吉沢 亮さん「実はめちゃくちゃ乾燥肌でボディクリームが必需品」|『美的』8月号スペシャルインタビュー
繊細な表現、徹底した役作り。その表現や、佇いの美しさは人一倍の研鑽を積んでいるからこそ。『美的』8月号 SPECIAL EDITIONの表紙を飾った吉沢 亮さんは、今夏主演するミュージカルにも、静かな熱をたたえて向き合い中。そんな吉沢亮さんに特別インタビューをしてきました。必見です!
吉沢 亮|研ぎ澄まされた、その先へ
profile
よしざわ・りょう/1994年生まれ、東京都出身。2009年に俳優デビュー。’21年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』で主演し、’25年の映画『国宝』では第49回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。近年の出演作に、連続テレビ小説『ばけばけ』、映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』『ババンババンバンバンパイア』など。映画『キングダム 魂の決戦』が7月17日に公開。
つらいことより、楽しいことしか覚えていない。だからまた挑戦したくなる

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「地獄真っただ中です(笑)」。主演ミュージカルに向けて、歌のレッスンに取り組んでいる日々を、そう表現した。自身2作目となるミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』は、映画化もされた傑作。20代前半に、ブロードウェイで観て心を動かされた作品だそう。|
ハードルが高い程高揚する。でも、その後が地獄…
「ミュージカルであることを忘れるくらい、歌以上に芝居の素晴らしさに引き込まれました。主人公のエヴァンを演じたベン・プラットさんは同い年なのですが、すべてにおいて圧倒されました。こういう芝居に挑戦したいと思っていたので、今回のお話をいただいたとき、『やりたい!』とふたつ返事でお受けしたのですが、改めて楽曲を聴いて呆然…。僕は10曲程歌うのですが、本当に難しいんです。歌で芝居ができるレベルまで歌唱力を上げ、芝居と同じ声で歌えるようにのどのケアをしながら発声練習をする程、できるのかという不安に襲われています」
ネガティブモード全開で正直に吐露するけれど、徹底した役作りで知られる。邦画興行記録を更新した映画『国宝』では、1年半に及ぶ猛稽古を経て狂気と美しさを孕んだ歌舞伎の女形を熱演し、高く評価された。自らに負荷をかけて高いパフォーマンスを発揮するタイプ…?
「そういうのはいっさいないです(笑)。挑戦しがいのある作品が決まる瞬間って、本当にワクワクするんです。挑戦の先に未知の自分に出会えるという楽しみがあるし、やりがいを感じて頑張ろうと思うのですが、そこからが延々と地獄(笑)。6年前、『プロデューサーズ』でミュージカルに初挑戦したときは必死で稽古をして、自分史上、最高に歌がうまく歌えていましたが、共演者の方々との実力差に愕然としました。でも、そういうことって忘れちゃうんですよね。何事も時がたつと楽しかったことしか覚えていないから、またやりたいと挑戦して、後から後悔するということの繰り返し。でも、準備は裏切らないからやるしかないです」
そう言いながらも、初ミュージカルはパワフルな歌唱で絶賛された。実は、吉沢さんはミュージカルファン。「10年以上、ブロードウェイの作品を観てきた」からこそ、プレッシャーも半端ない。
「映画は学びの場として観がちですが、ミュージカルは僕にとって、純粋にエンタメとして楽しめるものなんです。最初にミュージカルに魅せられたのは、今作でWキャストの柿澤勇人さん主演の『ラディアント・ベイビー〜キース・ヘリングの生涯〜』でした。僕もこの作品のオーディションを受けたのですが、結果は不合格。実際に柿澤さんの魂のこもった表現を観て、『自分が受かるはずはなかったな』と納得でした。芝居の延長線上に歌があり、それをきちんと表現しなくてはいけない。そう思うと不安も募りますが、今作で描かれる10代のノリの軽さ、世の中を知ったような気になっている感覚なども大事にしながら演じたいです」
『ディア・エヴァン・ハンセン』は、社交不安障害を抱え、家にも学校にも居場所のない高校生・エヴァンが、咄嗟についた小さなうそをきっかけに、初めて人に必要とされる存在になった出来事を通して、SNS社会での孤独や不条理、葛藤といったテーマが描かれる。
「実生活とSNSとの境界が曖昧になる感じがリアルなんです。SNSとの距離が近くなる程、現実と理想のギャップが必要以上に露になることも感じました。誰かと容易につながれて、承認欲求も満たされるからこそ、距離のとり方は難しい。その中でどう自分らしく生きるかを含めて、多くの人に観てもらいたい作品です」

睡眠時間は何よりも優先。幸せは、健やかな心身から
自分らしさを保つために吉沢さんが大切にしていることは、「他人の評価を気にしないこと」だという。
「僕の仕事を考えると矛盾しているのですが、人からどう思われているのかを気にしすぎるのはしんどいですし、その自意識みたいなものを少し軽くすることが大事な気がします。僕も作品や自分の評価は気になりますし、ほかの人と自分を比べがちですが、なるべく気にしないように生きたいです。それでも絶望することがあったら、『時間が解決する』と思うようにしています」
厳しい環境に追い込みながら役と向き合う中で、オフの時間は大好きなゲームに没頭しているのかと思いきや、「今はゲームすらやりたくない」という。
「ゲーム部屋に行くのも面倒で、舞台の稽古が始まる前は、歌のレッスンに行く以外はソファの上でショート動画を見ているうちに1日が終わる、という自堕落な生活でした。やるべきことリストは頭の中にたまっているのに、自発的に行動できなくて。仕事では新しいことへの挑戦ばかりなので、プライベートでは何もしたくなかったのかな。自分を変えようと思うこともないし、むしろ、新しく取り入れたことを自分の中から消していく作業をしている気がします。そうして自分の中の余白を作っているのかも」
朝ドラでも好演し、今夏はもはやライフワークともいえる映画『キングダム』のシリーズ5作目も公開される。演技派俳優として賞賛を集める中でなお、自身の演技を問い続けている。
「自信は年々なくなってきています。少し前までは、『自分はもっとできる』と強気に考えることもありましたが、ここ数年、ハードルの高い作品に必死に挑む程、俳優としての自分の力量に戸惑うし、プレッシャーも大きくなっていて。それでもなぜ続けるのかと言われたら、やっぱり、芝居が好きだからなんですよね」
以前、「心身ともに整っていることが幸せにつながる気がする」と語っていた。そのためにも睡眠時間は何よりも優先している。そうして仕事で結果を出す中で、少し前、ヴィンテージの時計を買った。
「かなり勇気がいる金額でしたが、『国宝』が多くの方に観ていただけた自分へのご褒美として買いました。元々、ヴィンテージの時計が好きなんです。作為的なデザインより、その歴史やフォルムの進化を知り、機能性を追求した結果この形になった、みたいなものに惹かれています。そういう、なるべくしてなったものに美しさを感じます」
なるべくして美しく。なるべくして本物。それは、静かに自らを磨き続ける吉沢さん自身にもつながる。
「この仕事は求められてなんぼですが、世の中に出ていない時期も必要な気がしています。その期間に体も気持ちも整えて、インプットして、次の役に臨む。そうしながら『意外と存在感があるな』と思ってもらえる俳優でいたいです」
For Health & Beauty
のどに良いホットティー
パックでいれて、はちみつやしょうがなどを入れて飲みます。ミュージカルの公演期間中は必需品です。
ちゃんと寝て、朝ごはんを食べる
朝は納豆と玄米ごはん。続けていると体調がいい気がします。睡眠は9時間目標ですが、このところ5時間で目覚めがち。睡眠が浅くなっていて焦っています。ゲームのやりすぎですね…。
お風呂上がりは化粧水と乳液
保湿はしっかりしています。実はめちゃくちゃ乾燥肌で、冬は肌がバキバキになって痛くなるので、ボディクリームも必需品です。
スキューバダイビング
春に沖縄で挑戦してみたらすごく良くて。こういうリフレッシュもいいなと思いました。
自意識を軽くして、どう思われるかを気にしすぎず、自分らしく生きたい

Information| ミュージカル 『ディア・エヴァン・ハンセン』
孤独な高校生・エヴァンは、自ら命を絶った同級生コナーの親友だと誤解され、思わず彼の親友だったとうそをついてしまう。その友情の作り話はSNSで拡散され、やがて大きな波紋を呼ぶ――。トニー賞6部門受賞の傑作ミュージカルが日本初上陸。
翻訳・演出:小山ゆうな
出演:柿澤勇人/吉沢 亮(各役五十音順/Wキャスト)ほか
7月25日〜8月23日、EXシアター有明にて公演。
SPECIAL EDITION

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。