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2018.9.28

それってウソ?ホント?“豊胸手術すると授乳できない”のウワサを乳腺科医に直撃!

日常生活で生まれる美容の疑問を専門家に答えてもらうこのコーナー。今回は、“バストと授乳”について。豊胸手術をしていると授乳できないって…ウソ? ホント? ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長・島田 菜穂子さんにお答えいただきます。

Q:豊胸手術をしていると、授乳できないって本当?

「豊胸手術をしていると、授乳できない」コンプレックスを解消するための手術が、デメリットをもたらすのでは? と、ついつい心配になってしまうこのウワサ。

早速、この疑問を島田先生にぶつけてみました! 先生の答えは……?

A:ウソです

「全く問題ありません。しいて言うならば、バックが入っていることで乳腺が窮屈な状態となり、授乳中のバストの張りが強く感じられるかもしれません。

脂肪注入やヒアルロン酸に関しても、母乳のなかに悪い成分が出たりすることもないので安心して大丈夫です」(島田先生・以下「」内同)

豊胸手術はリスク大…!安易な気持ちでは受けないで

「豊胸手術を受けていても、マンモグラフィ等のがん検診や授乳もできるので、一見デメリットがないように感じてしまうかもしれません。でも、ちょっと待って!

シリコンバックは、術後の感染症やバックが硬くなって変形する拘縮、左右差やズレのリスクがありますし、脂肪注入は、注入した脂肪が変形し脂肪壊死という硬いしこりを作ることもあります。程度は個人差がありますが、脂肪注入後半年から1年後にこのようなしこりが出来始めるので、その時になって初めて多くの人が、“こんなことならやらなければ良かった…”と後悔しているのです。

ヒアルロン酸も同様で、しばらくしたら吸収されてなくなるから安心と、お試し感覚で受ける人も多いですが、ヒアルロン酸の一部は吸収されずに残るので、しこりのようになってしまうことがあります。乳房を大きくするための夢のような施術と思って受ける方も多いのですが、それぞれ施術後に起きるデメリットもあります。可能性のある後遺症について、事前に十分、施術を受ける病院でしっかり確認して良く検討すること。そのうえで自分にとってメリットの方が大きいと持った場合にのみ受けることをお勧めします。

場合によっては、美容形成を行う一部のクリニックではメリット部分のみを説明し、施術によって起きる可能性のある後遺症やデメリットについて、事前に十分な説明がないこともあるようです。もし施術を受ける場合には、きちんと施術の悪い点も正直に説明してくれるクリニックで行う方が安心です。事前の説明がないクリニックほど、トラブル時のアフターケアもしっかり対応してくれないことも多くあります。

施術を受けたけれど、自治体や会社の検診を普通に受けることもできず、しこりもできてきてどうしていいかわからず、本当に意気消沈して…やっとの思いで当院を受診される方も少なくありません。胸の大きさの理想は個々違いますので豊胸を否定はしませんが、その後に後悔しないように事前によく検討することを心からお勧めします」

とはいえ、バストに対する価値観は人それぞれ。島田院長は「すでに豊胸手術を受けてしまった方は、恥ずかしがらず、あきらめずに受診してください。その方に適した検査をしっかり行い、その状況でできること、バストを守る工夫に最善を尽くしています」と語ります。悩んでいる方は、ぜひ一度相談してみて下さいね。

島田先生
乳腺科・乳腺放射線診断科
島田 菜穂子 院長
認定NPO法人 乳房健康研究会 副理事長
筑波大学医学専門学群卒業後、筑波記念病院およびつくばメディカルセンター放射線科にて従事。東京逓信病院、米国ワシントン大学メディカルセンターブレストヘルスセンター留学、都内クリニックを経て、2008年ピンクリボンブレストケアクリニック表参道開設。患者ひとりひとりの心に優しく寄り添いながら、乳がんに関する正しい情報の発信と、死亡率低下に貢献するためのピンクリボン活動を展開している。
ピンクリボンブレストケアクリニック表参道

文/木土さや

※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。

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