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2016.3.23

【齊藤 薫さん連載 vol.48】イヌっぽさとネコっぽさ。使いこなせば最強の武器に

新年から巷を賑わせているふたつの会見。どちらが女の株を上げたかは別として、違った彼女らの一面が垣間見られたのは事実。
まずは、イヌっぽいか、ネコっぽいか、ミックスか、自分をよく知ることから始めましょう!
真逆のキャラクターをいきなり見せることによって、あなたの魅力は、3倍、4倍にふくらみます。

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本当の意味で“高級感ある女”の条件
それは、ネコっぽさとイヌっぽさを併せ持つこと

先ごろ結婚会見した北川景子とDAIGOのカップル。久しぶりの金屏風を背にしたオーソドックスな会見は、やたら評判がよく、2人の好感度を大いに高めた。まだ“熱愛状態”であるのがわかるのに、変にベタベタせず、ちゃんと冷静のブレーキがきいていた。
こういう会見って往々にしてこっちが恥ずかしくなるのに、そうならないのは、どちらにも知性と理性がある証。上質なカップルなのは確かだが、別の意味で際立ったのが北川景子という人の“高級感”だった。
いやもともと若手では、最も“高そうな雰囲気”を醸し出してはいたが、この会見でさらにその“高級ぶり”が明らかになる。ひとつにDAIGOがその人を“尊敬”しているってことが、存分に伝わってきたから。そして、日ごろは見えないプライベートのその人は、“賢妻”と言うより料理のうまい“良妻”タイプだったから。
でもそういうことに加え、この人の高級感をつくっているのは、人として、女としての奥ゆきなのだ。いや、“奥ゆき”って何なのか、説明するのは難しい。でも、こと北川さんの奥ゆきについて言葉にするなら、イヌっぽさとネコっぽさの両方を高次元で併せ持っていること……。
まずイヌっぽさもネコっぽさも、どちらも人としての女としての、強烈な魅力に他ならない。言うまでもなく、イヌは素直で従順、人なつっこい。積極的で、時に攻撃的でもあるけれど、ともかく明るく前向き。ネコはちょっと気位が高くて冷静、賢くて客観的。まあ見事に真逆である。そしてどちらも見事に魅力的。こんなに正反対でありながら、どちらも強烈に人を惹きつけて離さない。だからプラス極とマイナス極の正反対ではなく、何というか“足し算”と“掛け算”において対極にあるような、次元の違いがありながらも、まったく反対側にあるイヌとネコ。
神様はなんとも驚くほど完璧に“人間の友だち”を2種類作ってくれたもの。だからもともとイヌ好きとネコ好きにきっぱり二分されていたものが、最近は両方好き、両方飼いの人も増えてきた。
そういう意味での2つの引力を両方併せ持つことが判明したのが、あの日の会見であったような気がするのだ。厳密に2つのタイプを網羅しているかどうかは知らない。でもDAIGOは言った。自分の軽いジョークに、こんなに手放しでウケてくれる人はいないって……。それってまさにイヌっぽい。ネコっぽい女は、いくら愛する人のジョークにも冷ややかだ。
まあこのように、結婚会見では意外なほどの“イヌっぽさ”がたっぷりのぞいたけれど、本質的にはネコっぽいものを感じる人。いや、仕事にはひたむきでまじめでイヌっぽかったとしても、役柄に取り組む時は冷静で客観的、きわめて知的な演技をする人と、以前から思っていた。だからイヌ系的要素は意外だったのだ。
ちなみにこの人、顔にもイヌ系の美貌とネコ系の美貌が両方うまくミックスされている。だから“なりたい顔No.1”なのだと思う。目もとの神秘性はネコ。でも鼻から口もとへの端正さはイヌ……笑うとイヌだが、すました顔はまさにネコ。女としてこれ以上、望まれた奥ゆきはないと思う。かくして全包囲ではなく三次元で人を惹きつける奥ゆき……それが女の高級感の正体なのである。

女にとって最強の意外性は、
イヌっぽい人がネコっぽい一面を見せること

ずっと“イヌ系”であると思っていた人が、突然“ネコ系”の一面をのぞかせたりすると、いきなり魅力が増したりするもの。もちろん「逆も真なり」で、ずっと“ネコタイプ”だと思っていた人が、とてもイヌっぽい一面を見せたりすると、何だか周囲を安心させたりするものなのだ。
そういう意味で最近にわかに印象が変わったのが、ベッキーという人。言うまでもなく、“デビュー以来初めて”かもしれないスキャンダルで、突然矢面に立たされてしまったわけだが、どこまでも優等生と思われていた人のイメージを少し変えたのは、紛れもなくこのスキャンダルだった。
それが、今後どういう展開を見せていくのかは別として、またその恋愛がどこまでルールに反するのかは別として、このことでこの人の印象が一気に奥ゆきを増し、存在感が何倍にもなったのは確か。もちろんこの問題が起きる前の清廉潔白なベッキーの方が好きという人も少なくないはずだけれども……。
ともかくこの人は、快晴みたいに明るく、学級委員みたいに正しく、賢いタレントのカガミみたいな人。きわめてよくトレーニングされたワンちゃんのようなイメージだったのが、恋愛に翻弄されつつも、自分を通そうとする姿に、ちょっと頑固なネコっぽさを感じたりした。
いやもともとこの人は、冷静で客観的、世の中がよく見えている部分はきわめてネコっぽいからこそ、イヌっぽい仕事のこなし方ができていたのかもしれない。そして今回の恋も、冷静で客観的な選択のはずが、途中からはまったく事情が変わり、でも引き返せなくなってしまった……のだとしたら? 周りが見えなくなる熱中ぶりは、やっぱりワンコっぽい。
いずれにしても、いきなり“素顔”を見せたこの人は、決して一面的じゃない、ちょっと複雑なメンタリティの持ち主であることが垣間見え、そのことで世間がこの人への関心を深めたことだけは確かなのである。
そう、イヌっぽい人は、単純に神秘性に欠ける。これはもう仕方がないこと。その分、いきなり好感を持たれるという大メリットはあるけれど、すべてが開けっ広げで謎めいた部分がないから、それ以上知りたいと思われない。そういう意味で、イヌっぽかった人が突然ネコっぽい一面を見せたわけだから、急に関心を惹きつけても不思議じゃないのだ。
ちなみに、何となくネコっぽい印象が強かった北川景子さんが、あの会見で好感度をぐんと上げたのも、あの場で見せた新しい一面が、いかにもイヌっぽさだったことが何より大きかったのじゃないか? どうにも近寄り難かったその人に、勝手に“親しみやすさ”を感じて、安心した人が少なくなかったはずだから。
そういう意味では、イヌっぽさとネコっぽさって、使い方次第では最強の武器。新しい一面を見せると印象が変わり、新しい引力を持つのはわかっていたが、イヌっぽい人はネコっぽさを、ネコっぽい人は犬っぽさを、いきなり垣間見せると、きわめて効果的。魅力が倍ではなく3倍4倍にふくらんだりするほどに。それも、これほどドラマチックに人を際立たせる意外性は他にないから。
あなたはイヌっぽいのか、ネコっぽいのか、あるいは両方なのか? まずはそういう意味で自分をよく見極めてほしい。意外性を駆使して魅力を自らコントロールするために。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザー、NPO法人日本ホリスティックビューティ協会理事など幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)他、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)、『The コンプレッ クス 幸せもキレイも欲しい21人の女』(中公文庫)など多数。

美的4月号掲載
文/齋藤 薫 イラスト/緒方 環 デザイン/最上真千子

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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