美的GRAND
大人美のマナーとルール
2022.2.11

美人に見える話し方、若く見える話し方の、意外なルール

結局、人間話し方! そんな見方が昨今浮上している。美しく見えるかどうかにも、声と話し方が大きく影響しているという仮説のもと、じゃあどのようにしゃべれば美しく見えるのか、独自に研究してみた。【齋藤薫「大人美のマナーとルール」vol.6】

声だけで、美しいかどうか判断された平安時代の女性たち

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不思議なもので、美人かどうかは目から入る情報だけで決まるものではない。耳から入る情報も、その判断に大きく関わってくるのだ。
例えば平安時代の高貴な女性は、みだりに他人に顔を見せる事はなく、仄暗い照明の中で家族以外とは簾ごしにしかしなかった。だからこそ美しいかどうかは声で判断され、まさに声に恋する現実があったわけだが、何かそういう時代の名残が、今も日本人の美意識の中に色濃く生きているような気がしてならない。

その証に、日本語には「鈴を転がすような声」という賞賛の表現があるけれど、それもまさに透明感ある高い声ほど、耳に心地よい美人の条件であったことを裏付ける。欧米では、例えば女性アナウンサーに澄んだ美しい声を要求する事はないらしい。むしろ“女性”性を取り除いた声の方が望まれるのだか。

そうした背景があるからかどうかは不明だけれど、かつてある化粧品会社が“声の美しさと見た目の美しさ”の関連性を調査していて、その結果が何とも興味深い。
今の時代は、見た目を公に評価するというだけでNGだろうが、ともかく別室で複数の女性の声だけを評価した後、対面で同じ女性たちの外見を評価、すると声の評価と見た目の評価はほぼ一致したと言うのである。

それ、なんとなくわかる。美しい人はやはり美しい声を持っている。ただそれは、声がある程度コントロールできるからこそ、そういう結果が生まれたのだとも言える。
どういうことかと言えば、美しくあろうとする人ほど意識して美しい声を出そうとする傾向があるからこそ、声と見た目は一致するのかもしれないということ。つまり、美人ほど、実は美人の声を出そうと努めているのだ。それもまた立派な美容の一つだということ。

じゃあ美人に見える声とは?

美しい声の女優ランキング

じゃあ美人の声って、どんな声か? シンプルに考えれば、やはり「女子アナの声」。ただそこで話は終わってしまうので、単に美しいだけではない、音だけで人を魅了できる声とは、そもそもどんな声なのかを、さらに探ってみた。
美声についてもじつは様々なアンケートがあるのだけれど、多くが顔のイメージで選ばれている印象があるところ、ある意味の信憑性と説得力を感じたのが、2年前の結果だが“ランキングマニア”が発表していたもの。

1位・松嶋菜々子
2位・中谷美紀
3位・新垣結衣

確かに松島さんや中谷さんの声は、美しいだけでなく、輪郭がくっきりしていて艶がある。実際声だけでもうっとりできるが、さらに、日本語を極めて美しく操れる人たちである。言葉の発し方、扱い方そのものに知的なイメージを宿していて、これはもう間違いなく美人に見える声であり話し方。
つまり、美人に見える声とは、声質そのものよりも話し方も含め、まるで音楽のように耳に届く印象までを言うのである。

逆に言えば、声質は真似られなくても、言葉の扱い方、喋る速さ、イントネーション、それならば誰でもトライできる。声色を変えるのは不自然だが、話し方はどのようにも変えられるはずなのだ。
そこで、女子アナのような“正統派”の音以上に、人の心を掴んでしまう魅惑的な美人の話し方ってあるはずで、そのヒントをここに挙げてみた。

大人が魅惑的に見える話し方、3つのコツ

ゆっくりたっぷり丁寧に……薬師丸ひろ子さんのナレーション

土曜日朝のテレ朝系「食彩の王国」でのナレーション。

いつもこの人の声と話し方を聞きたいがために、チャンネルを合わせている。
従って、これはもう聞いてもらうしかないのだけれど、限りなくゆっくり、でもその分1音1音を丁寧に豊かに艶やかに発していて、まさに「話し方の芸術」といえるほど。
薬師丸ひろ子さんは、10代のデビューの時から声の美しさが際立っていたが、年齢を重ねて誰にも真似のできない美しい話し方を完成させている。まさに必聴!
そっくり真似はできなくても、心がけるだけでいい。それだけ美しく話すってどういうことかその感覚がつかめるはずだから。
早口でしゃべるほど乱暴で雑な印象に見がちなのとは逆。きちんと生きている人に見える事は間違いないのだ。

ふんわりと言葉をテーブルに置くように……石田ゆり子さんの声と話し方

言葉を投げつけるように言う人がいるならば、優しく静かに言葉をふんわりとテーブルに置く人も存在する。この、ふんわりと置くという感覚、相手を本当に心地よくし、幸せにする。
例えば誰?と言うならば、やはり石田ゆりこさん。角のない声をさらに柔らかい布でくるんだような声で、まさに言葉をふんわり置く人だ。この感じも、ちょっと意識するだけで、大人が必ず美しく見えるし、若くも見える。好感度から言ったら、まさに無敵。
ここで知っておくべきは、石田ゆりこさんは話す時に口角が上がること。もちろんセリフによってはその限りではないけれど、口角を上げながらしゃべると、ふんわりしゃべれることは明快に教えてくれる。覚えておきたい。

語尾が消え入るよう……松田翔太のコインチェックCMの女性の声

語尾を務めて優しく言うだけで、どんなきつい言葉も柔らかく聞こえてしまうというのは、話し方のコツの1つ。語気を強めるという表現も、要は語尾を強く言い放っていることに他ならず、語尾がその人の印象を決めると言っても良い。
語尾を優しく、を音として理解するなら、ちょっと極端だが、まさに語尾が消えいるように言っている例があった。
コインチェックのCM「隙間」篇で、

松田さんはナレーションで登場し「僕の顔見えないですよね?」「松田翔太ってわからないでしょ?」と女性スタッフ(?)にたずねると、「ちょっと見えてます」「ちょっとわかります」と答える、その言い方が可愛くて可愛くて。高めの声で語尾を消え入るように言うと、それだけでなんだか人を魅了する魅力的な人が出来上がることが、まさに声だけでわかるケースだ。

これはズバリ、若く見える話し方の意外なテクニック。それこそ真似は難しいけれど、年齢を重ねるほどに低い声で自信満々に喋るようになるのと逆。消え入る語尾を強くお勧めするわけではないけれど、語尾を優しく力を抜くように言ってみて。間違いなく、穏やかでいい人そうな、可愛い大人に見えるから。
いずれにしても、声と話し方の印象は、歳を重ねるほど、一層その人の印象を支配していく。日々無意識に発してしまう声を、こうしたヒントをもとに、少しだけ意識して発してみる。それだけでその人が話す印象は劇的に変わるはずなのだ。生き方さえも変わって見えてくるほどに。だから、声に魂を込めて。大人ならばこそ。

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美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫
女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。『大人の女よ! 清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)、『美人だけが知っている100の秘密』(角川春樹事務所)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)など著書多数。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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