケアの大切さを痛感しました」
映画が好きで、人生の時々で映画に救われてきた。実は、『ドライブ~』のオファーを受けた当時、50代を目前にし、「人生諦めモードになることもあった」という。
人や仕事との出会い、選ぶ言葉が自分を作る。
“丁寧に生きること”の意味がようやくわかった。
「日々に追われて、目標が曖昧になり、現状維持でいいのかもしれないと考える自分がいました。そのタイミングで、言葉を大切にするこの作品に参加して、出会う人、仕事、経験、選ぶ言葉、すべてが自分を作るということに改めて気づかされたんです。“丁寧に生きる”ということは自分を見つめることであり、そのために、さまざまな出会いや感情を大切にしようと思うようになって。人生観が変わりました」
米アカデミー賞などでの授賞式、レッドカーペットでシャネルのドレスをまとった霧島さんはまばゆかった。憧れの俳優や監督との出会いは、守りに入りがちな中で、大きな刺激になった。
自分に厳しくするのをやめたら、楽になった
「芝居を頑張りたい、映画をやりたい、そのために自分の中の常識を取り払っていこうと思えました。それは勇気がいることですが、恐れずに挑戦していきたいですね。これまで、あるべき姿を設定し、自分に厳しくしてきましたが、その分、人にも厳しくなって自己嫌悪に陥り、仕事がしんどい時期が長くありました。今はありのままの自分を受け入れています。悲しみや怒りなどの感情を否定せず、それを誰かのせいにせず向き合うことで、気持ちも楽になって。今、お仕事がこれまで以上に楽しいんです」
気分が沈むと、映画『ロッキー』を観て奮い立たせるという霧島さん。映画祭で目の前にいたジェイク・ギレンホールと共演したい。大好きな映画で流れた往年の名曲『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』が弾けるよう、ジャズピアノのレッスンを再開したい、譜面が読めるようになりたい。まだ行っていない国を旅したい……と、挑戦したいことは尽きない。
「いつも夢や目標を、バカみたいにもっているんです。かなわなくても、そこに向かう過程で何かが得られる気がして。つらくても、自分を諦めなかったことが今に導いてくれている気がします。人生は一生学び。これからの年代は健康に気をつけながら、自分を育て、面白い50代を目指したいですね」
仕事がしんどい時期が長かった。
でも、バカみたいに夢を描いて、自分を諦めなかったから、今がある。
《Beauty Routines》
キレイを導くマストアイテム
for Moisturizing
肌あれの予感がしたら頼るクリーム
「夜のお手入れで使うと贅沢なしっとり感が翌日も続いています。つけて寝ると、お布団の中が心地よい香りで癒されます」
右/エイジングケア効果をもたらすヴァニラ プラニフォリア抽出成分を配合。濃密な潤いが浸透するフェースクリーム。シャネル サブリマージュ ラ クレーム ルミエール 50g ¥45,100
サブリマージュ ラ クレーム ルミエールの詳細はこちら
左/ボディに品のある艶が。同 サブリマージュ ラ クレーム コール エ デコルテ 150g ¥35,200
サブリマージュ ラ クレーム コール エ デコルテの詳細はこちら
for Prevention
肌をいたわるシルクマスク
フランス産の最高級シルクを日本で縫製して仕上げたマスク。保湿、紫外線カット効果も期待でき、シルクの静菌効果でにおいも気になりにくい。内側に不織布のフィルターを入れられるポケットつき。「マスクあれが気になって使い始めたら、肌の調子が良くなりました。顔周りも明るく見える気がします」
BASARA フィットマスク 上/アニマルカーキプリント 下/ローズペール 各¥6,600(問ブランドニュース)
for Home Esthetic
本格エステをルーティンに
ハリのある肌を導く美顔器。毛穴クレンジングや表情筋エクササイズなど、エステでしかできなかった4種類のトリートメント機能を搭載し、俳優やモデルからの支持率はダントツ。「たるみやすいフェースラインをリフトアップしたくて使い始めました。5年程使っていますが、やるとやらないのとでは肌のハリが全然違うので、ルーティンに取り入れています」
ベレガ セルキュア 4TPLUS ¥180,400
for Body Health
味も金額も続けやすい3点セット
「ロイテリ菌は口内環境改善のために。高濃度ビタミンCは国産なので安心。免疫力が落ちているのを感じると多めにとります。プロテインは植物性・動物性を同時にとれるので朝晩飲んでいます」
右上/プリマドフィラス ロイテリ パウダー(本人私物)
右下/ワカサプリ ビタミンC 30包 ¥3,240(問分子生理化学研究所)
左/タンパクオトメ ピュアプロテイン100 360g ¥2,980(問タマチャンショップ)
PROFILE
きりしま・れいか/1972年新潟県生まれ。モデル活動を経て、’98年より俳優として活動。ヒロインを演じた2005年の映画『運命じゃない人』や’10年の映画『ノルウェイの森』などでの演技が高く評価され、映画やドラマを中心に幅広く活躍。近年の主な出演作に、映画『しあわせのパン』、ドラマ『夜がどれほど暗くても』『24 JAPAN』など。主人公の妻を演じた’21年の映画『ドライブ・マイ・カー』は、第94回米アカデミー賞国際長編映画賞など映画賞を多数受賞。
『美的GRAND』2022夏号掲載
撮影/竹内裕二(BALLPARK) ヘア&メイク/面下伸一(FACCIA) スタイリスト/永岡美夏 構成/松田亜子
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。