シャネル・ネクサス・ホールで「Everyday Enchantment 日常の再魔術化」を開催中
2024年10月19日から銀座「シャネル・ネクサス・ホール」にて『Everyday Enchantment 日常の再魔術化』を開催中。「日常の再魔術化」をテーマとし、日常の中に隠された魔術を再発見する3名のアーティスト作品を展示しています。
展示テーマは「日常の再魔術化(Everyday Enchantment)」
2024年に20周年を迎えるシャネル・ネクサスホールは新たなプログラムを展開。金沢21世紀美術館館長である長谷川祐子氏(東京藝術大学名誉教授)が立ち上げた、次世代の若手キュレーターを育成する「長谷川Lab」とコラボレーションした新たな展覧会シリーズがスタートします。
第一弾のテーマは「日常の再魔術化」。「長谷川Lab」から佳山哲巳とフィン・ ライヤンがキュレーションを担当しています。すべてのものが情報化されデジタル化されている今日、謎や未知の想像力をかきたてられる領域は狭くなっているように感じる日常の中で「日常の中に隠された魔術」を再発見するように観る者を誘います。それぞれフランス、日本、アメリカを拠点に活動するアーティストであるビアンカ・ボンディ、小林椋、丹羽海子ら3名が作品を紹介しています。
「長谷川Lab」若手キュレーター2人が手掛ける
左から フィン ライヤン 佳山哲巳 ©CHANEL
本展覧会のキュレーションを務めた「長谷川Lab」若手キュレーターである佳山哲巳とフィン・ライヤンは、フレッシュな視点を取り入れながら”愛と魔術”について考察します。
佳山哲巳(写真右)は中国・上海出身。2024年に東京藝術大学で芸術研究とキュレーション実践の哲学修士号を取得。自らジュエリーデザインも手掛け、「装飾」とグローバル化の中におけるアジア文化の独自性に関心を持っています。
フィン・ライヤン(写真左)は、イギリス・ロンドン出身で、東京を拠点とするキュレーター。2024年に東京藝術大学で芸術研究とキュレーション実践の哲学修士号を取得しファッション、パフォーマンス、エコロジー、クィアと障害研究に関心を持っています。
次世代のアーティスト3名が「日常に隠された魔術」を再発見
左から 小林椋 丹羽海子 ビアンカ ボンディ ©CHANEL
3名のアーティストは、それぞれが日常にある自然の素材や道具、機械に着目し作品を創り上げることでシャネル・ネクサスホールを「創造的な庭園」へと変えていきます。
ビアンカ・ボンディはヨハネスブルグ(南アフリカ)生まれのパリ在住で、領域横断的な活動を実践するアーティストです。苔や塩の結晶など変化する自然の素材や題材へフォーカスし、地球の神秘主義を想起させます。今回は海中に浮遊する有機物の破片のイメージを再構成した4つのタペストリーからなる作品群を展示しています。
小林椋は東京都生まれのアーティストで、ものの「動き」を起点にしながら、 人がもつイメージや認知の性質について考察します。本展覧会では、消費社会の中で反復される造形的イメージを参照しながら、もとの機能や意味から切り離された「無名の」オブジェクトを再構成。「〜のような」どこか既視感のある不明瞭なオブジェ同士と機械的な仕組みを組み合わせた作品を展示しています。
丹羽海子は日本生まれのアーティスト。自分史をからめたコンセプトを、自身で集めた様々な材料を組み合わせたオブジェに吹き込み独自の生命と物語を与える創作をしています。今回は合金の置物から生まれ変わった「ダフネ」と呼ばれる小さな生き物たちに生命を吹き込み、単体では壊れやすい素材を組み合わせ、儚く虚いやすい存在を表現します。
日常の中に隠された魔術を再発見する3名のアーティストストーリーと「視覚」、「聴覚」、「嗅覚」の五感を感じられる空間をぜひ体感してみてください。
Artist Profile
ビアンカ ボンディ Bianca Bondi
1986年、ヨハネスブルグ(南アフリカ)生まれ。パリ在住。領域横断的な活動を実践するアーティストで、主に塩水を使った化学反応により、ありふれた物体を活性化あるいは崇高化する。ボンディが作品の素材とする物体は、予想される変化や、その物体が本来備えている固有性や象徴性などを基準として選定されている。視覚を超えた体験を創出し、相互の連関、はかなさ、生と死のサイクルといった概念に焦点を当てながら、「物質の生命」に目を向けさせようとするのがボンディの試みである。エコロジーやオカルト科学に情熱的ともいえる関心を寄せ、その2つを融合させ、物体の「アウラ」が重要な役割を果たす多分野横断的で可変的な作品を生み出す。
近年では、ダラス・コンテンポラリー(ダラス、2023年)、ラ・カサ・エンセンディダ(マドリード、2023年)、ラファイエット・アンティシペーションズ(パリ、2023年)、ルドルフィヌム(プラハ、2022年)で展示を行う。2024年秋に開催中の「森の芸術祭 晴れの国・岡山」に参加。
小林椋 Muku Kobayashi
1992年、東京都生まれ。多摩美術大学大学院情報デザイン領域でメディアアートを学んだのち、京都市立芸術大学大学院で彫刻専攻を修了。近年の展覧会に「スゥと数えるように湿っぽい佇まいは、スゥと巻かれる音として砕ける前に、スゥと囲いまで敷きつめているようで」(ギャラリー16、京都、2023年)「亀はニェフスのイゥユのように前足を石にのばすと」(トーキョーアーツアンドスペース本郷、東京、2022年)、「ニューミューテーション#4小嶋晶・小林椋」(京都芸術センター、京都、2021年)など。2016年から時里充とのユニット「正直」でサウンドパフォーマンスを継続的に行う。
丹羽海子 Umico Niwa
1991年日本生まれ。2020年にバージニア・コモンウェルス大学リッチモンド校で彫刻、拡張メディアの修士号を取得。西洋的な主体概念を否定し、身体やジェンダーに拘束されないオルタナティブな主体のあり方を彫刻を通して探究している。萎れた花や、熟したフルーツといった有機的な素材を用いて、儚く移ろいやすい存在を表現する。
十和田市現代美術館で11月17日まで開催中の「野良になる」に出展中。
Information
Everyday Enchantment 日常の再魔術化
ビアンカ ボンディ/小林椋/丹羽海子
会期:2024年10月19日(土)〜2024年12月8日(日) 会期中無休・入場無料・予約不要
開館時間:11:00ー19:00 (最終入場 18:30)アートウィーク東京開催期間(11/7-10)は10:00ー19:00
会場:シャネル・ネクサス・ホール
東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F
主催:シャネル合同会社
シャネル・ネクサス・ホール事務局 Tel:03-6386-3071
詳細はこちら
※価格表記に関して:2021年3月31日までの公開記事で特に表記がないものについては税抜き価格、2021年4月1日以降公開の記事は税込み価格です。