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スキンケアニュース
2025.10.7

長寿遺伝子の働きをサポートすることで、肌を格上げ! 数千種の原料・素材から見出した成分「桜葉抽出液」【加藤智一さん連載Vol.30】

いま美容業界で、注目の美容成分をピックアップ! 友だちとの美容トークでも「この成分、知ってる?」と思わず話したくなる話題の成分をご紹介します。今回は長寿遺伝子の働きをサポートすることを見出した桜葉抽出液にフォーカスします。

高級クリーム愛用者の肌が、1回の使用で効果を感じる「桜葉抽出液」

THE GINZAグローバルブランドユニット ブランドイノベーショングループ

小池絹江さん

加藤智一(以下、加藤) 資生堂「ザ・ギンザ」のブランド最高峰クリームが4年ぶりにリニューアル。今回は、新たに開発されたスター成分「桜葉抽出液」を取り上げます。まず、こちらの成分を開発した経緯をお聞かせください。

小池絹江さん(以下、小池) 「ザ・ギンザ」は“肌の未来を見据えたケア”をコンセプトに企画開発しています。その研究課程で、細胞間のコミュニケーションを司るエクソソームという物質のなかに、長寿遺伝子の発現を抑制してしまう情報物質(miRNA)の存在を突き止めました。そこで、この情報物質の細胞内での働きを抑える成分を数千種類の化粧品原料や素材のなかから探したところ、数段階のスクリーニングの結果、「桜葉抽出液」にその作用があることを確認。リニューアルのスター成分として採用しました。従来の技術もさまざまなエイジングサインにアプローチしていましたが、今回は“長寿遺伝子の働きを妨げないケア”を加えることで、より未来への肌効果が格上げされていると考えています。

加藤 確かいままでも豊富な成分が搭載されていたと思いますが、さらに「桜葉抽出液」が加わるということですね。それを同時に配合するのは大変だったのでは?

小池 おっしゃる通りです。なかには「成分をひとつ加えるだけでしょ」と思われるかたもいらっしゃるかもしれませんが、なめらかでカシミアのような極上のテクスチャーはたったひとつの成分が入ることで、まったく別のものに形状を変えてしまいます。今回も「桜葉抽出液」を加えたことで、テクスチャー研究をほぼゼロベースで考えなければならないほど困難を極めた作業になりました。
そもそも、主要成分として銀座の並木通りにある菩提樹(リンデン)の生花の香りを分析しつつ、その香りと肌効果を得られる香気成分を開発しているのですが、こちらは高温処理すると、途端に機能性が損なわれてしまうという非常にデリケートな成分です。製造工程では、相性のいい成分ごとにビーカーでひとつひとつ手作りで準備をして、最終段階で組み合わせるという作業を施しています。そんな緻密な工程のなかで、新たに「桜葉抽出液」を加えるということで時間がかかりましたが、なんとか完成に至りました。

加藤 それは大変でしたね! 美白有効成分もほかの成分と組み合わせるのが難しいと聞いていますし。さらに「ザ・ギンザ」ならではのカシミアのようなテクスチャーも叶える必要があるし…。

小池 はい……まさに3重苦でした(苦笑)

加藤 それを解決したのが、資生堂でも「ザ・ギンザ」だけに採用されている“超高速せん断処理製法”ということですよね。


小池
 こちらはスーパーファインという非常に目の細かい刃を使い、乳化粒子をマイクロレベルの微細で均一な状態に整える製法です。この処方を採用することにより、カシミアのような極上のなめらかなテクスチャーが完成しましたし、しかも、肌への高い効果実感も得られました。

加藤 高い効果実感とは具体的にどのような点で?

小池 たった1回のご使用で、私たちが設けている6つのエイジングサインへの効果が認められたのです。しかも、今回モニターテストとしてご参加していただいた方は、普段からお手入れを丁寧にされているかた。そんな方々が皮膚科医の視感判定で肌効果が認められたというのは私たちも非常に驚きました。

加藤 やはり採用している成分や技術だけでなく、構成においても工夫をこらしているからですよね。

小池 おっしゃる通りです。“超高速せん断処理技術”による浸透技術、配合成分のバランスなど、すべて手間も時間もかけていることの成果だと思います。

加藤 最近は量子コンピューターやAI技術に頼る方法もありますが、あえて手作業にこだわっていますよね。

小池 もちろん、資生堂の研究所内ではそのような先端技術で研究開発していますが、手作業でテクスチャーをつくっていると、その工程の途中で新たな発見や価値を見出せることがあるからです。また、前述したリンデンアロマの香りは非常に繊細な香料のため、人の手で工程を進める必要があるからです。

加藤 なるほど。「ザ・ギンザ」は。“クラフトマンシップ(職人の技術・こだわり)を理念に掲げていますが、この工程もまさにそうなのですね。

小池 はい。「ザ・ギンザ」を愛用されているお客様は最高級のパフォーマンスを求める一方で、効率性よりもクラフトマンシップを尊重する志向をお持ちです。「ザ・ギンザ」としてもひとつひとつの成分が壊れないよう手作業で丁寧に作業すれば、最終的に至高のパフォーマンスを発揮することになる。まさに、その成果が得られる自信作になっています。

 

スゴイ成分「桜葉抽出液」を配合した傑作

ザ・ギンザ エンパワライザー n(医薬部外品) ¥132,000、レフィル¥118,000

 

美容ジャーナリスト

加藤智一


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※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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