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2026.3.27

美容ジャーナリスト齋藤 薫さんが美容業界の25年間をプレイバック「美容史上、こんな異常で、こんな素晴らしい25年はなかった!」|『美的』創刊25周年特別寄稿

『美的』創刊25周年特別寄稿。美容メディアの黎明期から第一線でトレンドを取材し発信してきたレジェンドふたりが語る、『美的』誕生から25年のヒストリー。美容はなぜこれほどまでに進化したのか。そして2026年、さらに進化を続けていく未来予測まで。

EDIT: 美的編集部

美的編集部

美的編集部

2001年に創刊された美容専門誌『美的』(小学館)の編集部。「肌・心・体のキレイは自分で磨く」をキャッチフレーズに、タレント、モデル、カメラマン、美容家や美容ライターといった各分野のスペシャリストとともに、最新のビューティトピックを深く掘り下げた誌面作りがモットーです。2026年には創刊25周年を迎え、これまで積み上げた膨大な美容に関する最新の知見をもとに、美容に対して誠実なメディア運営に取り組んでいます。

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SOURCE: 美的 2026年5月号

2026年5月号

5 月号

3月21日頃発売 ¥1,550

『美的』は今月、創刊25周年を迎えます。 これもひとえに、支え続けてくださっている読者の皆様のおかげです。 本当にあり…

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素晴らしき美容の「25年」、そしてはじまる輝く「未来」

美容史上、こんな異常で、こんな素晴らしい25年はなかった!

美容ジャーナリスト

齋藤 薫さん

創刊号表紙(2001年5月号) 

10周年号表紙(2011年5月号)

20周年号表紙(2021年5月号)

人はいつから「美しくあること」に心を寄せるようになったのだろう。おそらくは体毛を失い、表情をもって人と人が関わるようになるあたりから。でも人類はその頃から乾燥や紫外線のダメージと闘うことになる。まさに悠久の昔から人には美容願望があったはず。でもその途方もない歴史において「直近の25年間」ほど劇的に美容が進化した時代はない。人類の歴史からすれば一瞬より短い25年間に、圧倒的な進化が詰まっている。21世紀とともに始まる『美的』史は、そんな異常ともいうべき時代だったのだ。

(C)産経ビジュアル

(C)産経ビジュアル

茶髪メッシュ・細眉を世に広めた安室奈美恵さん。その後浜崎あゆみさんで髪色のミルクティー化&目力強化がさらに進化。トレンドも盛りを極める。

2002年8月号『女っぷりを上げる夏の顔・旬のメーク』特集

2001年11月号『メークでハッピーマリアージュ!!』特集

まずミレニアムは「盛り」の全盛期に幕を開ける。安室奈美恵に「カッコかわいい」の洗礼を受けたところに、盛りの女王、浜崎あゆみが登場し、「囲み目」に象徴される盛りメイクがギャル文化も相まって絶頂期を迎えるが、美容願望が爆発するのはまさに2000年からポピュラーになってくるプチ整形の影響といってもいいのだろう。外科的手術しかなかった時代には遠い存在だった美容整形がいきなり身近になったことで、自分も驚くほどキレイになれる未来が一気に開け、美容意識が劇的に高まったのだ。またそこにはもう一つ伏線があり、同じ時期に普及した、モデルの肌のデジタルレタッチに信じられないほど美しい肌を見せられて、目標とするレベルが限界まで高まったといっていい。そして『美的』をはじめとした美容三誌の台頭……。歴史上最大の美容進化はそうして始まったのだ。もちろん70年代後半から美容意識の高まりはあったものの、誰もが迷いもなく前のめりに美容に邁進(まいしん)したのはこれが初めて。そこから目まぐるしくトレンドが移り変わっていく。

神崎さん『美的』初登場。2010年 11月号 『今年のリフトアップコスメ、効かせどころ&塗りどころ

2014年5月号『あの人の美肌に見せるメーク(秘)ワザ』

2016年4月号『春の流行メーク、こうすれば私に似合う』

美容の「先生」ではなく、等身大でビューティを語る「美容家」という存在は神崎 恵さんが先駆け。そして湯上がりチーク、ナチュ太眉、BBクリーム&粘膜リップ…とメイクも生っぽさが新鮮な時代に。

まず2000年代後半ともなると「隠れ盛り」という言葉が生まれたように、ただ目立つことよりリアルな「モテ」を意識し始め「エビちゃん」ブームに象徴される巻き髪のバングスの下から、つけまつげやカラコンのパッチリ目で相手を見つめるフェミニニティーが重要視されるようになる。つまり、こうしたモテ至上主義は合コン文化に根ざした、2時間以内に本命視されるための美容が追求されたりした。それまでの歴史でも、女性は男受けを狙う時代と媚(こ)びない時代を交互に繰り返してきたが、2010年の神崎恵さんの出現は、それまでどこか表層的だったモテ美容を、もっと本質的にまた本能的に捉えたものであり、愛されるために美しくなるという率直な動機は美容界にも多大な影響を与えた。

ただ、2010年代になっていきなりナチュラルな表現に戻ろうとするベクトルが働いたのは、単なる流行の繰り返しではない。言うまでもなく2011年の東日本大震災を経験したことで、理屈を超え、誰かのために、世の中のためにという利他の精神が生まれ、とても自然に“癒しな美”を纏(まと)うようになるのだ。血色感や透明感など、まさに血の通った美しさを大切にしようという気運が生まれていた。太眉や涙袋や湯上がりチークなども、何か人間的な生命感を感じさせるメイクの始まりを意味してる。

そして何よりこの頃から世の中を一変させたのがSNSの普及。美容系インフルエンサーの多大な影響力で、あらゆる仕組みが変わったともいえる。「映え」が圧倒的なキーワードとなり、才能さえあれば誰でもサクセスできる時代、とりわけ鏡を反対から覗くような美容動画ほど強烈な説得力はなく、時々現れる天才たちが美容を進化させてきたと言ってもいい。スキンケアも石井美保さん、大野真理子さんといった「才気あふれる麗しき美容家」の独創的な提案が古い常識を塗り替え、美容のルールを変えた。結果としてこれほど人が美しくなった25年はないと言い切れる。

 

2019年5月号ブックインブック付録『メンズ美的』

2022年2月号表紙渡辺翔太(Snow Man)版

2021年 12月号表紙NEWS版

『DIME』とコラボでメンズ美容を提案する初の『メンズ美的』が。そして2021年から、メンズの表紙も登場! ジェンダーレス美容を発信する『美的HEN』の連載やベストコスメ企画もスタート。

でもその一方、パンデミックが自己を目覚めさせ他者目線が薄れたことで、美人の定義も多様化したことを見逃してはいけない。ここで完全にジェンダーレスの時代に入り、メンズの美しさに女性が学ぶ時代ともなった。思えば、時代を変えていくのはいつも個人、美容において生身の人間の存在美やエネルギーほど強いものはない。美しい人が美しい理由……それ以上の説得力は無いからである。それをつぶさに伝えてきた美容誌の力、『美的』の25年間に改めて敬意を表したい。そして2026年から「もう人は歳をとらない」という人類の夢の実現に向かい、突如フェーズが変わってきた。とてつもない美容進化に立ち会える私たちは幸せ。そしてあまりに強運である。

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

EDIT: 美的編集部

2001年に創刊された美容専門誌『美的』(小学館)の編集部。「肌・心・体のキレイは自分で磨く」をキャッチフレーズに、タレント、モデル、カメラマン、美容家や美容ライターといった各分野のスペシャリストとともに、最新のビューティトピックを深く掘り下げた誌面作りがモットーです。2026年には創刊25周年を迎え、これまで積み上げた膨大な美容に関する最新の知見をもとに、美容に対して誠実なメディア運営に取り組んでいます。

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撮影: 宗高聡子 

スタイリスト: 山本遥奈 

構成: 山崎友利花、もりたじゅんこ

SOURCE: 美的 2026年5月号

2026年5月号

5 月号

3月21日頃発売 ¥1,550

『美的』は今月、創刊25周年を迎えます。 これもひとえに、支え続けてくださっている読者の皆様のおかげです。 本当にあり…

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