簡単、手軽、時短でキレイ こんなに便利なベースメイクはない!【天野佳代子「老けない生活」vol.6】
季節ごとに各メーカーから発表される新しいファンデーション。この春も、こんなものがほしかったという多くのニーズを満たしてくれるものが登場します。でも、どんなにすごいファンデーションが発表されても、私はクッション・ファンデーションに手が伸びてしまいます。【天野佳代子「老けない生活」vol.6】
クッション・ファンデーション、ブームの知られざる秘話
シーズンごとにどんどん登場するクッション・ファンデーション。カバー力のあるなし、艶感の加減など、自分の肌や仕上がりの好みに合ったものを自由に選べるようになりました。もはやクッションなしにベースメイクは語れない程。愛用者も多く、パウダー・ファンデーションと同じくらいの需要があります。人気アイテムとしてすっかり定着したクッション・ファンデーションですが、実はこのクッション・ファンデーション、韓国発祥のコスメであることを御存知でしょうか。
私が最初に耳にしたのは10年程前。コスメおたくのライター杉浦由佳子が、韓国にすごいファンデーションがある! と興奮気味に教えてくれたときのことを今でも覚えています。スポンジの中に朱肉のようにファンデーションが染み込んでいて、それを専用パフでつける、伸びがいい、手が汚れない、手軽、ナチュラルに仕上がる…と見たことも聞いたこともない形状のファンデーションについて詳しく教えてくれました。彼女は韓国で購入していて、もちろん私もすぐに知り合いに頼んで購入。実際使ってみると、確かに便利この上ないファンデーションでした。
それから少したって、アモーレパシフィックという韓国のコスメ会社から、スター製品であるクッション・ファンデーションが発売され、日本で正規に買えるものが登場したのです。『美的』でも取り上げさせていただき、これは大ヒット間違いなし、パウダー・ファンデーションに変わってベースメイクの新基軸になる! とひとりふんでいたのですが、そこまでのブレイクには至りませんでした。
製品的にも優れたもので、パッケージもシンプルだけれど大人っぽくて魅力的。今でも、あのときなぜ世の中にもっと浸透しなかったのかと考えてしまうのですが、大ヒットにはタイミングが必要と言われるように、たぶん時期尚早だったのだと思います。また、当時は各社パウダー・ファンデーションの技術革新がすさまじく、そちらに目を奪われていた人が多かったのも理由に挙げられると思います。
日本でクッション・ファンデーションの浸透は難しいか…と諦めていたら、数年後、ランコムがクッション・ファンデーションを発表しました。ここで初めてクッション・ファンデを知った人も多く、新しい形状のベースとして一躍脚光を浴びました。その後ディオールをはじめ、次から次へと大手のブランドがクッション・ファンデーションを発表。広く認知され、ようやくベースメイクの仲間入りを果たしたのです。
クッション・ファンデーションのよさは、なんと言っても手軽さ。伸びもよいので、テクニックいらずでササッとメイクできるところが、忙しい人にもぴったり。基本的に肌感を生かしたナチュラル仕上げがほとんどですが、重ねればカバー力がアップ。この濃淡調整の自在さもまた、人気の秘密なのでしょう。
私も好きが高じて様々なクッション・ファンデーションを試してきましたが、現状、私の中のベスト2は、クレ・ド・ポー ボーテとランコム。どちらもクッションがメッシュ状になっていて、スポンジにとれる量がまさに適量。ポンポンと肌にのせていけば、自然で美しい肌色が仕上がっていきます。特にこの2品は保湿効果が高く、乾燥から守りながら、キレイな肌色を1日中キープしてくれます。まさに大人のために設計されたクッション。
日本第一号であるアモーレパシフィックのクッションでその魅力を広く浸透させることはできなかったけれど、もう少し後にリリースしていたら大ヒットは間違いなかったはず。でも、当時のあの時期のあの製品が、今のクッションブームを繋いだのは確かです。毎朝、ランコムやクレ・ド・ポー ボーテの進化系クッションを使うたびに、アモーレの製品を思い描き、感謝の念を唱えている私です。
クレ・ド・ポー ボーテ タンクッションエクラ ナチュレル(3月21日発売)¥11,000(セット価格)
ランコム アプソリュ タン クッション コンパクト ¥13,200(セット価格)
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。