肌内部はもちろん、見た目印象まで変化! “ハリの頂点”ケアをかなえる「クマル酸」【加藤智一さん連載Vol.31】
いま美容業界で、注目の美容成分をピックアップ! 友だちとの美容トークでも「この成分、知ってる?」と思わず話したくなる話題の成分をご紹介します。今回はピーナッツやコーヒー豆などに含まれ、抗酸化作用に優れたポリフェノール由来の成分、「クマル酸」を取り上げます。
ふっくらしたハリを生み出す肌構造を土台から支える「クマル酸」

加藤智一(以下、加藤) 今回はリニューアルしたSK‐Ⅱ スキンパワー リニュー シリーズに新たに採用された成分、「クマル酸」をピックアップします。こちらの成分を配合した経緯を教えていただけますか?
藤井啓資さん(以下、藤井) 今回のリニューアルで新たな肌効果として目指したのが「ハリの頂点」ケアでした。それは肌内部へのアプローチだけではなく、肌を全方位から動的に捉える“動的肌解析”という方法により、見た目でも「ハリの頂点」ケアをかなえることでした。それを実現するべく、シンガポールにあるSK‐Ⅱの膨大な素材ライブラリーのなかから成分スクリーニングを行った結果、ピーナッツやコーヒー豆に含まれるポリフェノール由来の成分、クマル酸が大きな役割を果たすことを見出したのです。
加藤 具体的にどんな役割でしょうか?
藤井 肌内部の“炎症の火種”やストレスを抑えて、環境を整えるという役割です。肌のハリを保つためには、肌構造の土台となる“タンパク質の骨格”を強化する必要があります。「クマル酸」はタンパク質の構造を不安定にさせてしまう“炎症の火種”やストレスによるダメージをケアして、細胞の弾力に寄与してくれるのです。しかも、「クマル酸」単体よりも、SK-Ⅱのスター成分であるピテラ™とも複合的な役割を果たしてくれることがわかり、これはぜひとも採用したいと考えました。ただ、採用したいと思ったのもの、そこから実際に配合するまでに20年以上も費やしてしまったのですが……。
加藤 20年以上も! それほど時間がかかった理由は?
藤井 「クマル酸」は抗酸化作用が非常に高い成分なのですが、その高い抗酸化力ゆえ、「クマル酸」そのものも酸化してしまうのです。すると、製品のテクスチャーの色が黄色くなったり、においも発生することに。そこで、「クマル酸」を製品に配合する際、温度を下げてから追加したり、pH値を調整したりとさまざまな工夫を施してみたのですが、それでも安定的に配合することができず……。
加藤 なるほど。それに加え、配合されているさまざまな成分との相性やバランスもありますしね。
藤井 まさにご指摘の通りでして、エイジングケア効果には妥協できないと思い、60パターン以上の処方を試行錯誤した結果、企業秘密ではあるのですが「クマル酸」の酸化を抑える成分を発見することができまして。そのおかげで「クマル酸」の素晴らしい肌効果を確保しながら、安定的に配合できるようになりました。
加藤 トライアンドエラーの研究成果ですね! SK‐Ⅱの成分というとピテラ™の話がメインになりがちですが、「クマル酸」にもこんなドラマがあったとは。無事に処方が完成したことで、目指していた“ハリの頂点”ケアが実現したと。

大野文子さん(以下、大野) ありがたいことに多くのポジティブなコメントをいただいています。
加藤 私は肌がふっくらしつつ引きあがる感覚があったのですが、これは成分だけではなくテクスチャーの効果も大きいと思うのですが。
大野 まさにテクスチャーではそういった工夫を施しています。たっぷりの保湿成分をアミノ酸由来のカプセルに内包していまして、肌に伸ばすとそのカプセルがくずれ、中の成分が肌に浸透しつつ、カプセル成分は肌の表面を覆うように留まります。それがふっくらとした仕上がりになる仕組みです。
加藤 なるほど! いわばクリームマスクのような効果ですよね。つけた翌朝の引き締め効果は、このカプセル成分のおかげでもあるということですね。では、どのような方々に使っていただきたいかを教えていただけますか?
大野 SK‐Ⅱの調査では人生においてハリの頂点が下がるタイミングが20~30代と、40~50代の間に2回あると言われています。そのため全世代に向けて処方させていただいていますが、特にこの世代にはお使いいただいきたいと考えています。冒頭でお話しした通り、こちらのシリーズは肌内部だけでなく、見た目の変化もケアすることで、顔の印象まで差がつくように設計されています。ぜひ使い続けていただくことで、その肌変化をご実感いただきたいと願っています。
スゴイ成分「クマル酸」を配合した傑作

スキンパワー リニュー クリーム、同 リニュー エアリークリーム
50g ¥18,700、80g ¥26,730/SK-Ⅱ
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。
2018年P&Gイノベーション合同会社入社。今回SK-IIリニューシリーズ開発における肌の研究、肌測定の開発を担当。